転売ヤーが8000人分の名義保有…旧ジャニーズファンクラブ会員数の実数に疑問
#ジャニーズ #転売
旧ジャニーズ事務所のアイドルグループのコンサートチケットを不正に入手・転売していたなどとして29日、男女4人がチケット不正転売禁止法違反などの疑いで逮捕された。そのうちの男2人はチケット入手のために約8000人分のファンクラブのアカウントを保有していたといい、この事件によって一般に推計されているファンクラブ会員数と会員の実数に大きな開きがある可能性が露呈した。
逮捕された男2人の容疑は、去年5月に札幌市内で開催されたジャニーズWEST(現・WEST.)のコンサートでジャニーズ事務所(当時)が管理する申し込みサイトに他人名義のファンクラブのアカウント情報を与え、電子チケットを受け取る権利を不正に得た疑い。
今までに少なくとも1万枚近いチケットを不正に購入し、女2人が男たちからチケットを買い取り、定価の約3倍で転売していた。これまでに2億円ほどを売り上げたとみられ、警察のサイバーパトロールで事件が発覚したという。
旧ジャニーズ時代からファンや事務所を悩ませていた悪質な転売のシステムが明るみになったといえるが、それとは別の部分でも大きな注目を集めている。いわゆる「転売ヤー」である男2人が約8000人分ものファンクラブの名義を保有していたことだ。
旧ジャニーズのファンクラブ会員数については、会員番号などからの推計で、嵐が300万人超、Snow Manが130万人超、King & Princeが100万人超、SixTONESが80万人超などとされ、全グループ合計で約1400万人と見積もられていた。
ただ、会員番号からの推測だと「退会者の数が計算に入っていない」という問題がある上に、転売目的などで大量にチケットを入手するために複数の名義を持っている会員もいるのではないかと指摘されていた。
今回の事件によって、転売目的で約8000人分も名義を持っている会員が実在したと分かった。同様のケースが他にも多数ある可能性は否定できず、そうなれば推察されているファンクラブ会員数と会員の実数に大きな乖離があることになる。
容疑者たちは8000人分もの名義をどのように管理していたのか、なぜ事務所は気づかなかったのかといった謎は残っているが、このような手口が横行するのは「会場での本人確認が不十分」「事務所公式のリセールサービスがない」という問題が強く関係している。
滝沢秀明氏が率いる新興事務所「TOBE」は、24日に公式リセールサービスの導入を発表。「リセールサービスは、チケットを購入後にやむを得ずご来場いただけなくなった場合に、チケットを安心・安全に出品できるファンクラブ会員様専用の公式サービスです」と説明され、近日中に詳細を発表する予定だとしている。
旧ジャニーズの受け皿となった新会社「STARTO ENTERTAINMENT」は現時点で導入の予定がなく、転売対策でTOBEに後れを取っている印象だ。不正なチケット入手や転売を撲滅するため、公式リセールサービスなどの導入は必須となるはずで、STARTO社の対応が待たれる。もし公式リセールサービスによって転売が減っていけば、ファンクラブ会員の実数も自然と明らかになっていきそうだ。
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