トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『ブルーモーメント』まるで流川vs桜木

『ブルーモーメント』第5話 まるで『SLAM DUNK』の流川vs桜木 橋本じゅんに萌え尽きる

山下智久(写真/Getty Imagesより)

 気象研究という立場から災害に立ち向かうドラマ『ブルーモーメント』(フジテレビ系)も第5話。雪崩、火災、竜巻ときて、今回の敵は雹と濃霧です。雹、怖いですよねえ。ニュースなんかで「ソフトボール大の雹が~」とか言ってるの聞くと、本当に怖い。「そんなの死ぬじゃん」って、もうたぶん人生で100回くらい言ってる気がします。

 で、雹が降ると「ヘイルフォッグ」という現象が起こって、濃い霧が出るのだそうです。ヘイル(hail)は雹でフォッグ(fog)は霧ですね。雹霧だ。そんなお天気豆知識も提供しつつ、今回もSDMは人命救助に勤しむことになります。

 振り返りましょう。

■「口の悪い天才」というステレオタイプ

 さて、特別災害対策本部「SDM」のリーダーであるハルカン(山下智久)は、高度な計算能力と豊富な気象知識で正確な気象予報を弾き出す天才として登場しました。一方で、いかにも尊大で、口が悪い。言ってることは正しいし結局は人の命を救うけど、とにかく上から目線でモノを言う。そうして周囲を威圧してコントロールすることで、人を動かしていく。

 そういうキャラクターがドラマに登場するとき、たいていは「いや、あえて嫌われてるんだ」「人命を救うためなら、俺の評価なんてどうだっていいんだ」と、その態度が正当化されることになります。ヒーローとは孤独なもの、誰の指図も受けない、結果を出せばおのずと周囲はついてくる、そういう価値観のドラマをいくつも見てきました。

 しかし『ブルーモーメント』は、あくまで「SDM」というチームを描くことを目的としています。そして「チームである限り、そういう態度はダメなんだ」と、ちゃんと言う。あえて私たちが見慣れたステレオタイプのヒーロー像を作っておいて、否定して見せる。

 おそらくは、この作品はドラマというメディアを通して本当に本気で「災害から人を守りたい」という信念を抱いている。だから、山Pに恥をかかせることを恐れないんですね。信念が伝わってくると、見る側も「ちゃんと見よう」「ちゃんとこの人の話を聞こう」となりますし、やっぱり「伝えたいこと」があるドラマはおもしろいんです。おもしろいんだよなぁ、『ブルーモーメント』。

■橋本じゅんに萌え尽きる

 今回はSDMに警察からの責任者を迎える回でした。送り込まれてきたのは、SDMの存在に否定的な女性総務大臣の夫である元機動隊員の沢渡(橋本じゅん)。警察では災害対策のエキスパートとして鳴らした人物だそうです。

 その沢渡が自ら「スパイ」を名乗り、ハルカンの態度がSDMに悪影響を与えていると断言。その一方で、現場に出ればエキスパートっぷりを存分に発揮して人命救助に一役買うことになる。

 今回はその沢渡とハルカンを中心としたSDM指揮車両内での会話劇がメインとなりましたが、橋本じゅんって独特な俳優さんなんですよね。二枚目と三枚目、善人と悪人、その対極の顔が常に同居しているような、裏を見せているのに裏を読ませない芝居をする。

 この会話劇を見ているうちに、沢渡とハルカンが『SLAM DUNK』(集英社)の流川と桜木に見えてくる。優秀な人同士が反目しながら共闘しているさまは、それだけで興奮を覚えるものです。あと橋本じゅん、名前がかわいい。

 物語としては、発端となった5年前の豪雨災害でハルカンの婚約者が亡くなっていて、その婚約者の父親が防災担当大臣で、同じ災害で敵対してきた総務大臣の秘書も亡くなっていて、SDMの消防班統括責任者は亡くなったハルカンの婚約者のいとこで、運転手兼料理番の女性(仁村紗和)も何やら関係者を亡くしているらしく、身内・ザ・オンパレードな人物配置がスケール感の矮小化を生みそうな気もするんですが、あんまりそんな感じもしないんですよね。やっぱ自然災害が相手だと、これくらいガチガチに身内で固めても不自然に見えないのか、と、そんなことも感じました。

 次回からは、その5年前の豪雨災害の真相に迫っていくようです。前回は出口夏希、今回は橋本じゅん、次回は仁村紗和と、ちゃんと回ごとに主役を据えて掘り下げているので、チームへの理解が回を追って深まっていくのも最終回に向けての期待をあおります。ほんとにいいドラマをやってると思う。がんばれ。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

どらまっ子AKIちゃん

どらまっ子です。

どらまっこあきちゃん

記事一覧

Twitter:@dorama_child

https://note.com/dorama_child

最終更新:2024/05/23 16:00
ページ上部へ戻る

配給映画