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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『くるり』第5話 「選べ、人生を」

『くるり』第5話 「選べ、人生を」という思想とキュンなラブコメミステリーの同時進行

めるる

 まずシンプルに、めるる演じる緒方まことさんが超絶かわゆいTBSドラマ『くるり~誰が私と恋をした?~』、7日放送分は第5話です。

 階段から落ちて記憶を失ったまことさんは、おそらくは彼氏だった男に、おそらくは贈るはずだった指輪に導かれるように、それまで勤めていた会社を辞めて指輪職人の道を選びました。

 今回はそんなまことさんの、選択についてのお話。振り返りましょう。

■Choose life,Choose life.

 前回はブルース・リーの『燃えよドラゴン』(73)に出てきた名言「Don’t think.FEEL!(考えるな、感じろ)」よろしく、自分が美しいと感じるものを探したいという思いに至ったまことさん。

 今回のテーマは「自分が好きなものを選ぶ」です。

「選べ、人生を」

 ブルース・リーから一転、今度はダニー・ボイルかと。「Choose life」。『トレインスポッティング』(96)ですね。劇伴の「Choose Life」というPF Projectさんの楽曲は、こんな一節から始まります。

「選べ、人生を。選べ、仕事を。選べ、キャリアを。家族を選んで、クソデカいテレビを選べ」

 かように人生は選択に満ちています。選ぶことは、一方を捨てることだと、今回の『くる恋』でもメンクリの先生の口から語られました。

「おまえは自分自身を置き換える(replace)ために、産み落とされたんだ(spawned)。選べ、未来を。選べ人生を」

 そこまで言い切ると、この曲は残りの3分をインストゥルメンタルに使います。『くる恋』のまことさんは階段から落ちたんじゃない。産み落とされたんですね。それまでのまことさんをリプレイスするために。

 そんなわけで令和のシック・ガールことまことさん、今回は記憶の断片をたどるために伊豆の実家に帰省することになりました。時節はちょうど母の日、まことさんは母親に贈るべきカーネーションすら選べません。好きな色のカーネーションを選ぶことは、ほかの色を捨てることだから。あと、そもそも花とか好きじゃないし。

■なんかいろいろ情報過多になってきた

 今回の本筋については、マジで上記のPF Projectさんの曲に集約されているので、ここでは省略します。

『くる恋』は記憶喪失になった人が人生を置き換えていくという本筋を語りながら、元同僚、元カレの花屋、一目惚れしてきたIT社長という3人のイケメンにチヤホヤされつつ、“指輪の男”の行方を捜すラブコメを展開しています。

 元同僚イケメンはまことさんへの思いを隠さなくなり、元カレは元同僚への嫉妬から「まだ好き」な自分に気づいて最後には“ゆる告白”してみたり、ITのほうは積極的にまことさんに絡みにいきますが、どうやら一目惚れではなく記憶喪失前からまことさんと関係があったらしい。

 そんなまことさんのもとに、1本のLINEが届きました。

「隼人とはあれからどうなった?」

 第4の男、隼人の登場です。果たしてこの隼人が指輪の男なのか。

 そして、まことさんが記憶を失った日に同じ場所にいたITイケメンは、事故とどんなかかわりを持っているのか。

 などと期待をあおりつつ、今回の最も大きな伏線はたぶん、メンクリの受付女性(片平なぎさ)です。何しろ片平なぎさなのでチョイ役なわけないとは思っていたんですが、「先生の妹」と紹介されていたこの女性に新たな情報が与えられたのです。

 この人、まことさんが以前「指輪職人になったよ」と言ったことをすっかり忘れていました。おそらくは高次脳機能障害があって、次の日には記憶を失ってしまうといった症状を持っているのでしょう。今クールのドラマ『アンメット』(フジテレビ系)のミヤビ先生や映画『ガチ☆ボーイ』(08)の五十嵐と同じ感じのやつ。

 先生とお揃いの指輪をしているこの受付女性が、今後のまことさんの選択に大きな影響を及ぼしてきそうです。「記憶障害をそのまま受け入れる」という生き方を選んだ人たち。

 あいかわらず、本筋とラブコメとミステリーの3軸で同時並行的に伏線を張りまくっている『くる恋』。すごいことやってるなぁと感服しながら次回を待つしかありません。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

どらまっ子AKIちゃん

どらまっ子です。

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最終更新:2024/05/08 10:00
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