巨人・菅野智之、抑え転向も崖っぷちMLB移籍と稼ぎ損ねた天文学的マネー
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一時は球界一の年俸を稼いだ巨人のエース・菅野智之に苦悩の時期が続いている。2012年にプロ入りした菅野は、1年目から13勝を上げて優勝に大きく貢献すると、その後も順調に活躍し、瞬く間に球界を代表する投手に。年俸は3年目で1億円を突破し、その後もグングンとアップして、2020年には当時、日本プロ野球史上最高となる8億円(推定)契約を結んだ。しかし21年以降は不本意な成績が続き、あっという間に年俸は4億円までダウン。しかも今季はチーム事情により、抑えに回ることも噂されている。
「巨人はすでに3年間、優勝から遠ざかっており、ここ2年はBクラス。阿部慎之助新監督のもとV奪還を目指すシーズンになりますが、岡本和真、坂本勇人、丸佳浩らが並ぶ打撃陣はともかく、問題は投手陣です。先発は昨年2ケタ勝利を上げた戸郷翔征、山崎伊織に加え、菅野、グリフィン、赤星優志あたりでローテーションを回せそうですが、問題は抑え。守護神の大勢が離脱して開幕に間に合う目処が立たず、代役を探す必要があります。
そこで、関係者やOBの間でまことしやかにささやかれているのが、菅野のリリーフ転向です。菅野は制球力も球速も申し分なく、伝家の宝刀のスライダーは空振りも取れる。さらにフォークも一級品で、ストッパーに必要な条件をすべて兼ね備えています。
阿部監督は『抑えは大勢。菅野は先発』と繰り返していますが、開幕ダッシュ失敗は絶対に許されない。巨人では過去に槙原寛己、上原浩治、澤村拓一らが先発から抑えに回って成功しており、緊急避難的な菅野の配置転換には現実味があります」(週刊誌スポーツ担当記者)
数年前の菅野ならあり得ない話だが、今や彼のポジションは先発の3番手か4番手。伯父の原辰徳氏もチームを去り、今季は正念場の年となる。広く野球界に目を向ければ、大谷翔平の1000億円超の超大型契約を筆頭に山本由伸、ダルビッシュ有らの巨額契約が話題になったが、菅野はどこで歯車が狂ってしまったのか。
「菅野はずっとメジャー志向でしたが、巨人は基本的にポスティングを認めない方針。それでも2020年に球団はMLB移籍を容認しましたが、新型コロナ騒動でメジャーのFA市場は冷え切り、条件面で合意できなかったため、菅野はチーム残留を選びました。しかしその後の成績は振るわず、市場価値が落ちたばかりか、年齢も34歳になってしまった。過去には斎藤隆や上原浩治など、30代半ばでメジャー移籍して成功した例もありますが、タイムリミットぎりぎりです。
“今さら”の話ですが、2018年に菊池雄星がマリナーズと7年で約120億円の契約を結んだことを考えると、実績で上回る菅野が2018年か2019年にMLBに行っていれば、菊池以上の契約を結べたはず。一方では昨年オフ、8年間で64勝しか上げていない今永昇太がカブスと4年5300万ドル(≒77億円)で契約しており(菅野は8年目までで101勝)、菅野は完全に売り時を逃しました」(フリーのスポーツライター)
山本由伸の3年連続投手4冠には及ばないが、菅野の最多勝3回、最優秀防御率4回、沢村賞2回、MVP2回という実績も凄まじい。しかも本人はバリバリのメジャー志向だったのだ。しかし、100億円単位の契約を取り逃したのも、自分の決断が招いた結果だ。
「菅野は大学卒業時、巨人入りを切望していましたが、ドラフト会議で巨人と日本ハムから1位指名を受け、抽選で交渉権を獲得したのは日本ハムでした。菅野は球団を固辞し、1年浪人の道を選びました。“たられば”の話になりますが、もし菅野がすんなり日本ハムに入り、巨人並みの成績を残していれば、田中将大がヤンキースと結んだ7年160億円クラスの契約が結べたはず。日ハムはポスティングもOKなので、田中やダルビッシュ有に負けないぐらい稼げたでしょう。
もっとも、菅野は実績も貢献も抜群で、浪人して巨人に入っており、しかも原辰徳が伯父という血筋。間違いなく将来の巨人の幹部候補生の一番手です。菅野がユニフォームを脱いだ後も、読売グループは全力を挙げて菅野をバックアップするでしょうから、“辰徳おじさん”と同じく“生涯・巨人”を貫くのも1つの生き方かもしれません」(同上)
抑えで覚醒するか、先発で圧倒的な成績を残して渡米するか、すっかり過去の人となるか……チーム成績も重要だが、菅野にとっても選手生命をかけた大事な1年になりそうだ。
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