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サイゾーから出版された小説が続々マンガ化され、単行本に…作者・沖田臥竜の想いとは?

マンガ『インフォーマ』(原作:沖田臥竜、作画:鯛噛、構成:山本晃司)

『ムショぼけ』(小学館文庫)、『インフォーマ』(サイゾー文芸)と立て続けにドラマ化された沖田臥竜氏の小説。それらの続編となる『ムショボケ2』『インフォーマ2』もサイゾーから発売され、高い支持を得ている。この度、その両作がマンガとなり、この春には単行本として発売される。両作に込めた作者の想いとは? 沖田氏による特別エッセイ。

人間としての当たり前の価値観をもった主人公たち

 12月31日よりマンガワンで連載が開始されたマンガ『インフォーマ -INFORMA-』(小学館)が、4月18日に単行本として発売される。それに向けた作業を現在しているところだが、作画を担当してくれた鯛噛(たいがみ)先生の痺れるような画力によって、小説ともドラマとも違う世界観に仕上がっている。

 SNSに翻弄されている世の中だからこそ、マンガ『インフォーマ』をぜひ、読んでみてほしい。木原慶次郎は言ってくれるはずだ。

 「ネットの書き込みなんかでいちいちビクビクすんなよ~、ポンコツ~」
 「でも木原さん。デジタルタトゥーって一生、消えないんすよ」

 木原はきっと鼻を鳴らして笑うだろう。

 「お前はだからポンコツやねん。消そうと思えばいくらでも消せるわい。ゼニはかかるけどな~」

 ビクビクすることなんてないんじゃないか。ネットに疲れたら、ネットから離れたらよいだけだ。私たちが生きているのは、実社会である。いちいち書き込みに傷つくくらいならば、ネットなんて遮断すればよいだけだ。

 私なんてすべて仕事として割り切っているので、個人的にはネットへの関心なんて無の極地である。それに会ったこともない人間に対して、匿名で誹謗中傷を書く人間の価値なんてたかが知れているではないか。そんなヤツは、どうせどんなことにだって文句を言っているぞ。

 確かにたまにいる。

「オレは匿名じゃなく、身元を明かして書いているぞ!」

 私はそんな人たちを含めて、社会への不満や著名人へのルサンチマンなどをネットへの書き込みでうさ晴らししているネット民がダサいと思うのだ。

 それだけではない。ネットやネット民の脆弱さにつけこみ、犯罪のスキームを作ってしまう人種にも当然だが嫌悪感しかない。その思いは自身の作品に込めていて、『インフォーマ』の主人公の木原は、それを見透かすかのように先手をとって支配し、『ムショぼけ』の主人公の陣内宗介は、言葉にできない憤りを抱えて奮闘してみせている。2人の主人公に共通していることは、人間として当たり前の価値観。平たくいえば、カッコ良いことと、カッコ悪いことの分別がしっかりできていることだ。

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