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「令和のテレビ出演ランキング」の怪 天下を取ったはずの千鳥がいない

千鳥

 タレントのテレビ出演本数などメディアの調査・分析を行うニホンモニターが1日、2019年5月~23年12月のテレビ番組出演者データを基にした「令和タレント番組出演本数ランキング」を発表して話題を呼んでいる。

 ランキングは、この期間にNHK総合、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京の在京6局を対象にグループ出演と個人出演の合算で集計され、局員のアナウンサーと通販番組、再放送は対象外となっている。

 ランキング1位はバナナマンの設楽統で2,750番組。12年から始まったフジテレビ朝の帯番組『ノンストップ!』のMCを務めるほか、『奇跡体験!アンビリバボー』(同)、『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京)など多くのレギュラーを抱え、盤石の強さを見せた。

 2位には博多華丸・大吉の博多大吉の2,441番組。18年からコンビでMCを担当するNHK総合の朝帯『あさイチ』のほか、ピンでの稼働も多く、12位にライクインした相方の博多華丸の1,979番組と500本近い差をつけた。

 そのほか、『ラヴィット!』(TBS系)の麒麟・川島明(4位)や『ぽかぽか』(フジテレビ系)のハライチ・澤部佑(7位)など、やはり帯番組のMCを務めるタレントがランキングの上位を占めた。

 3位にはオードリー・春日俊彰。計測期間中に帯番組を持たず2,382番組に出演している。MCができるわけでは春日はコンビでのレギュラー以外はほとんどゲスト稼働であり、需要の高さを感じさせる数字だ。

 5位には同じくオードリーの若林正恭が2,273本でランクイン。こちらは『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)や『激レアさんを連れてきた。』(同)、今年3月に終了した『午前0時の森』(日本テレビ系)など、ピンでのレギュラーMC番組で数字を稼いでいる。

 8位と9位にはチョコレートプラネットの2人。10位にはバイきんぐの小峠英二がランクイン。

 20位までのうち、お笑い芸人以外では6位の林修(2,262本)、11位のTOKIO・国分太一(2,012本)、18位の池田美優(1,860本)。実に20人中17人がお笑い芸人である。今のテレビが、いかにお笑い芸人を起用したバラエティに依存しているかがわかる結果となった。

 ところで、バラエティの世界ではたびたび“天下”について語られている。ビートたけし、明石家さんま、タモリというBIG3の時代を経て、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、とんねるずが隆盛を誇った80~90年代。『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)で一世を風靡したナインティナインもまた、天下を取った芸人と言えるだろう。

 現在、その天下に最も近い位置にいるといわれているのが、千鳥である。『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)、『千鳥のクセスゴ!』(フジテレビ系)、『千鳥の鬼レンチャン』(同)などのキー局レギュラーのほか、『相席食堂』(ABC)、『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)のローカルレギュラー、ABEMAで配信されている『チャンスの時間』もお笑いファンにはおなじみのプログラムだ。その出演番組はTVerでも上位を席捲し、春からは『すぽると!』(フジテレビ)で「キャプテン」を担当するなど、今やテレビで千鳥を見ない日はない。

 だが、千鳥は今回の「令和ランキング」には入っていない。それどころか、ニホンモニターが毎年発表している「タレント番組出演本数ランキング」のトップ10に、千鳥は一度もランクインしたことがない。

 今回のランキングから読み取れるのは、千鳥より売れているタレントは山ほどいるということだ。それでも、次の“天下”といえば、誰もが千鳥だと口をそろえる。

 オードリーの若林は『あちこちオードリー』(テレビ東京系)で、天下を取る芸人の条件について、たびたびこう語っている。

「自分の教科書を押し付けることができる人」

 売れることと天下を取ることは違うのだ。それを、今回のランキングが証明している。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/05/04 11:00
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