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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 『THE SECOND』出場8組の歩み

『THE SECOND』いよいよグランプリファイナル 出場8組の歩みを振り返る

フジテレビ

 18日、昨年スタートした結成16年以上の漫才師による頂上決戦トーナメント『THE SECOND』(フジテレビ系)の第2回が放送される。

 昨年は優勝したギャロップをはじめ、マシンガンズ、囲碁将棋などに飛躍の機会を与えた同大会。今年も、ベテランたちが浮上の機会を虎視眈々と狙っている。

 ここでは、1回戦の対戦カードを見ながらそれぞれのコンビの歩みを振り返ってみたい。結成16年以上、そこには、さまざまなキャリアがあった。

■第1試合 ハンジロウ vs 金属バット

 第1試合、この日のトップバッターとなるのはハンジロウ。結成22年目を迎えるいぶし銀の漫才コンビだ。2022年までの活動名である「しゃもじ」といえば、記憶しているファンも多いはずだ。

 08年に沖縄から上京すると、間もなくフジテレビ系の王道バラエティ『新しい波』の流れをくむ『ふくらむスクラム!!』レギュラーメンバーに抜擢され、かまいたち、ニッチェなどとともに、一度はスター路線に乗った。

 漫才だけではなくコントでも『キングオブコント』(TBS系)で3度準決勝に進むなど実力を証明しながらも、いま一歩抜け出せなかったコンビ。所属のマセキ芸能社は過去に全国放送の賞レースで優勝者を出しておらず、事務所初の戴冠も期待される。

 一方の金属バットは、今回の『THE SECOND』で唯一の2年連続出場コンビ。昨年はトップバッターで登場し、マシンガンズの勢いの前に屈したが、その実力は折り紙付き。芸歴18年目で初のタイトルを狙う。

 金属バットは、吉本所属にもかかわらず特定の劇場に所属せずに活動してきた異色のコンビだ。東西の劇場を転々としながら、常にアウエイの立ち位置で舞台に立ってきた経験は、彼らの独自のスタイルに磨きをかけてきた。

 18年から22年まで、『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で5年連続準決勝進出。昨年、松本人志に「いつか『M-1』で見られると思ってた。ちょっと感動してます」とまで言わしめた漫才で頂点を見据える。

■第2試合 ラフ次元 vs ガクテンソク

 第2試合は大阪の舞台で長く切磋琢磨してきたコンビ同士の“大阪ダービー”。ガクテンソクは昨春に上京しているが、ともに結成19年目という縁深いカードとなった。

 ラフ次元は昨年、全国放送への最後の砦である「ノックアウトステージ16→8」で、のちに優勝するギャロップに1点差で敗退。『M-1』での最高成績は準々決勝までだが関西地区での知名度はすでに一線級。ローカルではあるもののレギュラー番組も抱えている人気コンビだ。

 今回、6組が勝ち上がった吉本芸人の中でも、唯一大阪に拠点を置くコンビだけに、関西方面からの期待は熱い。

 一方のガクテンソクはスーパーエリートとしてデビューしたコンビだった。05年にアマチュアとして旧芸名の「学天即」で『M-1』準決勝に進出。『THE MANZAI』(フジテレビ系)でも3度のファイナルを経験し、14年には「上方漫才大賞」新人賞を受賞、15年には『ytv漫才新人賞』(読売テレビ)で優勝を果たすなど、本格派漫才師としてその名をとどろかせたが、『M-1』ではついぞ決勝に進出できず20年にラストイヤーを終えている。

 21年に「ガクテンソク」に改名。上京2年目となる今年は、なんとしてもタイトルを獲得して飛躍を遂げたいところだろう。

■第3試合 ななまがり vs タモンズ

 第2試合が大阪ダービーなら、こちらは“大宮ダービー”といったところ。大宮よしもとラクーン劇場に所属するタモンズと、やはり大宮への出演機会が多いななまがりの対決となった。

 ななまがりは結成16年目。16年には『キングオブコント』で決勝進出、19年に『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の「新元号当てられるまで脱出できない生活」企画に抜擢されて注目を集めると、20年には森下直人が『R-1ぐらんぷり』でも決勝に進出。

 昨年、ラストイヤーで臨んだ『M-1』では準決勝で敗退するも、敗者復活戦で爪あとを残すと、今年は正月特番『お笑いエスポワール号』(TBS系)、『水曜日のダウンタウン』の「30-1グランプリ」と、2つの大規模ネタバトル番組で優勝しており、勢いに乗る。

 一方のタモンズは19年目。「大宮セブンの売れ残り」と呼ばれ、マヂカルラブリーやすゑひろがりず、GAG、ジェラードンといったファイナリストから後れを取りながら、地道に漫才を磨いてきたコンビ。12年と13年には『THE MANZAI』の認定漫才師に選ばれているものの、『M-1』では準々決勝どまりと苦杯をなめ続けてきた。

 19年には迷走期に入り、一時コンビ名を「つき」に変更。トリオになるか、解散して引退するかという瀬戸際まで追い詰められたが、盟友である囲碁将棋・根建太一の後押しもあって「タモンズ」として再始動。ノックアウトステージでは「32→16」で292点、「16→8」で283点という高得点を獲得しており、生放送で爆発する可能性も少なくないだろう。

■第4試合 タイムマシーン3号 vs ザ・パンチ

 第4試合は、『M-1』ファイナル経験者同士のカードとなった。今回の出場コンビの中で『M-1』ファイナリストはこの2組だけであり、実績だけ見れば“事実上の決勝戦”ともいえる対決だ。

 結成25年を迎えるタイムマシーン3号は、デビュー後すぐに『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)に参戦すると、連戦連勝でゴールドバトラーに。同番組を象徴する人気コンビとしてその名を全国にとどろかせた。

 また、『M-1』でも05年と15年の2度決勝に進出するなど華やかなキャリアに見えるが、その中で事務所の移籍やデブネタの封印など、さまざまな苦難を乗り越えてきた。

 最近ではYouTubeでも幅広い世代に認知されるようになり、もとより「一般審査の権化」として君臨してきた強さに拍車がかかっている。

 ザ・パンチは8組の中でもっともキャリアの長い結成27年目。08年にラストイヤーで進出した『M-1』では極度の緊張によって大スベリし、さらに「死んで~」というフレーズが一部方面から問題視されるなどの不遇もあって、長く劇場中心の活動を続けてきた。

 ノックアウトステージでは「32→16」で284点、「16→8」で292点をはじき出し、存在感を示している。『M-1』から16年越しのチャンスをつかめるか。

 * * *

『THE SECOND』は今夜19時から生放送。また1組の芸人の人生が変わる。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/05/18 16:00
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