『Re:リベンジ-欲望の果てに-』第2話 赤楚衛二を「一皮むけ」という大命題
#Re:リベンジ
フジテレビの木曜劇場『Re:リベンジ-欲望の果てに-』第2話が18日に放送されました。
大病院の権力闘争というハード目なテーマで、“かわいこちゃん俳優”のイメージの強い赤楚衛二くんを一皮むけさせようという意図をビンビンに感じるドラマですが、今回も赤楚くん、キレまくってます。いつになく暑苦しいですし、赤楚くん以上に脇を固める俳優たちも暑苦しい。余貴美子、梶原善、笹野高史といった病院の上層部連中はとにかく暑苦しいし、錦戸亮のクールに決めてます感もうるさくてしょうがない。もうみんな、顔面がうるさいんです。こういうドラマ、嫌いじゃありません。振り返りましょう。
■あら、赤楚お髭男dism
前回、このドラマは赤楚衛二という俳優さんが恋したり葛藤したり、苦しんだりブチ切れたり、絶望したり慟哭したり、奮闘したり、そういう姿を撮ることを目的とした作品だと思うと書きました。いわゆる赤楚くん全面フィーチャーのアイドルドラマだと。
今回は、たっぷりおヒゲを蓄えた赤楚くんからスタートです。うーん、ダンディズム。
父親の葬式で何者かに襲われた海斗(赤楚)は、山奥の診療所で目を覚ましました。「退院していい」と医師に言われて野山を歩き始めますが、ここがどこだかわかりません。通りすがりのトラックに拾われて東京に帰ることになりますが、ここで自分が5カ月もの間、意識を失っていたことを知ります。
職場である週刊誌の編集部には、誰かが勝手に退職メールを送っていたようで、すでに席はない。付き合っていた彼女に電話しても「今さらなんなの」と冷たくあしらわれてしまいます。
海斗が眠らされている間に、海斗の父親・智信さん(光石研)が理事長を務めていた天堂記念病院では新体制がスタートしていました。智信さんをよく思っていなかった義姉の市子(余)が新理事長のイスに座り、智信さんが死ぬ直前に新しく赴任してきたクールガイ・大友(錦戸)も理事として参入しています。もともと理事になるはずだった海斗は、“邪魔者”として排除されていたということです。
この大友が怪しいとにらんだ海斗くん、週刊誌時代の後輩である木下(見上愛)をパートナーに、まずは大友の背後を洗うことにしました。すると、大友が早くに母を亡くして施設で育ったこと、その母は智信さんを執刀医とした手術中に術中死しており、天堂病院に恨みを持っていそうなこと、智信さんは大友に金銭的援助をしており、天堂に大友を呼んだのも智信さんだったこと、智信さんは病死ではなく何者かに毒殺されたこと、ついでに大友は海斗の元カノ・陽月ちゃん(芳根京子)と付き合っていることも判明しました。
どうやら大友は天堂病院に“リベンジ”しようとしている。海斗くんは病院に入り込んで、大友の正体を暴くことを決意します。大友の“リベンジ”に対するリベンジ返し、つまりは“Re:リベンジ”ということでしょう。だいぶ見えてきました。
■前提を飲み込んじゃえば大丈夫
第1話での最大の違和感は、医大を中退して週刊誌で働いている海斗くんが「病院に理事として戻る」という選択肢を与えられていることでした。新理事長たちにとって、海斗くんが理事として戻ることが新体制の邪魔になることは理解できるんですが、海斗くんが「戻れる」意味がわからない。病院の理事って、何年か週刊誌の記者をやってた若者に務まるようなお仕事なのかと思ってしまう。務まらないのに戻れるなら、それこそ海斗くんが憎むべきゴリゴリの縁故採用だということですし。
天堂に海斗くんを戻したくないという状況が物語の出発点なのに、そこに無理が生じている。お話としてはけっこうヤバいかもと思っていたのですが、そこだけ飲み込んじゃえば大丈夫そうです。大友の素性が明かされ始めた今回は、たいへん見やすくなっていました。
海斗と大友、つまりは赤楚衛二と錦戸亮の対決構造だけ追っていけばよさそうなんですね。大友が実は正義だったとしても巨悪だったとしても、錦戸は筋立てさえつければ説得力を持ちうる強い顔面を備えてますし、それはヒラとして病院に入り込んだ海斗が暴いていけばいい。第2話までで、このドラマが何を見せたいかはよくわかりました。
それと、海斗の後輩記者の木下を演じる見上愛のファッションがいちいちオシャレなのがいいですね。病院の人たちは白衣かスーツですし、どいつもこいつも顔面が暑苦しいことは前述しましたが、オシャレで涼やかな見上愛が「病院」と「世間」との世界観のギャップを生んでいたように感じました。このギャップが、海斗がこれから乗り込んでいく大病院という世界が魑魅魍魎のうずまく妖怪屋敷みたいな恐ろしいところだという演出に一役買っていると思います。
まだおもしろくはないけど、おもしろくなりそうではある。『Re:リベンジ』第2話はそんな感じです。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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