『アンチヒーロー』明墨の目的が明らかに キーパーソンは経歴不明のパラリーガル白木か
#アンチヒーロー
5月5日、日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)の第4話が放送された。主要人物が抱える過去だけでなく、明墨(長谷川博己)がアンチヒーローと化すターニングポイントが掘り起こされる放送回になった。
本作品は「依頼人を無罪にする」をモットーにする弁護士・明墨を中心に進行するリーガルドラマである。検察の証拠を覆すためなら盗撮・盗聴、脅しまがいの手段をいとわない明墨。明墨は裁判での大立ち回りで世間の注目を集め、野放図極まりない明墨を不審に思っていた同僚の若手弁護士たちも徐々に魅了されていく。明墨には何かしらの策略があるようで、検察もその動向への警戒を強めるなか、第4話では連続婦女暴行事件の真相究明劇が始まった。
ニュースで大きく取り上げられる千葉県の連続婦女暴行事件を担当することになった明墨法律事務所の面々。計3つの事件の被告人・来栖(渡邊圭祐)は、明墨の前で3番目の事件の犯行は否認する。事件を調べるなかで、3番目の被害者・仙道(早見あかり)は、犯人確保が難航していた千葉県警と結託して、来栖の犯行に偽証した疑いが生まれた。なんでも仙道は来栖に恋しており、他の女と関わりを持っていることが許せないらしい。偽の証言で犯人に仕立て上げられたらたまったものではないが、千葉県警によるこの蛮行は氷山の一角だった……。
主人公であるにもかかわらず、明墨の過去を垣間見る描写が限られる本作品。唯一の手がかりは謎の囚人(緒形直人)だが、第4話ではついにその正体が明らかになった。囚人の名は志水で、2012年に起きた糸井一家殺人事件の被告として死刑判決を受けた、いわば死刑囚だった。2012年の糸井一家殺人事件と2024年の連続婦女暴行事件、一見すると関係のない事件だが、何の因果か管轄は千葉県警、さらには2012年の一件と同じ捜査関係者が担当していたのだ。
その捜査関係者とは、千葉県警の刑事部長・倉田(藤木直人)。連続婦女暴行事件では仙道の自宅を訪れて来栖の犯行にするべく動いていた人物である。その倉田、なんと紫ノ宮(堀田真由)の父であることが判明。紫ノ宮曰く、尊敬していた父は奇しくも糸井一家殺人事件が起きた12年前から豹変し、当時千葉県警捜査一課にいた倉田はいつにも増して仕事に励んでいたという。さらに紫ノ宮は衝撃の光景を目の当たりにしていた。6年前、当時検事であった明墨は倉田の家を訪れ、倉田に強い口調で「“あれ”を不正に隠蔽したのではないですか?」と問い詰めていた。“あれ”とは志水の冤罪を証明する“捜査情報”で間違いないだろう。
明墨はこれまでの裁判で検察、政治家の闇を暴いてきた。そして今回の事件では、警察の闇を白日の下にさらそうとしている。志水の冤罪を晴らすため、複数権力の過ちを明らかにする“合わせ技”をもってして、糸井一家殺人事件の再審を取り付ける狙いがあると推測できる。
第4話のラストシーンでは、料亭で東京地方検察庁の検事正・伊達原(野村萬斎)と明墨が一騎打ち。伊達原は件の暴行事件にもかかわらず倉田を呼び出したうえで、明墨に屈しないようゲキを飛ばしており、志水の冤罪に関与していることが濃厚だ。伊達原と明墨の2人だけの面会。その目的は、闇を暴き続ける明墨への警告だろうが、明墨が屈するはずはないだろう。そうなると第5話で行われる連続婦女暴行事件の裁判は、千葉県警の不正を暴かれないよう検察も威信をかけて戦うはずだ。
筆者は個人的に第5話では連続婦女暴行事件の行方ともに、明墨法律事務所のパラリーガル・白木(大島優子)の正体を知りたいと思っている。同事務所のメンバーだが、青山(林泰文)は明墨と旧知の仲、赤峰(北村匠海)は政治家が絡む冤罪事件の元担当弁護士、そして紫ノ宮は父が志水の冤罪に関わっており、それぞれが明墨と少なからず縁があるのだ。本作品公式サイトのメインビジュアルで、白木は明墨、赤峰、紫ノ宮、伊達原、検察官・緑川(木村佳乃)と同様の扱いで写っている。これは本作品における重要人物であることを示唆しているのだろう。
事務所唯一の盛り上げ役である“元気印”白木に、一体どんな過去があるのか。『アンチヒーロー』の全貌を紐解くキーパーソンとしてその動向も楽しみに視聴したい。
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日曜劇場『アンチヒーロー』
TBS系毎週日曜21時~
出演:長谷川博己、北村匠海、堀田真由、大島優子、木村佳乃、野村萬斎 ほか
プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵
演出:田中健太、宮崎陽平、嶋田広野
脚本:山本奈奈、李正美、宮本勇人、福田哲平
音楽:梶浦由記、寺田志保
主題歌:milet「hanataba」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
法律監修:國松崇
警察監修:大澤良州
制作著作:TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/antihero_tbs/
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