NHK、旧ジャニ排除継続に「自社の不祥事の再発防止策は?」とファン反発
#NHK
NHKの稲葉延雄会長は22日の定例会見で、旧ジャニーズの受け皿となった「STARTO ENTERTAINMENT」の所属タレントについて、今後も当面は新規起用を見送ると表明した。ジャニーズ性加害問題を受けての厳しい態度を継続する形だが、ネット上では「NHKは不祥事が多いのに他社のことを言えるのか」といった声が湧き起こっているようだ。
稲葉会長は、STARTO社とSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)の再発防止策や被害者への補償に関して「一定の進展はある」と評価しつつも、「両社の取り組みを継続的に確認したうえで、新規の出演依頼を行うかどうかを検討したい」とし、今後も当面は新規起用を見送る方針を続けると明言した。
さらに「新会社の経営の独立性が担保されているか、グループ会社を含めて経営が独立しているかを見ている」「一部のグループ会社では藤島ジュリー景子氏が会長にとどまっている」として、新会社と旧会社の切り分けなどについても注視していくという。
NHKは春の番組改編で、旧ジャニーズタレントが出演していたテレビ・ラジオ合わせて8番組を打ち切り、継続する番組からも降板させるなど「徹底排除」を実施。旧ジャニーズと資本関係のないSTARTO社が4月から始動したことでタレントの扱いがどうなるか注目されたが、NHKとしては「旧ジャニーズと同一」と捉え、起用再開を見送ったようだ。
民放各社はすでにバラエティやドラマなどでSTARTO社のタレントを積極的に起用しており、CMでも徐々に起用が再開されている。しかし、NHKは「性加害問題の完全解決」まで排除を続行しそうな気配だ。
これに対して、ネット上では「他社のことより、まず自社の不祥事を徹底究明するべき。NHKは再発防止策を発表してるの?」「自社の不祥事はうやむやなのに。他社に上から目線でモノを言えるほど清廉潔白な会社なのか」「身内に甘く、外部に厳しいのが納得できない」といった声が。近年のNHKでは局員らによる不祥事が相次いでおり、その処分などをめぐり「身内に甘い」という印象が世間に広がっていたこともあって、反発を招いているようだ。
近年のNHKで目立ったのはカネ絡みの問題だが、その中でも最大の不祥事は『紅白歌合戦』にも携わっていたチーフプロデューサーによる横領事件。共謀した番組企画会社の社長らが放送作家として『紅白歌合戦』に関わったように装い、NHKから番組構成委嘱料として約6230万円をだまし取ったとして、実刑判決を受けた。
「国民の受信料」が横領されたともいえる大スキャンダルで、NHKは刑事事件として立件されなかった被害についても民事訴訟を起こし、合計で約1億2500万円の支払いが確定した。ところが、昨年12月に稲葉会長が参院総務委員会に参考人として出席した際に「回収の見込みが立たなくなり、被害総額のおよそ1億2500万円を償却処理した」とサラッと発言。「受信料が原資」である巨額の横領金が未回収のまま、ひっそりと事件が終わっていたことが今さらながらに明かされた。
同事件に端を発して、NHKでは局員によるカラ出張や取材経費の不適切処理などが相次いで発覚。2022年にも、総額約1億8000万円にのぼる不正な交通費の申請・換金を繰り返していたとしてNHK子会社の元社員が詐欺容疑で逮捕されている。繰り返すが経費の原資は「国民の受信料」なので、世間からの信頼を失わないためにも徹底追及すべきだが、NHKが「再発防止策」などを大々的に発表したことはない。
また、2022年には『紅白歌合戦』の総合司会を3年連続で務めたこともある阿部渉アナが、30代の女性局員との「局内不倫」を報じられたが、NHK側は「職務規程に違反した事実はない」として処分せず。阿部アナはラジオ番組を降板したが、それも本人からの申し出だったとされている。
横領事件の被害金をうやむやで終わらせ、再発防止策を世間に公表することもなく、身内が不祥事を起こしても対応が甘い……とすれば、確かに「他社に上から目線で厳しく言えるような資格があるのか」という気がしてしまう。そのような声が出ないためにも、NHKは自社の不祥事にも厳しく臨む態度を見せてほしいものだ。
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