プロ野球、選手SNS運用の「プライバシー問題」と「落とし穴」と恐れる「球団批判」
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今年に入り千葉ロッテ・佐々木朗希が「脱退」したことが報道され注目された日本プロ野球選手会。そんな選手会が3月5日、「プライバシーの尊重に関するお願い」との声明を発表、だが、現場では扱いに困惑している。
声明では「近年、スポーツ選手を含む著名人について、私生活上の事柄に関する報道やSNSへの投稿が過熱しています。特にインターネットやSNSの発達により、情報拡散のスピードは速くなり、拡散の範囲は広くなっています。そして、一度情報が拡散されてしまうと半永久的に残ってしまい、検索も容易になっている点で、被害は深刻化しています」と訴えた。
続けて「世の中に溢れている情報の中には事実に反するものも含まれますし、尾行や盗撮といった不適切な取材方法が用いられるケース、プライバシーに関する情報の公開を巡って金銭を要求されるケースすら存在します」と主張。スポーツ選手の立場としては「私たちの仕事の中心は、あくまでプレーを楽しんでいただくことです。スポーツ選手であることを理由に、交際相手や結婚相手などの私生活や家族に関することまでもが際限なく暴露されてしまう状況では、安心して生活していくことができません。選手と家族の平穏な生活を守るため、メディアの皆様が取材や報道を行うとき、ファンの皆様がSNSを利用するときには、選手にも尊重されるべきプライバシーが存在することについて、今一度お考えいただければ幸いです」とした。
球界関係者は「真っ当な意見を述べておりその点は評価できる。ただそれがどのようなファンに向けてのものなのかが今一つ伝わってこない」と話す。
実は昨年3月にも選手会はプロ野球12球団、日本野球機構(NPB)と連名で声明を発表した経緯がある。
「2022年シーズンの話として、選手、審判、球団関係者への誹謗中傷、侮辱や脅迫等などが相次いだとして、発信者情報開示請求等の法的措置を講じ、専門家や警察などの関係機関と連携。『これまで以上に断固とした対応を取る』としていますが、実際にそこまでできていないのが実情。ただ問題は、選手側がSNSをやっていた場合にそこへファンやマスコミの注目が殺到してしまうことへの対応がまるでやれていないのです。SNS全盛の時代で10~20代の選手は幼少期からケータイ、スマホを持ち、SNSに親しむ生活を送っている。それゆえ、球団もSNSを全面的に禁止することができない。かといって誹謗中傷が殺到するなら削除、閉鎖させるしかないのだが……。選手会とNPBが音頭を取ってガイドラインを早急に策定しないと、犯罪に巻き込まれるなど大事になる可能性もある」(前出・球界関係者)
12球団では一部を除いて、特にYouTubeチャンネルに関しては、2月から11月までの球団との契約期間中、撮影、アップ行為を禁止しているところが多い。某選手は「球団がコントロールできないところで、チーム批判を公然とされたくないのが一番強い」と内情を暴露するが、SNSにおいても厳格な運用が求められそうだ。
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