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NHK新情報番組『ニュースーン』の長時間生放送が“絶対に当たらない”構造的な理由

NHK新情報番組『ニュースーン』の長時間生放送が絶対に当たらない構造的な理由の画像1
NHK

 NHKが、新年度から平日午後の番組編成を刷新。15時10分から18時まで約3時間の生放送番組『午後LIVE ニュースーン』がスタートするが、早くも不安視の声が渦巻いている。

「ニュースーン」とは、「ニュー=新しいもの」を「スーン=すぐに」伝えるという意味があるとのこと。NHKは現在13時台に放送されている『列島ニュース』を14時台まで拡大するため、13時から19時台の『ニュース7』まで6時間以上、生放送番組が続くことになる。

「NHKは2017年に平日午後のテコ入れに着手。20年以上続いた『スタジオパークからこんにちは』が終了し、船越英一郎と美保純が司会の大型情報番組『ごごナマ』がスタートしましたが、これが酷かった。当時、平日午後は『ミヤネ屋』(日本テレビ系)が時間帯トップで、船越&美保コンビなら主婦層を奪えると踏んだのでしょうが、ゲストとのトークや生活情報など、番組内容はあまりにユルユルで、視聴率は大苦戦。放送時間はどんどん短くなり、2021年に静かに終了しました。それ以降、14時台から16時台までは再放送が中心でしたが、3年の時を経て再び生放送番組に挑戦する形。『ごごナマ』は視聴率がしばしば1%を切り、散々な評価のまま終了しただけに、NHKとしては捲土重来の番組となります」(テレビ情報誌記者)

 平日午後のコア層は、リタイヤしたシニアや主婦たち。NHKならではの落ち着いた番組作りが期待されるが、ライバルとなる民放キー局の関係者はどう見ているのか? キー局関係者は言う。

「『ニュースーン』のことは局内でも当然話題になっていますが、先日放送されたパイロット版を見る限り、まったく敵ではありませんね。目玉となるニュースの深掘りコーナーはニュース番組の再放送みたいなものですし、ネットコンテンツやアーカイブ、現在放送中の番組の紹介など、とにかく番宣が多すぎて、制作費をかけたくないのが見え見え。あれでは生放送の意味がありません。14時~15時台は『ゴゴスマ』(TBS系)と『ミヤネ屋』がトップ争いを繰り広げており、視聴率はだいたい3~4%。残りはフジテレビとテレビ朝日がドラマの再放送、テレビ東京が映画で、いずれも1~2%しかないので、NHKが数字を奪う余地はありますが、あんなにユルい内容では、シニアがテレビの前でうたた寝する姿が想像できます。そもそも帯番組は、固定視聴者が付くかどうかが勝負。しかし『ニュースーン』の放送時間帯は年に6回、大相撲中継が入りますし、春と夏は高校野球、さらに国会中継でも放送は飛びます。その上、天災や大事件、大事故などが発生すれば特別番組になるので、視聴習慣がとにかく付きにくい。番組が当たるはずがないんです」(キー局関係者)

 もっともNHKには“秘密兵器”があり、それを使えば一気に状況が変わる可能性はある。

「NHKは今年、メジャーリーグ中継を200試合以上行うことを発表。ドジャースに移籍した大谷翔平を全力で追う構えです。大谷はとにかく数字を持っていて、『ひるおび』(TBS系)などは毎日のように大谷をピックアップ。大谷コーナーになると目に見えて数字が上がるので、やめるにやめられない状況です。質量ともに圧倒的な陣容を誇るNHKが本腰を入れて大谷情報を流せば、民放はひとたまりもない。『ニュースーン』は17時台に大谷情報を伝えることを予告しており、大谷パワーで状況が一気に変わる可能性はあります。ただし、NHKがゴシップ的な情報を報じるはずはありませんから、見せ方には相当に工夫が必要になるでしょう」(前出・テレビ情報誌記者)

 負け戦となる可能性は濃厚だが、“オオタニサン”一人で状況を変えられるか。

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2024/03/23 09:00
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