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週刊誌スクープ大賞

水原一平解雇に“間に合わなかった”週刊誌スクープと声明を出した大谷翔平の評価

大谷の弁明に対するメディアの評価

 THE ANSWER(3/26(火) 7:17配信)から大谷の言葉を引用しよう。

 あいさつの後、こう話しだした。

「現在進行中の調査もありますので、今日話せることに限りがあるというのをご理解していただきたいのと、今日ここに詳細をまとめた、分かりやすく皆さんにお伝えするためのメモがありますので、何があったのかをまず説明させていただきたい。

まず初めに、僕自身は何かに賭けたり、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたり、それを頼んだりということもないですし、僕の口座からブックメーカーに対して、誰かに送金を依頼したことももちろん全くありません。

数日前まで、彼がそういうことをしていたというのも全く知りませんでした。

結論から言うと、彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ皆に嘘をついていたというのが結論」

 簡潔に、違法な賭け事に自分は関与したことはないし、カネを払ったこともないと否定した。

 水原一平が賭博で借金を作ったことを知ったのは、韓国でのパドレス戦の後のミーティングの場だったという。

「僕がこのギャンブルに関しての問題を初めて知ったのは、韓国の第1戦が終わった後のチームミーティングです。そのミーティングで彼は英語で全て話していたので、僕に通訳はついておらず、完全には理解できていなくて、何となくこういう内容だろうなと理解していましたが、なんとなく違和感も感じていました」

 それまで大谷は、水原がギャンブル依存症であることも知らなかったという。

 ミーティングの後、水原は大谷翔平にホテルの部屋で2人で話そうといったそうだ。

「試合後、ホテルに戻って一平さんと初めて話をして、彼に巨額の借金があることをその時知りました。

彼はその時、僕の口座に勝手にアクセスし、ブックメーカーに送金していたと僕に伝えました。
僕はやっぱりこれはおかしいなと思い、代理人たちを呼んで、そこで話し合いました。話が終わって、代理人も彼に嘘をつかれていたと初めて知り、ドジャースの皆さんと、弁護士に連絡しました。彼らも初めて嘘をつかれていたとその時に知りました。弁護士の人からは、窃盗と詐欺で警察と当局に引き渡すと話されました。

これがそこまでの流れ。僕はもちろんスポーツ賭博に関与していないですし、送金をしていた事実は全くありません」

 大谷はここで、「ショックという言葉では表せない」と、その話を聞いたときの衝撃の大きさをこう語った。

「ただ、シーズンも本格的にスタートするので、ここからは弁護士の方にお任せしますし、僕自身も警察当局に全面的に協力したいと思う。

気持ちを切り替えるのは難しいですが、シーズンに向けてまたスタートしたいですし、お話しできて良かったと思っている。今日は質疑応答は、これがお話しできる全てなので、質疑応答はしませんが、これからさらに進んでいくと思います」

 ありがとうございましたといって、通訳と席を立って行った。

 私が見た限りの朝のワイドショーでは、おおむね大谷に好意的なものが多かった。

「大谷自身の口から真実を語った」「ここで話したことがもし嘘だったら大谷の野球人生は終わる。その覚悟をもって臨んだ」「大谷は違法賭博にも手を染めていないし、闇賭博へ送金もしていない」

 中には、当然だが、現実に闇賭博へ送金がされているのだから、大谷が関与しなくて(送金は)可能なのだろうかという疑問は出たが、水原一平が大谷の口座の暗証番号を知っていたのではないか、だから大谷のサインを真似て口座から引き出して送金したのではないかという「水原一平単独犯」というあたりで落ち着いた。

 だが、水原は「ESPN」ティシャ・トンプソン記者の最初のインタビュー(THEDIGEST3/23(土) 11:06配信)で、こういっているのだ。

――当初は「翔平にこのことは言いたくなかった」そうだが、2023年の早い段階で借金が400万ドル(約6億円)に膨れ上がり、ついに大谷に助けを求めたと『ESPN』は説明する。トンプソン記者は「水原は大谷の信頼を失うことを恐れ、また、誰かが家に来るかもしれないという身の危険を感じていたようだ」と伝える。

 そして、水原氏は「彼(大谷)は明らかに不満そうでしたが、助けてくれると言ってくれた」とコメント。「ESPN」が「大谷は金を借りた相手が違法ブックメーカーだと知っていたのか?」と問うと、水原氏は「大谷は何も知らなかった。私はただ、借金を返済するために電信で送る必要があると言っただけです。彼はそれが違法かどうかは訊いてこなかった」と続ける。

 その後ふたりは大谷のパソコンから1回50万ドル(約7500万円)の送金を8~9回行ない、取り引きの説明欄には「ローン」と記載。昨年10月に最終的な支払いが完了したという。「借金の返済を求めることで、大谷や自身に危険が及ぶとは考えなかったのか?」と尋ねられた水原氏は「その時はふたりともそんなことはまったく考えていなかったと思います」と答えた――

 インタビューの基本だが、“疑惑の人物”が語った最初の言葉が重要で、次に聞き直したとき前言を翻したら、それはインタビュー後に何らかの「圧力」があったと考えるのが常道。

 まして、公私ともに24時間一緒にいた年上の相棒が、長年ギャンブル依存症だったとは知らなかった、約7億円という途方もないカネが引き出されていたことも知らなかったというのは、信じ難いというしかない。

 また、大谷という人間は、水原から莫大な借金を作ってしまったと聞いたら、理由は聞かず(聞いたとしても絶対口外しない)、カネを都合してやる思いやりのある人間なのではないか。

 虚像かもしれないが、自分を守るために、相棒を刑務所に送るような人間ではないと信じたいではないか。

 ではどうすればいいのか? 水原が莫大な借金を抱えていることを打ち明けられて、それ以上何も聞かずに、カネを払ってやったといったらどうだろう。

 “男”大谷翔平と拍手する者はあっても、そんな多額なカネを払ってやったヤツはドジャースから追い出せという声は、そう多くはないのではないか。

 私もかつては、主に競馬だが、強度のギャンブル依存症であった。毎週、カネをかき集め、友人知人からカネを借り、朝から競馬場に入り浸っていた。

 根が貧乏人だから、一日何百万円など賭けられないし、そんな金を貸してくれる人間もいなかった。それでも1レースに何十万か賭けたことが幾度もある。

 水原一平もいっていたようだが、「自分はギャンブルに弱い」から、競馬場から大金を持ち帰って、旨酒を飲んだことなど数えるほどしかない。

 依存症は今でも残るが、何しろ注ぎ込むカネがない。貸してくれる奴はみな死んだ。

 水原には大谷翔平という金蔓がいた。それが不幸だったのかもしれない。

 大谷は、今回の会見で全てを終わりにしたいのだろうが、日本のメディアのように、何から何まで大谷翔平万歳ではないアメリカのメディアが、このまま引っ込むとは思えない。

 結婚したばかりの大谷だが、今年は色々な意味で厳しい年になりそうだ。(文中敬称略)

【巻末付録】
 まずはポストから。
「『11PM』カバーガール大集合!」
 W袋とじ「ぬるぬるKカップ」「ただいま。並木塔子」
「『不適切にもほどがある!』メイク役で大人気 澄田綾乃 最新撮」

 お次は現代。
「春風の撮りおろし 川島海荷」「スイス・キャロル『不思議な国のアリス』×頓知気さきな」

 TBSの『不適切にもほどがある!』を何回か見たが、1986年は、あんなもんじゃなくて、もっと酷かったな。たしかにあのころが懐かしい。11PMか、これも懐かしいな。

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2024/03/27 16:06
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