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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『花咲舞が黙ってない』第1話

『花咲舞が黙ってない』第1話 当たり前におもしろくなる作品を、おもしろく作るということ

第1話 今度の敵は女!? | TVer

 土曜ドラマ『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)も13日にスタート。2014年春の第1シリーズ、翌15年夏の第2シリーズに続いて、第3シリーズとなる今回は主演の花咲舞が杏から今田美桜にスイッチしました。

 脚本・演出は第1第2でもメインを張った松田裕子さんと南雲聖一さんのコンビ。花咲のバディである相馬健は上川隆也から山本耕史になりました。

 ちなみに上川隆也は花咲の叔父さんとして登場。花咲の実家の1階で営業している居酒屋を花咲のお父さんから受け継いだという役どころ。お父さんを演じていたのは、18年に亡くなった大杉漣さんでした。

 では、振り返りましょう。

■もう一度、臨店班に異動するところから

 杏ちゃん花咲は東京第一銀行の臨店班で大暴れしていたわけですが、美桜ちゃん花咲は再び支店の窓口に戻り、改めて臨店班に異動するところからスタート。前シリーズとは別の世界線ということになります。

 今田美桜、すごくいい感じです。でかい目ん玉で血気盛んな感じだし、これはいい意味ですけど、あんまりインテリジェンスを感じさせないのがいい。花咲舞というキャラクターの「裏のなさ」にすごく合ってると思いました。

 第1話はドラマオリジナル脚本だそうですが、花咲が異動前に務めていた羽田支店に臨店班として訪れるという設定も秀逸です。第1話では臨店班という部署の仕事内容の説明が必要になるわけですが、異動前のエピソードがフックになっているので、登場人物の人間関係への理解が済んだ上で物語が展開していくことになる。これにより、すんなりと対立の構図に入っていくことができます。

 で、対立の構図に入ってしまえば、あとはもう池井戸節というか、これもいい意味ですが、定番の展開が待っているので安心して楽しめる。花咲の直感と情熱、バディである相馬さんのロジカルなアシストで悪いやつを懲らしめるだけ。普通にやれば当たり前におもしろくなるドラマを、ちゃんとおもしろく作りましたという第1話でした。

■栗山千明久しぶりに見た

 第1話のゲストでは、キーになる羽田支店の融資担当として栗山千明が出演していました。個人的にすごく久しぶりに見た気がするんですが、ショートカットで落ち着いた大人の女性として登場していて、すごく新鮮でした。最初、全然わからなかった。こんな感じで仕上がったか、と。調べたら去年髪切ったそうですね。あの女の子、今こんな感じですよとタランティーノに見せてあげたい。

 それと、頭取も狙える敏腕女バンカーとしてレギュラー出演する菊地凛子もカリスマ感バリバリでカッコよかったですね。天真爛漫な今田美桜とのコントラストは、今からクライマックスで訪れるであろう対決にワクワクしちゃいます。あの女の子、今こんな感じですよとアレハンドロ・イニャリトゥに見せてあげたい。

 あと、すごくいいなと思ったのが、このドラマは今田美桜を魅力的な人間としては描こうとしているけど、かわいい女の子として撮ろうとは全然してないんですね。実直で情熱的なのはいいけど、ちょっと敵に回したらウザいぞというくらい戦闘的なバンカーとして描いている。この作品は今田美桜にとって、ちょっとイメージを刷新する出世作になるような気がします。

 あとやっぱし『花咲舞が黙ってない』ってタイトルはすごい。全部伝わりますもんね。

 なんの心配もないと思います。土曜の夜に、安心して楽しめる痛快エンタメドラマがあるというのは、生活が少し豊かになるということです。よかったよかった。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

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最終更新:2024/04/14 16:00
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