ウエストランド・河本太の『カーボーイ』生謝罪と、爆笑問題・太田光の“業の肯定”
#爆笑問題 #ウエストランド
30日深夜、お笑いコンビ・爆笑問題がパーソナリティーを担当するラジオ『爆笑問題カーボーイ』(TBS系)にウエストランドが出演した。同番組は通常、事前収録で放送されているが、この日は直前になって生放送に変更。タクシー運転手とトラブルを起こしたことが報じられているウエストランド・河本太が謝罪コメントを発表するとみられていた。
ウエストランドが『カーボーイ』に生出演するのは2022年末の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の優勝報告以来。過去には、SNS上に井口浩之のプライベートな動画が流出した、いわゆる「いぐちんランド事件」の際に井口が単独で生出演したこともあった。
「いぐちんランド事件」の際は、爆笑問題・ウエストランドの2組が所属するタイタンの太田光代社長の采配によって井口の生出演が決まっており、今回のウエストランドの出演も光代社長の指示だと思われる。
番組冒頭、爆笑問題の太田光は「俺は別に、たまたまいたわけじゃないからね、家に」と一言。トラブルを起こした河本と井口が光代社長の自宅を訪れた際に、「たまたまいた太田光を交えて緊急会議」と報じられたことについて、「自宅だっつーの。なんなんだよ通りがかりみたいに言われて」とネット記事にくぎを刺した。
実際には光代社長に求められて会議に参加していたという太田。普段は基本的に自室にこもっていることで知られているだけに、確かに、求められもせずその場にたまたま通りがかることはなさそうだ。
会議の中で河本は「断酒」を宣言したものの、酒飲みの光代社長は不可能だと判断。「たとえば私だって誘う場合があるから」などと理解を示していたことも明かした。
ハイライトは、ウエストランドの登場後。爆笑問題に対しても謝罪を繰り返す河本に、太田は「我々には、公の場で謝る必要はないんですよ。迷惑かかってないですから」となだめると、「いやいや」と恐縮する河本に「『いやいや』じゃなくて、我々は内輪ですから」と諭し「むしろ俺らなんか、おまえらにはいい思いしかさせてもらってないからね」と語りかけた。
いつもこうなんだ、太田光という人は。
太田が今回の河本のトラブルをかばうようなことは、一切なかった。河本に以前から飲酒トラブルが相次いでいたことについても「自分は酒を飲まないから」と理解を示すこともない。河本が生放送前にADにまで深々と謝罪していたというエピソードについては「当たり前だろ、この場所を借りてるんだから」と厳しく筋を通す。
その一方で、このタイミングで「おまえらにはいい思いしかさせてもらってない」と断言してみせる人なのだ。
酒で身を滅ぼしそうになった魚売りの男が酒を断ち、人生を再起させる古典落語「芝浜」を例に出し、そのストーリーを細かく説明しながら河本への思いを語った場面もあった。「芝浜」は故・立川談志の十八番である。談志の語った「業の肯定」という考え方を引き合いにしながら、談志は飲酒問題がきっかけで国会議員の座を失しているから「(古今亭)志ん朝を聞け」と言って笑いを取る。
その太田の目の前で、井口は「これから巻き返していくしかない」と言った。「漫才をしていく」と。
「僕は笑かせるかどうか、わかりませんけれども」と河本も言葉をつなぐ。
もうすっかり、いつものウエストランドだった。もっとも肯定されたい人に肯定してもらえれば、人はいつだって、何度だって再生できる。そんなことを感じさせたこの日の『カーボーイ』だった。
(文=新越谷ノリヲ)
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