トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 『R-1』お抹茶が不正使用で謝罪 

『R-1グランプリ』トンツカタンお抹茶が不正使用で謝罪 お笑い界「楽曲トラブル」史

【中編】 | TVer

 9日に行われた『R-1グランプリ』に出演したトンツカタンお抹茶の使用楽曲が不正使用だったとして、所属しているプロダクション人力舎が13日、公式サイトで謝罪している。

 今大会、8番目に登場したお抹茶は軽快なユーロビートに乗って「かりんとう車」を運転する男性を演じるコントを披露。点数こそ伸びなかったが、強烈なインパクトを残して大会を盛り上げていた。

 同サイトでは、「トンツカタンお抹茶についてのご報告」として、このネタに使用された楽曲が「楽曲ダウンロードサイトおよび作曲者様の規定に沿わない使用方法をしていたことが発覚いたしました」と報告し、「使用サイトご担当者様とお話しさせていただき弊社の確認不足によりご迷惑をおかけしましたことを謝罪致しました。その上で当該動画を削除致しました」「本件におきまして関係各位にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます」と謝罪した。

 この楽曲はBGMサイト「DOVA-SYNDROME」に登録されているフリー音源だが、同サイトの規約にある禁止事項である「音源の加工(サンプリング等)、アレンジ、リマスター、リミックス、歌を乗せる等を行い、音源を使用した『音楽的二次著作物』を作成すること」に抵触したとみられる。

 お抹茶本人も同日、自身のX(旧Twitter)アカウントで「作曲家のマニーラ様、DOVA-SYNDROME様、関係者の皆様、楽しんでくださった皆様。大変申し訳ございません」と謝罪しており、作曲者のマニーラ氏に新たな楽曲の制作を依頼したことを明かしている。

 今回の報告を前に『R-1グランプリ』のTVer配信からお抹茶のネタ部分が削除されており、さまざまな憶測を呼んでいたが、円満な解決に至ったようだ。

 過去にも、お笑い芸人のネタ中の楽曲使用がトラブルになった例は少なくない。

 2018年に『おもしろ荘』(日本テレビ系)をきっかけにブレークしたひょっこりはんは、フリーBGMサイト「MusMus」で公開されている楽曲をネタのメインBGMとして使用していたが、規約で定められた「著作者がMusMusであると示す場合に限って無料で利用できる」「著作者を示せない場合は有償での利用となる」という文言を無視。利用料を支払わずに無記名利用していたうえ、禁止されている二次配布も行っていたことでトラブルに発展。

 さらにひょっこりはん側は、元の楽曲を改変して音楽配信サイトで無許可販売するなど誠意を欠いた対応でファン・関係者から大きな批判を浴びることになった。

 15年に『歌ネタ王決定戦』(MBS)で決勝に進出し、翌年ユニバーサルミュージックからレコードデビューしたパーマ大佐も、楽曲トラブルに見舞われた1人だ。

 デビュー曲となった「森のくまさん パーマ大佐」について、その原曲の日本語訳詞の著作権者から販売差し止めを求められた。

 パーマ大佐の「森のくまさん」は、原曲の歌詞に「ひとりぼっちの私を強く抱きしめた熊」とのロマンチックな邂逅をめぐるストーリーを加筆したもの。ユニバーサル側はJASRACを通じて加筆に関する承諾を得ていると主張し、一時は双方の主張が対立。その後、クレジット表記を改めることで和解している。

 今回のお抹茶の件は円満解決こそ迎えたものの、にわかに「かりんとう車」ブームの兆しが起き始めた矢先のトラブル。やはり、盛り上がりに水を差された印象は否めない。お抹茶自身の不注意はもちろんだが、事務所側にこそ事前に適切な対処が求められてしかるべき事態だろう。芸人の仕事はおもしろいネタを考えること、事務所の仕事は事務的な処理なのだから。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/03/13 19:00
ページ上部へ戻る

配給映画