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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 『水ダウ』で話題「エンドレスエイト」て?

『水曜日のダウンタウン』リピート放送でトレンド入り「エンドレスエイト」って何だ?

清春の新曲、歌詞を全て書き起こせるまで脱出できない生活 | TVer

 20日放送の『水曜日のダウンタウン』(TBS系)が、またお茶の間を驚かせた。

『水ダウ』では先週の13日、お笑いコンビ・きしたかのがシンガーソングライター・清春の未発表の新曲の歌詞を「全て書き起こせるまで脱出できない生活」という企画を1時間にわたって放送。清春の独特な歌唱に戸惑いながら、きしたかのが61時間をかけて解読する様子を届けた。

 この放送の最後に差し込まれた次回予告が、まったく同じきしたかのの歌詞書き起こし企画だったことからネット上ではさまざまな憶測を呼んだが、結果的に「予算が尽きた」という理由で同じ内容を放送し、その中に7つの間違いを仕込んで視聴者クイズにするという異例の放送となった。

 その放送中から、X(旧Twitter)上では「水ダウがエンドレスエイトに入った?」などという声が上がり始め、「エンドレスエイト」がトレンド入り。若年層には聞きなれないフレーズだが、これは過去に『水ダウ』以上に突飛な放送を行っていたあるアニメ番組における符丁である。

 2006年4月に始まったアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』は、最初から様子がおかしかった。ライトノベル『涼宮ハルヒシリーズ』(角川スニーカー文庫)を原作とし、キャラクターやストーリーはほぼ踏襲しているものの、エピソードの順序がランダムに入れ替えられていたのである。

 原作は14話分に分割されたが、第1回のアニメで放送されたのは、時系列でいえば11番目のエピソード。その後、2回目と3回目は本来の1話、2話が放送されたものの、4回目ではふたたび7話に飛び、その後、3話、9話、8話、10話と不規則な順番で放送されたのだ。これは、原作者の谷川流の「順番は無視したらどうか」というアイディアによるものだったというが、原作ファンはまだしも、アニメで初めて『ハルヒ』と出会った視聴者には大きな混乱を招く結果となった。

 続く第2期である2009年度版アニメでは、第1期の14話のうち11話を時系列順に再放送。その後、第12話を8週にわたって放送している。何を言っているのかよくわからないかもしれないが、同じ内容を8回放送したのだ。しかも再放送ではなく、それぞれ別のスタッフによって作画、アフレコが行われ、毎回微妙に違う内容だった。

 この『涼宮ハルヒの憂鬱』2009年度版で第12話から第19話にわたって放送された回の表題が、ほかでもない「エンドレスエイト」だったのである。

「エンドレスエイト」は、多くのアニメファンにとってトラウマとなっているとともに、いまだに“実験的なテレビ放送”の代名詞として記憶に焼き付いているのだ。今回の『水ダウ』を見て、あの悪夢が蘇ってしまった視聴者が少なからず存在したということだろう。

 15年後、もしまた同じような実験的な番組が放送されたとき、今度は「きしたかの」がトレンド入りすることになるのかもしれない。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/03/21 19:00
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