プロ野球開幕、解説者順位予想の“正しい読み方”「忖度」と「驚異的に低い的中率」の実情
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目下、世間は大谷翔平の話題で一色だが、日本のプロ野球もいよいよ29日に開幕。スポーツ紙やスポーツニュースでは盛んに順位予想が行われている。ずばり今シーズンはどのチームの評判が高いのか?
「セ・リーグは昨年、日本一になった阪神の連覇を予想する評論家が多くなっています。目立った補強はありませんが、昨年の主力はすべて元気で、若手も成長している。FAやトレード、外国人などで強力に補強したチームは見当たらず、連覇の期待が高まっています。パ・リーグは3連覇中のオリックスを押しのけ、多くの評論家がソフトバンクを本命に挙げています。オリックスは何と言っても大エースの山本由伸がいなくなったのがイタい。さらに山崎福也も移籍し、2人合わせて27勝分の穴を埋める必要があります。ソフトバンクは山川穂高が加わり、超強力打線が出来上がりました。パはオリックスとソフトバンクが2強になりそうです」(週刊誌スポーツ担当記者)
シーズン前、あれやこれやと理由を述べながら順位予想をするのは野球ファンの醍醐(だいご)味。その際ひとつの材料となるのがプロの予想だが、「評論家」という肩書とは裏腹に、その内容は到底信用に足るものではないという。
「評論家の順位予想は、まず自分がいたチームを1位に推すのが基本。最低でもAクラスには入れます。一口に野球評論家といっても、よほど大物でない限り、古巣球団の仕事が中心なので、そこを下位予想するわけにはいかない。特に地方のチームは、その傾向がハッキリしています。ローカル局で解説の仕事をやり、特定球団にベッタリの解説者は、自動的に古巣が1位です。下位予想などしようものなら、監督やコーチ、選手から情報を取れなくなりますし、ファンからは嫌味を言われ、下手したら地元を歩けなくなりますから。一方、特定のチームにラブコールを送るケースもあります。OBが一番やりたいのは現場に戻ること。なので、昔のチームメイトや自分が世話になったコーチ、同窓生、同郷のOBなどが監督になると、そのチームを上位予想して歓心を買い、何とかコーチに呼んでもらおうとするのです。コーチの仕事は実績よりも人の縁で呼ばれることも多いだけに、こういったやり方が成立するのです」(フリーの野球記者)
それゆえ、的中率も“酷いもの”だという。
「両リーグ6球団ずつで、全部で12球団しかないのに、優勝チームを的中させる評論家は非常に稀。優勝予想したチームがビリになるのは当たり前ですし、AクラスとBクラスがほぼ真逆という酷い結果になる評論家も毎年います。2021年は前年度最下位のヤクルトとオリックスが優勝しましたが、片方でも的中させた評論家は一人もいませんでした。いくら評論家といっても、全12球団を網羅するのは至難の業。特定チームの情報の専門家になるのが評論家として生き延びる道なので、他のチームのことは意外と知りません。対戦相手として見る時にしか情報を得る術がない場合が多いのです。ですから順位予想をする時は、一般人と同様にスポーツ紙やスポーツニュースから情報を得ているのが事実。似たような予想になるのは、そういったことも影響しているでしょう」(同上)
ただ、盛大なハズレっぷりまで含めて面白いのが順位予想。それなら、野球と並ぶ人気スポーツのサッカーは、なぜここまで順位予想が盛り上がらないのか?
「一部のスポーツ紙や専門誌はJリーグの順位予想企画をやりますが、J1は20チームもあるので、すべての順位を予想するのは難しすぎる。上位に行きそうなチームと下位に沈みそうなチームを考えて、あとは正直“カン”でしょうね。また、Jリーグには降格があり、降格チームを名指しで予想することになるので、何かとアヤがつきやすい。やはりプロ野球の6チームぐらいが、予想をするにはピッタリです」(前出・スポーツ担当記者)
今のうちに順位予想を保存しておいてシーズン後に振り返ってみると、“良い評論家”が分かるかもしれない。
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