『不適切にもほどがある!』に“コンプラ警察”出動、ジブリ作品にも過剰な取り締まりが…
#ジブリ #不適切にもほどがある!
《酸素吸入中、周囲2m以内での火気の使用は、火災等のおそれがあることから厳禁とされています。誤解を招く表現となりましたことをお詫び申し上げます》
阿部サダヲ主演のドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の番組公式サイトが更新され、こんなお詫び文が掲載された。
同作は、宮藤官九郎のオリジナル脚本による意識低い系タイムスリップコメディー。1986年から2024年の現代へタイムスリップした“昭和のおじさん”小川市郎が、コンプラで縛られた令和の人々に考えるキッカケを与えていくストーリーだ。
問題となったのは、2月23日に放送された第5話の一シーン。在宅酸素療法をしている患者の近くで市郎がたばこに火をつけるシーンがあったことが「不適切」だとリアル謝罪することとなった。
これに対し、ネット上では「番組タイトル通りなのに謝罪とはこれ如何に」「昭和の価値観のドラマだからお詫びする必要ある?」といった声がある一方、「へぇー勉強になった」「火事の危険があるからこれは正当なクレーム」などの反応も見られる。
善し悪しはともかく、こうした「コンプラ警察」の出動は今や至るところで見受けられるが、とりわけこの数年取り締まりが厳しくなってきているのが、スタジオジブリ作品だという。テレビ誌ライターが言う。
「『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で放送されるたびに、映画公開時にはまったく問題視されていなかったシーンがツッコミ祭りとなっています。『耳をすませば』(1995年)のハイライトである主人公・月島雫を乗せて天沢聖司が坂道を駆け上がる“自転車二人乗り”シーンは、『違法』だとアウト判定。また、図書館の貸出カードの履歴からお互いの名前を意識していく場面も、個人情報の観点から問題視されている。『となりのトトロ』(88年)もお父さんとメイとサツキの“3人乗り”や、引っ越し時に明らかに車の積載量を超えた荷物だったのが、道路交通法違反との指摘を受けています」
極めつけは、パワハラおよびモラハラの疑いがかかっている『千と千尋の神隠し』(2001年)に登場する湯婆婆のこのセリフ。
「見るからにグズで! 甘ったれで! 泣き虫で! 頭の悪い小娘に、仕事なんかあるもんかね! お断りだね。これ以上穀潰しを増やしてどうしようっていうんだい!それとも……一番つらーーいきつーーい仕事を死ぬまでやらせてやろうかぁ」
『不適切にも~』が浮き彫りにした過剰なコンプラによって、名作が地上波から消えてしまうのも時代の流れなのだろうか……。
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