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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > アルピー『D.C.G』久しぶりのコントイン

アルコ&ピース『D.C.GARAGE』久しぶりに披露された突然のコントインで蘇る11年

アルコ&ピース D.C.GARAGE | TBSラジオ ときめくときを。

 19日深夜に放送されたラジオ『アルコ&ピースのD.C.GARAGE』(TBSラジオ)で、トーク中にシームレスにコントインする懐かしい流れがあった。

 番組冒頭、ヒッチハイクについてのメールから、ヒッチハイカーに出会ったら「どこまでなら車に乗せるか」という話題に。そのまま酒井健太がヒッチハイクをする青年に、平子祐希がトラック運転手になりきり、なんの説明もないままラジオコントに入っていく。

 まるでスイッチが入ったようにトーンを落とし、そのシチュエーションを演じ始める酒井と平子。トラックの運転席、高速道路のサービスエリア、青年の背負っているバックパック、血まみれの手……セリフが交わされるたびに、色鮮やかに風景が浮かび上がってくる。ものの5分だが、そこにはアルピーのラジオの原点があった。

 今から11年前の2013年4月、『アルコ&ピースのオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)が始まった。当時無名だったアルピーは、自ら“茶番”と呼ぶ即興コントを武器にラジオ界で頭角を現し、翌14年4月には金曜1部に昇格する。特に話題性があったわけではない。おもしろさだけを評価されての昇格だった。

 だが、1年後には三代目 J Soul Brothers・山下健二郎にその座を明け渡す形で再び2部に降格。『ANN』の歴史の中で、1部から2部への降格は史上初の出来事だった。

 さらに2部降格後も、たった1年でその座をネクストブレーク必至といわれていたニューヨークに奪われることになる。最終回には終了を惜しんで200人とも300人ともいわれるリスナーがニッポン放送に集結した。舞台をニッポン放送からTBSラジオに移し、現在の『D.C.GARAGE』が始まったのは、それからわずか半年後だった。ディレクター・石井玄、構成作家・福田卓也という布陣も『ANN』からそのまま続投している。

 あれから8年が経った。業界におけるアルコ&ピース評といえば、良くも悪くも「ラジオ番長」。それ以上でもそれ以下でもない時期が長く続いた。話題に上がったのは、『アベンジャーズ』からファルコンを脱退させようとして炎上したときくらいだった。

 今やアルピーといえば、れっきとしたテレビスターである。平子は昨年の番組出演本数で19位。この日のラジオでは「ロケ芸人」としての評価も業界内で1位であると自慢気に語られている。文化放送『おとなりさん』では朝番組のパーソナリティも担当した。酒井もそれなりにがんばっている。

 ラジオは個人のためのメディアだといわれる。パーソナリティとリスナーが直接的に結びついている、そんな感覚を得られるのが深夜ラジオだ。

 昨晩のアルピーのヒッチハイクコントを聞きながら、11年という時間が逆流していくのを感じた。何人のリスナーがそんな思いにとらわれたか想像もできないが、いかにも痺れる5分間だった。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/03/20 22:00
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