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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 粗品が週刊誌の張り込みを逆直撃

霜降り明星・粗品が週刊誌の張り込みを“逆直撃” ずさんな取材体制が明らかに……

霜降り明星・粗品

「これ本当に緊急で動画撮ってるんですけども」

 そう語る粗品の顔はむくみ切っていて、髪もボサボサ。どうやら本当に緊急であることを察するにあまりある容姿だった。

 29日に霜降り明星・粗品のYouTubeチャンネル「粗品のロケ」に、1本の動画が公開された。そのタイトルは「粗品を張り込んで尾行する週刊誌を張り込んで尾行して突撃した」というもの。公開からたった1日で100万回を優に超える再生数を記録している。

 先日公開した「粗品が粗品の暴露した」という“セルフ暴露”スタイルの動画で、最近何者かに尾行されていることを伝えていた粗品。この日は金曜深夜1時から3時に生放送されている『霜降り明星のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)の放送日だが、「どうやら俺は今日、この後、週刊誌に追い回されるらしい」のだという。

 苦笑いを浮かべる粗品だが、ファンからインスタグラムのDMで「今日のラジオ終わりマスコミに張られますよ」「あのちゃんのおうち割られてます」という文面と当該地図、それにマスコミ側のLINEのトーク画面が送られてきたのだという。

 粗品とあのは以前から「そしあの」としてカップルを匂わせるノリをたびたび披露してきたが、それを真に受けたマスコミがスクープを狙っているということのようだ。

 粗品はこのタレコミをもとに、週刊誌の張り込みバイトに突撃することを決意。あのの許可を取った上でラジオ終わりにあのの自宅周辺に向かい、動画スタッフと共に張り込みをしていた2人の女性を捕獲。その様子を動画にして公開したのだ。

「は~いこんにちは!」

「粗品のロケ」の定番のあいさつで話しかける粗品。全面モザイクで姿を隠され、声も変えられている女性たちが「今2人でちょっとお話ししてました」と答える。

「いやいやいや、全部知ってますから。ね」

 稚拙な誤魔化しを繰り返し、ときには薄ら笑いを浮かべる女性たちに対して声を荒らげることもなく、粗品は丁寧に問いかける。

「どこの出版社ですか?」

「あんまり、変なウソつかないほうがいいですよ」

「ちゃんと説明していただかないと、僕も恐怖を感じてるんで」

 あくまで曖昧な否定を繰り返す女性たち。見たことのない映像だった。タレントが週刊誌の張り込み要員を詰めている。

「この2人は敵じゃないよ、週刊誌を敵とするんやったら」

「どういう経緯でっていうのだけ。僕はやっぱ明日からもちょっと怯えるわけで」

 粗品の口調は、終始穏やかだった。自分を尾行し、無作法に張り込んでいた相手に対してだ。

 それは、世間をにぎわす“熱愛報道”がどんなふうに作られているのか、そのドキュメンタリーそのものだった。

 タレントの自宅住所を突き止め、LINEで募ったアルバイトに簡単にその個人情報を教えている。実際に現場に張り込んでいるアルバイトたちは週刊誌側からの口止めこそ厳密に守って白を切り通すものの、さしたる罪悪感も使命感もない。

 情報の公共性、読者の需要、そうした錦の御旗の下で、今日もこのような乱暴な取材行為が日本中で行われているのだ。

 この動画は急激に拡散している。おそらくは別のタレントやYouTuberによる後追いも出るだろう。粗品というひとりの芸人が芸能界とマスコミの形そのものを変えようとしている、おそらくはその嚆矢となるはずだ。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/06/01 07:07
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