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『アクマゲーム』第5話 繰り広げられるイカサマの多重債務 子ども向けだからこその……

間宮祥太朗(Getty Imagesより)

 世の中はゴールデンウィーク真っ盛り。各地では、「リアル脱出ゲーム」的な謎解きアトラクションなんかを楽しんでいる方々も多くおられることでしょう。

 5日に放送された『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)第5話でも、「悪魔の鍵」の所有者が一同に集められ、トーナメント大会を開催。命を懸けた残酷なデスゲームっぽい雰囲気でスタートしたドラマですが、回を追うごとにアトラクション的なライト感が漂ってきました。ちなみに視聴率はジェットコースターばりに急降下中のようです。

 振り返りましょう。

■またイカサマしよる

 トーナメントには、とりあえず7人が呼ばれているようです。主人公の照朝(間宮祥太朗)と、なんか仲良しになった若き天才ギャンブラー・潜夜(竜星涼)。あとはアイドル、将棋の竜王、カリスマYouTuber、心理学者、それに照朝の友達の初(田中樹)も「悪魔の鍵」を与えられて参加しています。照朝と潜夜以外はそれぞれ、別に望んでもないのに空から鍵が降ってきて選ばれた人たちです。鍵を手に入れてからというもの、運が回ってきているんだそうで、樹ちゃんのお兄ちゃん・聖くんのところにも鍵が降ってきたらよかったのにね、と思いました。

 1回戦の組み合わせは、照朝とアイドル、初くんと心理学者、YouTuberと将棋、潜夜の相手は、まだ到着していません。

 競技種目は「隠蔽看破 Hide&See」。6つの食卓が並ぶ部屋で、相手の見ている前で1枚のコインを隠し、その場所を見破るというものです。ここまでは毎回楽しいのです。どれだけの知略、謀略を尽くした心理戦が行われるのかと、ドキドキしちゃう。ルールがシンプルであればあるほど、高度な駆け引きを期待してしまう。

 だからこそ、前回コマを使ったゲームでそのコマを壊してごまかしたり、前々回のカードゲームでカードにマジックペンで落書きしたりというイカサマ行為が受け入れがたかったわけですが、今回もまた初手からイカサマでした。

 この会場には6つの食卓が用意されていて、そこに1~6の数字のポップが立っているわけですが、照朝はまずガタガタとテーブルを動かすと、数字のポップを入れ替えるという姑息な手を使います。さらに、あらかじめ用意してきたというニセモノのコインを4番のテーブルに放り投げて、アイドルちゃんを騙すことに成功しました。

 いや、あのね。まずゲームにコインを使うことなんて照朝くんが知るわけないのに、どうして用意して来れるのよ。しかも、本物とニセモノが遠目では判別できないくらい似てるというのは、どういうことなのよ。

 そのニセモノのコインは前回、アクマゲームで悪魔が空間から出現させたもので、ゲーム終了と同時に全部消えたのに、なんで1枚だけ物理的に持ち出すことができるのよ。

 ゲーム参加者としての照朝くんがイカサマしてるし、ドラマとしても設定を無視して都合のいいイカサマをしてるんです。

 こうした心理戦を描くとき、ドラマ側による「この作品おもしろいでしょ?」という提案は、そのまま「作ってる私たち頭いいでしょ?」に変換されます。それはもう心理戦を描くうえでの宿命です。

 こんなイカサマの多重債務みたいなゲームを見せられて「私たち頭いいでしょ?」じゃないんだよ。困っちゃうよ。

■ジュブナイルであることの功罪

 もとより『ACMA:GAME』という作品の原作は少年誌に連載されていたコミックなわけで、ジュブナイルとして世に出たという性質があります。

 だから、この雰囲気から視聴者が期待するような残虐性や厳密な命のやり取りがないことには目をつぶろうと思って見てるし、あくまで子どもが理解できる範囲での心理戦を描かなければいけないという縛りがあることも理解します。ジュブナイルでデスゲームという試みも興味深くはある。

 それでも、だからこそゲームの内容がもうちょっとなんとかならんのかと思うんですよ。イカサマやって勝ちましたワーイというのは、こんなこと言いたくないけど、教育上よろしくないと思ってしまうのです。

 頼むよ~。もうちょいなんとか。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

どらまっ子AKIちゃん

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最終更新:2024/05/17 12:39
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