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テレビ朝日の深夜番組で公式Xが乗っ取り被害「終王ノブ」とは何だったのか

終王ノブ | TVer

 26日深夜、お笑いコンビ・ランジャタイがMCを務める『ランジャタイのがんばれ地上波!』が最終回を迎えたが、「終王ノブ」の登場によって視聴者が混乱に陥っている。

『ランジャタイのがんばれ地上波!』は、2021年に『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)でファイナルに進出したランジャタイにとって初めてとなる冠番組。22年秋から1年半にわたって放送され、昨年11月には番組イベント、12月には派生特番が放送されるなど人気を博したが、思わぬタイミングでの打ち切りとなっていた。

 この日の放送では、冒頭から「終王ノブ」が画面を占拠。番組公式X(旧Twitter)も「終王ノブ」に乗っ取られる不測の事態に。「終王ノブ」は「番組が終わればやってくる」「終わりにむしゃぶりつくハイエナ中のハイエナ」だ。「終王ノブ」が乗っ取った番組公式Xのプロフィールには「終わりゆくこのアカウント、ぽっくんが乗っ取ってやったぞ」「終わりゆくアカウントが好きじゃ」と記されている通り、一人称は「ぽっくん」である。

 古代中国の武将と見られる風体の「終王ノブ」は、番組冒頭から「人の番組が終わるのが好きじゃ」「何より生でそれを見るのが好きじゃ」と怪気炎。ランジャタイのことは知らなかったようで「クソみたいな名前じゃ」「どうせろくな奴らじゃないじゃろ」などと吐き捨てる傍若無人ぶりでお茶の間を震え上がらせる。

 その後も、「見ぃ!」と叫びながら自らの大ワキ毛をカメラに見せつけたり、自ら作詞・作曲を担当した楽曲「クソみたいな時代」「不倫音頭」を熱唱するなど、やりたい放題。せっかくの最終回にランジャタイの登場を待つファンを煙に巻いた。

 ここまで、終始ご機嫌だった「終王ノブ」だが、やはり人の子といったところだろうか。ふとした瞬間に不安げな表情を見せると、「ぽっくんの番組は終わらんよな」と頭を抱える「終王ノブ」。その場でマネジャーに電話をかけてレギュラー番組について確認させることにしたようだ。

『テレビ千鳥』『クセスゴ』『相席食堂』『いろはに千鳥』『鬼レンチャン』『1泊家族』これらの番組が終わっていないことを確認し、感涙に咽ぶ一幕もあった。

『テレビ千鳥』や『クセスゴ』を「ぽっくんの番組」と呼んでいることから、「終王ノブ」はお笑いコンビ・千鳥のノブと同一人物であることが示唆された。『ランジャタイのがんばれ地上波!』は本来、桐野安生や浜村凡平太らがゲスト出演する番組であり、「終王ノブ」の正体が大漫才師である千鳥・ノブだとすれば極めて異例といえそうだ。

 その後も「終王ノブ」は、すっぽんの生き血を入れたお風呂、ヘビ、美女という「この世のすべて」に囲まれて高笑いしながらヘビ汁を飲み干し、そのまま番組は終了していった。「終王ノブ」の乗っ取りにより、ランジャタイはこの日、一切姿を見せることができなかった。

『ランジャタイのがんばれ地上波!』は、バラエティの定番企画にランジャタイが挑んだら「どんな逸脱を見せるのか」を模索するのがコンセプトだった。初の冠番組の最終回となった今回の放送は、これまでのキャリアで最大ともいえるイベントだったはずだ。だが、すべては「終王ノブ」の暴挙によって水泡に帰すこととなった。

 最終回に「どんな逸脱を見せるのか」というテーマに対する答えを披露することができなかったランジャタイの無念は、察するに余りあるところだ。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/03/27 16:00
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