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河合優実『ふてほど』効果でネクストブレイク急浮上…「隠れた若手実力派」から一躍スターダム

河合優実/鈍牛倶楽部 DONGYU OFFICIAL SITE

 放送中のTBS系ドラマ『不適切にもほどがある!』で昭和のスケバン娘を演じている女優の河合優実(かわい・ゆうみ)が、今年のネクストブレイク最有力に急浮上している。これまでも若手らしからぬ演技力が一部で評判だったが、今作で認知度が大きく高まった上に、立て続けに注目作への出演が発表されるなど運命が大きく変わりそうだ。

 阿部サダヲが主演を務める『不適切にもほどがある!』は、阿部演じる“昭和のおじさん”小川市郎が2024年の現代へタイムスリップし、コンプラで縛られた令和の人々に考えるきっかけを与えていくストーリー。河合は市郎の一人娘で高校生の小川純子を演じ、いかにも80年代らしい聖子ちゃんカットとスケバンファッション、山口百恵やデビュー当時の中森明菜を彷彿とさせるルックスで注目を集め、放送開始当初から「純子役の可愛い女優さん誰?」「めっちゃハマリ役」などと話題になった。

 純子は物語のカギを握る存在として劇中で大きくクローズアップされているが、ストーリーが進むごとに「単に可愛い」だけではない河合の魅力が明らかに。ベテラン勢に負けない演技力の高さに称賛の声が相次ぎ、番組の名物であるミュージカルパートでも歌手顔負けの美声を響かせ、彼女のファンになる視聴者が続出したのだ。

 ドラマのキーパーソンである純子役のキャスティングは、磯山晶プロデューサーと脚本を担当する宮藤官九郎氏が何度も議論を重ねていた中、磯山氏が河合の出演作を観賞したことがオファーのきっかけに。磯山氏は河合がドラマや映画などでさまざまな難役をこなしているのを目にして「演技力は間違いない」と確信し、宮藤氏も起用に賛成したという。今作の第5話にゲスト出演した錦戸亮が、河合と共演した経験から「河合優実さんという女優はすごい」と話したこともオファーの決め手になった。

 出演依頼のタイミングが遅かったために「ダメ元」でオファーしたというが、宮藤作品の大ファンだった河合はこれを快諾し、今作でのハマリ役の誕生となった。

 磯山氏らが彼女の演技にほれ込むのも当然で、2019年にデビューした河合は2021年に『由宇子の天秤』『サマーフィルムにのって』で第43回ヨコハマ映画祭の最優秀新人賞を獲得したのを皮切りに、2022年に第64回ブルーリボン賞新人賞、第95回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞、第35回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞の新人賞に選出されるなど、各映画賞の新人賞を総なめにしてきた逸材だ。

 演技力の評価に比べて知名度が低いのが弱点だったが、今回の『不適切にもほどがある!』への出演で認知度が爆発的に上昇。若手女優としては珍しい「実力に人気が追いついてきた」という状況で、2024年のネクストブレイク有力候補に躍り出ている。

 さらに、河合は人気アニメ『オッドタクシー』から派生した4月スタートのテレビ東京系『RoOT / ルート』で地上波ドラマ初主演を務めることが決定。同じ俳優系事務所「鈍牛倶楽部」に所属する坂東龍汰とのコンビで、純子とは大きく異なる「クールで愛嬌ゼロの探偵」を演じる。純子のイメージからガラッと変わることで、ファンをさらに夢中にさせそうだ。

 また、ネット上で反響を呼んだ漫画家・藤本タツキ氏の読み切り作品を劇場アニメ化する『ルックバック』の声優キャストが先日発表され、河合が吉田美月喜と共に主演を務めることが決定した。2人とも声優初挑戦だが、どちらも「演技派」であることが起用の大きな理由になったとみられ、こちらも話題を集めそうだ。

 河合といえば、NHKのBSプレミアム・BS4Kで昨年放送された主演ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』が高い支持を得たが、同作のようなシリアス系から『不適切にもほどがある!』のようなコメディまで完璧に演じ切れると証明したのは大きく、業界内での評価も跳ね上がっていることだろう。

 『不適切にもほどがある!』の終了後も注目度の高い作品が控えており、今まで以上のオファー増加も確実となったことから、このままブレイク女優への階段を一気に駆け上がっていきそうだ。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2024/03/14 18:00
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