「大谷翔平結婚」一色に染まった週刊誌報道の不可解さと“大谷らしからぬ”結婚報告
#週刊誌スクープ大賞
週刊誌にも波及した「大谷“結婚”バブル」だが……
さて、今週の注目記事は、何といっても大谷翔平の結婚だろう。各誌の大谷記事を眺めて驚いた。
噂好き、詮索好きの週刊誌が、大谷の嫁さんの実名も顔写真も載せてないのである。
大谷翔平の妻の「実名公表」はなぜNGなのか?
大谷が突然、結婚を発表したのは2月29日のインスタグラムだった。
「本日は皆さまに結婚いたしましたことをご報告させていただきます」
その投稿の隅には愛犬「デコピン」の写真があしらわれていた。
大げさではなく世界中が驚きと歓喜に溢れ、日本では岸田文雄首相が出席して派閥の裏金問題を審議する「政倫審」の話題を差し置いて、ほとんどのニュース番組が「大谷結婚」をトップニュースにもってきた。
日本中が結婚を祝福し、大谷がどんな女性を伴侶に選んだのかについて、妻や同僚、友人たちと夜が更けるまで語り合ったことだろう。
大谷は翌日の囲み取材で結婚問題について語ると発表した。羽生結弦の「電撃結婚発表」のときは、羽生がブログで公表しただけだったため、直後からメディアが血眼になって相手探しを始め、羽生や結婚相手の親族へ取材陣が押しかけた。
その後、羽生は「電撃離婚」の理由を、メディアの取材があまりにも過熱したため、「自分の肉親も結婚相手も守れなくなったため」だと発表した。
そうした轍を踏まないために、大谷は会見を開いて結婚した相手のことを詳らかにするのだろう。私もそう思った。
だが、そこで語られた結婚相手の素性は、
「日本人の方ですね。普通の日本人の人です」
としか明かさなかった。
記者から「会見したのはどういう意図か」と聞かれ、大谷は「皆さんがうるさいので。しなかったらしなかったでうるさいですし」と、どこへでも付き纏い嗅ぎまわるパパラッチ的取材を批判して見せた。
私は、大谷の言葉を、「それでもあんたたちは、僕の結婚をスクープすることはできなかったではないか」と“揶揄”しているように聞こえた。
だが、恩師の栗山英樹をはじめ、ごく少数の信頼する人間たちには結婚したことを伝えていたようだ。その一つがスポーツ誌「Number」(文藝春秋)だった。3月2日に、8日発売号「大谷翔平結婚生活を語る」のサワリをネットで公開したのである。
彼女の手料理で一番美味しかったのはドライカレー。彼女は小説が好きだが僕はまったく読まない。「翔平さん」と呼ばれているが、僕は名前を呼び捨てにしています。
馴れ初めは帰国して日本で練習している時、2週間で2,3回会ったことだった。会うのはいつも部屋の中で、外でデートをしたことはないようだ。
結婚しようと決断した「決め手」は何だったのかと聞かれ、こう答えている。
「一緒にいて楽だし、楽しいし、僕はひとりでいたときとそんなに変わらずにいられるんです。彼女がいるからといって喋り方が変わるとか食べ方が変わるとか、そういうことなく、気を遣う必要がないので、最初から僕は何も変わらずにいられるというスタイルでした」
いつまでも子どもだなあと思っていたが、ついに夫なんですねと問われ、
「今のところ実感はないですね。子どもができれば変わるかもしれませんけど、そこまでの大きな変化は感じていません」
結婚は大谷にとっては大きな変化ではないというのは、妻に対してどうかな……とは思うが、気を遣わないでいい友達のような相手だということだろう。
ここでも、妻になった女性の具体的なプロフィールにはまったく触れられていない。
大谷番記者やスポーツ雑誌は、大谷がインスタの最後に付け加えた、
「今後も両親族を含め無許可での取材等はお控えいただきますよう宜しくお願い申し上げます」
という“注意書き”に縛られて取材できないのだろうというのは理解できる。
しかし、読者目線でつくる週刊誌は、天下の大谷であろうと取材に手加減を加えることはないはずだ。
そう思って、3月7日発売の週刊文春と週刊新潮を楽しみにしていた。文春はこう報じていた。
大谷翔平の両親は、「スターになるであろう我が子の将来を案じ、両親は当時、周囲にこう語っていた。『女子アナと芸能人は絶対にダメ』」(文春)
では、彼女は一体どんな女性なのか。バスケ業界関係者がこう打ち明けたという。
「女子バスケ元日本代表候補のA子さんです。バスケの強豪として知られる都内の高校を卒業後、スポーツ推薦で有名私立大学に進学。大学三年時にはユニバーシアード日本代表にも選ばれ、銀メダルを獲得しています。十九年にWリーグ加盟の実業団チームに入団して活躍していましたが、昨年四月に退団しました」
大谷翔平とどこで出会ったのかについては、プロスポーツ選手がよく利用することで知られるトレーニング施設だそうだ。
大谷翔平は日本に返ってきたときに、この施設をよく利用し、A子もここを利用していたため、2000年1月頃に「運命的な出会い」があったというのである。
A子の出身中学の同級生は、彼女のことをこう語っている。
「彼女は小学校まで空手を習っており、バスケを始めたのは中学になってから。一年の夏を過ぎたあたりから急成長し、後に選抜にも選ばれるようになりました。学校のクラスでは、優しくて真面目だけど“陰キャラ”でもないごく普通の子。素直で謙虚で素朴で、それでいて美人。大谷さんにはピッタリな子だと思います」
A子の実業団チーム退団が発表されたのは昨年の4月24日。その直後に、A子はロサンゼルスへ行っていて、その滞在中に大谷は6号ホームランを放っていたそうだ。
だが、昨年の8月23日、右肘の靭帯損傷が判明する。その頃も、A子はロスに1週間滞在していたという。
さらに11月、大谷がFA権を正式に取得した頃も、A子は短期間、大谷のところに行っていたというのである。
ここまで詳しく大谷と新妻のことをつかんでいながら、なぜか、実名も顔写真もなし。
これはきっと、自社の「Number」と大谷との関係に支障をきたさないように気を遣ってのことだろう。
そうした気遣いのいらない新潮なら、実名・顔写真付きで報じているはずだと見て見ると、こちらもこう触れているだけ。
「『練習施設』で初めて出会い、離れていても一緒のドラマを同時に鑑賞して楽しめる、小説好きな28歳の女性。そんな大谷選手の妻がお披露目されるのを多くのファンが待ち望んでいる」
酒薔薇聖斗事件のとき、犯行少年の顔写真を掲載した新潮らしくもない。
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