佐藤健が抱える『るろうに剣心』の呪縛と俳優としての今後の課題
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俳優の佐藤健主演の映画『四月になれば彼女は』が3月22日に公開され、公開初週の「国内映画ランキング」(興業通信社調べ、3月22日~24日)にて、公開初日から3日間で動員16万4000人、興収2億2900万円を記録したと発表された。
原作は東宝の社員で数々のヒット作をプロデュースし、小説家としても活動する川村元気氏による恋愛小説。同書は45万部突破というベストセラーだ。
結婚を控えた精神科医の藤代俊役を佐藤健、謎の失踪を遂げる藤代の婚約者・坂本弥生役を長澤まさみ、藤代の学生時代の恋人で、世界中を旅する伊予田春役を森七菜が演じている。
数字としてはそれなりのスタートを切ったが、大手映画情報サイトのレビューでは、《映像と音楽が綺麗以外、正直心動かされることがなかった。》、《正直に言うと、内容は少し理解しにくかった。》《感情移入できない。冷静になって考えると酷いことしかしてない。》など微妙なコメントが目立った。
「東宝の配給にしてはスタートの公開館が254館と少なめだったが、それもそのはず。おととし、川村氏の原作小説を菅田将暉と原田美枝子のダブル主演、菅田の相手役が長澤まさみで、川村氏がメガホンを取って映画化した『百花』が公開されたが、興行収入は6億円という微妙な結果に。それでも、今作は佐藤の主演とあってか、ヒットの基準となる興収10億円は超えそう。佐藤は川村氏の小説を映画化した『世界から猫が消えたなら』(16年)、『億男』(18年)でも主演を務め、今作で川村氏の実写映画は3作目だが、同氏とは親交があることもあり、佐藤を主人公で当て書きしているのかもしれない」(映画業界関係者)
そんな佐藤だが、このところ、いずれも社会派の作品となった『ひとよ』(白石和彌監督、19年)、『護られなかった者たちへ』(瀬々敬久監督、21年)に出演。これまで、数々の大作で重要な役どころを演じてきた佐藤だが、これらは以前なら選ばなかったような作品だ。
「佐藤の代表作といえば、代人気コミックを実写化し、12年から21年までの計5作品が公開された『るろうに剣心』シリーズ。主人公・緋村剣心役のハードな殺陣・アクションシーンで原作のファンをも納得させ、5作品の累計興収は195億円を記録。コミックを実写化した作品の中でも圧倒的な興収をたたき出した。とはいえ、21年3月末で大手芸能事務所・アミューズから独立し、同社が出資した新会社に移籍した佐藤。いろいろ、自分なりにやりたいことがあっての移籍のようで、社会派作品への出演もそのひとつだろう。とはいえ、『るろ剣』の大ヒットの印象が強く、今後、新たな作品への役作りに対する“ハードル”になっているので、それを乗り越えるべく、先の作品に出演しているのだろう」(芸能記者)
今年の正月でシリーズが完結編を迎えた、綾瀬はるかが主演のドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)では、脇役に回っておバカなキャラを演じ好評だった佐藤。次回作でどんな役を選ぶのかが注目される。
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