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滝沢氏は競合否定も…TOBEとSTARTO社、チャリティーソング&ドーム公演の「かぶり」にファン複雑

チャリティーシングルCD「WE ARE」/STARTO ENTERTAINMENT

 旧ジャニーズ事務所からマネジメント業務などを引き継ぐ新会社「STARTO ENTERTAINMENT」が3日、所属タレント14組75人が参加するチャリティーシングル「WE ARE」をリリースすると発表した。くしくも、滝沢秀明氏が率いる芸能事務所「TOBE」の所属タレント13名が参加したチャリティーソング「Be on Your side」が配信されたばかり。「チャリティーソング対決」のような構図となったことにファンの間で困惑の声が広がっている。

 4月より本格稼働となるSTARTO社は、4月10日に東京ドーム、5月29日~30日に京セラドーム大阪で船出を記念した初のドームコンサートを開催。同イベントに出演するNEWS、SUPER EIGHT、KAT-TUN、timelesz、King & Prince、SixTONES、Snow Man、なにわ男子、Travis Japan、Aぇ! groupら14組75人が参加するプロジェクト「STARTO for you」が始動し、能登半島地震の復興支援を目的としたチャリティーシングル「WE ARE」をリリースする。

 「WE ARE」はデジタルシングルとして4月10日に先行リリースされ、シングルCDは6月12日に発売予定。収益全額が能登半島地震の被災者に寄付される。

 旧ジャニーズ時代においても、阪神・淡路大震災の復興支援のために結成された大型ユニット「J-FRIENDS」や、東日本大震災復興支援プロジェクト「Marching J」などチャリティーに熱心に取り組み、所属タレントによる炊き出しなども積極的に展開してきた。その流れをくむチャリティープロジェクトといえるが、今回は無条件で歓迎された過去の活動と違い、賛否が起きている。

 主な批判の原因は、ジャニーズ性加害問題がいまだ解決していないことだ。SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)の発表によると、被害の申告があった973人のうち、3月29日時点で補償金の支払いに至ったのは324人。3分の1ほどしか被害補償が進んでおらず、そんな状況で大々的にチャリティー活動に乗り出すことに「被害者の気持ちを逆なでする」「すべての補償が済んでからやるべき」といった声が上がっているのだ。

 さらに物議を醸す要因となったのが、旧ジャニーズを離れた滝沢氏が設立した「TOBE」もチャリティーソングをリリースしたこと。同じく能登半島地震の復興支援のためのプロジェクト「to HEROes Project -Act for HOPE-」を立ち上げ、Number_iの平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太が作詞し、彼らに加えて三宅健、北山宏光、IMP.、大東立樹の計13人が参加したチャリティーソング「Be on Your side」が3月に配信された。

 同月、TOBEは4日間にわたり、所属タレント総出演の東京ドーム公演を開催しており、この時点でSTARTO社は「ドームコンサートかぶり」になっていた。さらに「チャリティーソング対決」のような構図となってしまったことで、ネット上では「所属タレントが違うだけでやることが変わらない」「結局、競合関係になっちゃうのか」「この状態だと、どっちかがパクリとか後追いに見えてしまう」といった複雑な声が上がっている。

 もちろん、どちらも被災地支援のために尽力するのは素晴らしいことなのだが、同じタイミングで同じような動きがあると、どうしても両者が比較される。そうなると、ファン同士の対立なども生じやすくなる。

 滝沢氏は昨年末にスポーツ紙の合同インタビューで「僕らがデジタル戦略をする理由はSTARTO ENTERTAINMENTのタレントの皆さんと(活躍の場が)バッティングしないようにしているから」と語り、STARTO社との競合を避けていることを示唆した。しかし、実際は「かぶり」が避けられない現実が浮き彫りになったといえる。

 1日放送の音楽特番『CDTVライブ!ライブ!』4時間30分スペシャル(TBS系)でNumber_iとTravis Japanの「絡み」が見られるなど、所属が変わってもタレント同士の仲は変わらずにいいようだが、これにも一部ファンから「見えるところで仲よくしてほしくない」という意見が上がるなど、ファン心理は複雑な様子。類似した企画や動きが今後も増えれば、さらに「競合関係」という見方が強まっていきそうだ。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2024/04/04 15:00
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