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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > NHK、STARTO社始動後も所属タレントの新規起用見送り

NHK、STARTO社始動後も所属タレントの新規起用見送り…問題は「SMILE-UP.との関係」

NHK

 ジャニーズ事務所からマネジメント業務を引き継ぐ新会社「STARTO ENTERTAINMENT」が今月10日より本格始動したが、NHKは「所属タレントの起用見送り」の方針を継続すると発表。新会社が旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)と「切れているのか」が焦点となっており、NHKは「まだ疑わしい」というスタンスをとっているようだ。

 NHKはジャニーズ性加害問題を受け、旧ジャニーズ所属タレントの新規起用をストップしている。同局の稲葉延雄会長は17日の定例会見で、性加害問題における被害補償や再発防止の取り組みなどについて「一定の進展があると評価している」としたが、その一方でSMILE-UP.とSTARTO社に関しては「ちゃんと(関係が)切れているか、確認がもう少し必要」と述べ、STARTO社が始動しても起用見送りの方針は「まったく変わりありません」とした。

 STARTO社はSMILE-UP.と資本関係のない別会社ではあるが、莫大な収入を生み出すタレントのファンクラブはSMILE-UP.が運営を継続しており、既存楽曲の原盤権などもSMILE-UP.がブライト・ノート・ミュージック(旧ジャニーズ出版)と共同で変わらずに保有している。

 SMILE-UP.はファンクラブ組織「ファミリークラブ」のSTARTO社への譲渡を検討したが、起業したばかりのSTARTO社の経営状況から「難しい」と判断。STARTO社が新たにファンクラブを立ち上げることも、「会員番号に愛着のあるファンがいる」などの理由で断念したという。

 SMILE-UP.は今夏をめどにファンクラブ組織を分社化し、独立させる方針を発表。音楽の原盤権なども保有割合を段階的に小さくすることを検討しているという。しかし、現段階では「ファンクラブや原盤権などを通してSTARTO社とSMILE-UP.がつながっている」と見ざるを得ないのが実情だ。

 また、ファンクラブは分社後もSMILE-UP.が株主として残るといい、段階的に株の保有割合を減らし、その間の配当などの利益は受け取らないというが、実際にどのような形になっていくのかは不透明だ。また、新たに発生した原盤権などの版権は「STARTO社と版権の管理ノウハウを有するブライト・ノート・ミュージックが共同で保有する予定」としており、旧ジャニーズの関連会社だったブライト社の関与を疑問視する声もある。

 このような状況から、NHKは「まだSTARTO社のタレントは起用できない」という判断に至ったのだろう。稲葉会長は、ファンクラブの分社化や知的財産などに関する動きは把握しているというが、新規起用の再開については「きちんとした再発防止策など、ある程度、革新的な方針が得られた段階など、すべてが完全に終えたところまで見ないと判断できないということではないと思う」と慎重な姿勢を示した。

 SMILE-UP.によると、性加害問題で被害を申告した981人のうち、4月15日時点で354人への補償金の支払いが完了したという。タレントたちはSTARTO社との契約に完全移行し、SMILE-UP.が被害補償を進めると同時に新体制が始まったという状況だが、NHKから「まだ足りない」とダメ出しを食らった格好といえそうだ。さらに、SMILE-UP.社長の東山紀之氏のタレント時代のマネージャーら元スタッフ2名が未成年タレントへの性加害をしていたという新事実も浮かび上がっており、性加害問題そのものにも新展開があり得る。

 STARTO社は10日に東京ドームでオールスターコンサートを開催し、華々しい船出をアピールしたが、NHKから「NO」を突き付けられた事実は大きく、民放やCM、イベントなどでのキャスティングに影響が出る可能性がある。STARTO社が軌道に乗るのは、まだまだ先のことになりそうだ。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2024/04/18 15:00
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