水原一平解雇に“間に合わなかった”週刊誌スクープと声明を出した大谷翔平の評価
#週刊誌スクープ大賞
“差”がついた大谷翔平と羽生結弦の結婚対応
今週の最後は大谷翔平の話題だ。まずは、大谷と羽生結弦の結婚対応の違いを報じている新潮からいこう。
1994年生まれの戌年で、今年30歳を迎える大谷翔平と羽生結弦。それぞれ球界とスケート界で頂点に立った2人が、初めて顔を合わせたのは今から8年前に遡るという。
同世代のトップアスリートとして慶事を迎えた時期も近く、SNSを使って公表する、肝心の結婚相手については多く語らないという手法まで酷似していたにもかかわらず、どうして世間からの受け止め方が違ってしまったのだろうか。
新潮は2人の結婚にまつわる明と暗を論じている。
「離婚直後に羽生の祖母が取材に応じて“孫は幼い”と嘆いていたが、その一言はまさに世間の空気を代弁していたといえよう」(新潮)
大谷も羽生もSNSで結婚を発表したが、その手法は大きく異なっていたと指摘するのは、数々の大手企業の広告戦略、SNSマーケティング戦略の立案や実施に従事してきた桜美林大学准教授の西山守である。
「大谷さんの場合は少しずつ小出しに情報を発信していきましたよね。インスタグラムでの初公表時は日本人女性だと伝え、さらに囲み資材で自ら対応するとも書いた。どのタイミングでどんな情報を出せばいいかを、緻密に計画した印象を受けました。対して羽生さんのように相手の情報を全く出さないと、ファンが変に邪推したり、メディアが勝手に報道を始めたりと、事態の主導権を失ってしまうことになりかねません」
大谷の結婚発表が「綿密に計画」されたとは思わないのだが、羽生のほうは“初動”から誤ったのは間違いないだろう。
大谷は、松井秀喜が結婚した時、彼女を表に出さなかったケースを研究していたといわれている。どうだったのか。
メジャーリーグで当時、日本人初の球団広報として松井秀喜を担当した江戸川大学教授の広岡勲はこう話す。
「あの時の会見では、できる限り松井の言葉で答えてもらうようセッティングしました。メジャーでは、取材される側の義務と、する側の権利が規定されており、取材を拒むことはできない。隠し通すのは得策ではないし、スポーツ選手は、自分がいかに競技に打ち込める環境を作るかが最も重要。そもそも結婚は相手あってのことですから、パートナーへの思いやりを第一に、バッシングを防ぐ対応が著名人には求められるわけで、結果的に世界中から祝福された大谷くんの対応は見事でした」
私は、大谷が当初、日本人女性としかいわず、無断で親族への取材をしないように付け加えたため、これはやばいかもしれないと思ったが、シーズン最初の韓国での試合に、彼女を伴い、写真を撮らせたのはよかったと思った。
これには、大谷の対応を心配したドジャース側が、大谷に進言したのではないかと考えている。彼の妻の名前を公表したのもドジャースだった。
ここまでは大谷の計算したものだとしても、予想外に熱狂を以て迎え入れられた。
だが、同じころ、大谷にとってはこれまでの人生で最も難しい“事件”が起きていたのである。
大谷翔平の専属通訳、水原一平が闇賭博で莫大な借金を負い、大谷に相談して彼の口座から送金したという疑惑が出てきて、日米で大騒動になっている。
発覚したのが21日(木曜日)だったため、ほとんどの週刊誌は間に合わず悔しい思いをしたことだろう。
その中では、ポストが間に合ったが、タイトルは羊頭狗肉。まあ仕方ないか。
スポーツ専門局「ESPN」の報道で明らかになったスキャンダルだが、ここで水原は、違法賭博で抱えた450万ドル(約6億8000万円)の借金を大谷の口座から送金する形で返済したと話している。
だが、2回目のインタビューでは、前言を翻して、大谷は賭博の借金だということは知らなかったといった。
また、「ESPN」は、大谷の代理人弁護士が窃盗被害にあったとして捜査当局に刑事告訴したと報じている。
「ESPN」によれば、現地時間の3月19日に行った取材で水原は、“大谷が借金を肩代わりしてくれた”などと話しており、大谷のパソコンから大谷の口座にログインし、数カ月にわたって1回あたり50万ドルを8~9回送金したと説明している。また、その借金が違法賭博によるものだということを大谷には知らせていなかったという。
だが、翌日になって水原は「ESPN」のインタビューでの発言を撤回して、大谷は水原の借金について認知していなかったとし、大谷の代理人が窃盗被害を訴えた。
MLBでは、野球以外のスポーツを対象とした合法的な賭博は禁止していないが、違法賭博への関与は処罰の対象となる可能性がある。アメリカでは多くの州でスポーツ賭博が合法化されている一方で、大谷と水原氏の拠点であるカリフォルニア州では違法である。
そしてMLBは現地時間の22日、大谷と水原氏の疑惑について正式に調査を開始したと発表した。
「問題となるのは、大谷選手がどこまで知っていたかということ。大谷選手がまったく知らない状況で、水原氏が何らかの手段で勝手に大谷選手の口座から送金していたのであれば、大谷選手はまさに被害者となるでしょう。この場合、水原氏が大谷選手の口座を管理できる立場だったかどうかが焦点になります。もしも、水原氏が口座管理を任されていなかったならば、どうやって送金したのかという点も重要ですね。
仮に大谷選手が“水原氏の借金を肩代わりすること”を認識していた場合についても、借金ができた経緯を知っていたかどうかで変わってくるでしょう。違法な賭博でできた借金だと知らなかった場合、大谷選手は“詳細を知ろうとしなかった”という点で責任が生じる可能性がある。そして、違法な賭博でできた借金であることを知ったうえで肩代わりしていたなら、一種のマネーロンダリングに加担したと見られる可能性もあります」(スポーツ記者)
一心同体、一卵性兄弟といわれていて、試合中もプライベートでも四六時中一緒だった人間のことを、全く知らなかったというのは、29歳になる大谷の社会人として資質に疑問符が付くはずだ。
多くのアメリカのメディアが、大谷は会見を開くべきだと主張している。
新潮で桜美林大学西山守准教授がいっているように、「メジャーでは、取材される側の義務と、する側の権利が規定されており、取材を拒むことはできない」からだ。
そして、ようやく日本時間の3月26日、朝、6時45分(日本時間)から大谷は会見を開いた。
だが、記者からの質問は一切なしで、一方的に大谷がこの事件について「弁明」するための会見であった。
日本人記者はそうした会見に異を唱える者はいなかっただろうが、アメリカのメディアの記者たちからブーイングは出なかったのだろうか。
大谷はドジャース球団の通訳と2人で現れた。やや緊張気味で笑みはなかったが、話す言葉に震えはなかった。
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