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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > デヴィ夫人、刑事告訴で「週刊文春」と真っ向対決

デヴィ夫人、刑事告訴で「週刊文春」と真っ向対決…「言葉の暴力」と報道姿勢にも激怒

デヴィ夫人(写真Getty Imagesより)

 タレントのデヴィ夫人が27日、自身に関する記事をめぐり名誉毀損および信用棄損の罪で「週刊文春」(文藝春秋)の関係者らを刑事告訴したことを発表。昨今の週刊誌の報道姿勢を「表現の自由、報道の自由に名を借りた言葉の暴力」「著名人を貶め、社会から抹殺している」などと断じ、ネット上で賛否を読んでいる。

 デヴィ夫人は自身のInstagramに長文を投稿し、「昨年、私についてなされた週刊文春の報道に関し、この度、週刊文春の関係者や、一般社団法人AMITIE SANS FRONTIERS(以下、『AMITIE』といいます。)の関係者(代表理事、理事2名及び監事1名)を、名誉毀損及び信用棄損の罪で刑事告訴しました」と報告した。

 デヴィ夫人については、昨年8月に「週刊文春」が「デヴィ夫人がモナコ慈善団体から1700万円を持ち逃げしていた」などと報道。デヴィ夫人が、代表理事を務めていたモナコの慈善団体「AMITIE SANS FRONTIERS(アミチエ・ソン・フロンティエール)」の日本支部「アミチエジャポン(略称)」の通帳(残高1788万円)や印鑑を「この口座は私が使う」として、持ち逃げしたとする金銭トラブルを伝えていた。

 記事では、デヴィ夫人が支援のために向かったウクライナへの渡航費用や物資輸送費用などを「アミチエジャポン」に負担させようとするなど「団体の私物化」を疑わせる行動もあったとし、団体の関係者は同誌にトラブルが事実である皆を証言していた。

 当時、これに対してデヴィ夫人は「持ち逃げ?するわけありません。事実無根です」と完全否定し、「今回の記事で、私の評価は著しく傷つけられましたので、その回復のため、あらゆる措置を講じてまいる所存です」と宣言。この「あらゆる措置」が今回の刑事告訴につながったようだ。

 先日、ダウンタウンの松本人志が名誉毀損の損害賠償として約5億5000万円の慰謝料などを求めて「週刊文春」を提訴したが、他の著名人らが週刊誌を訴えるケースでも民事訴訟が一般的。名誉棄損での刑事告訴は、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏が東京都知事選に出馬した際に「週刊文春」などにスキャンダル疑惑を報じられ、同誌の編集長らを刑事告訴(のちに不起訴処分)したケースなどがあるが、タレントによる告訴はまれだ。

 デヴィ夫人が刑事告訴した理由については「民事で慰謝料を得るよりも、刑事事件として相手を処罰したいという思いが強いのでは」とも推測されている。

 デヴィ夫人は今回の投稿で「詳細な説明は差し控えさせていただきますが、報道された内容は事実無根であるほか、一部の事実を切り取り、私がAMITIE(アミチエ)を乗っ取ろうとしている、私物化しようとしている等、断定的な表現で私を貶めようとするものであり、極めて悪質と申し上げざるを得ません。もちろん、私がAMITIEを乗っ取ろうとしたことも、私物化しようとしたことも、1700万円を持ち逃げしたことも、一切ございません。逆に私は、AMITIEに1100万円以上の金員を寄付しております」と主張。

 さらに、昨年の報道の影響として「私は、インターネットを中心に、様々な謂れのない誹謗中傷を受け、私・娘・孫の心は深く傷つき、今でも全く癒えておりません。また、報道を契機として、私から離れて行かれた方も、多数いらっしゃいます。コマーシャルの放映や、テレビ番組への出演も中断されました。私は、このまま社会から抹殺されるのではないかとの恐怖感も覚えました」と告白した。

 デヴィ夫人は昨今の週刊誌報道にも言及し、「最近は、一部の週刊誌が強い権力を持ち、一般の方が週刊誌に情報を提供し、週刊誌が他方当事者である著名人の言い分を公平に載せることなく著名人を貶め、社会から抹殺している事象が、多数見受けられます。そのような報道姿勢は、表現の自由、報道の自由に名を借りた言葉の暴力と申し上げざるを得ません」と訴えた。

 続けて「一般の方が、紛争解決のため、正規の手続に拠ることなく、週刊誌を使って著名人に追い込みをかけているとすれば、それは、報道機関が持つ権力を笠に、言葉の暴力を利用する共犯者というべきであり、そうした姿勢が正しいかどうかも、十分に検討されなければなりません。そのような思いから、今般、刑事告訴に踏み切る決断をした次第です」と、異例の刑事告訴に至るまでの思いを明かしている。

 これに対して、28日付の「文春オンライン」は「〈刑事告訴〉デヴィ夫人に『週刊文春』と団体理事が徹底反論 『1700万円持ち逃げトラブル』証拠文書も公開 理事は『大変驚き、恐ろしく感じている』」と題する反論記事を掲載している。

 報道内容の真偽は当局の判断を待つしかないが、ネット上では「一部の週刊誌が強い権力を持ち、著名人を貶め、社会から抹殺している」「表現の自由、報道の自由に名を借りた言葉の暴力」とする、デヴィ夫人の週刊誌への主張をめぐって議論が発生。

 SNS上などでは「週刊誌が力を持ちすぎて、目に余るようになってるのは自分も感じる」「芸能人やスポーツ選手の不倫とか、個人的な問題で社会から抹殺されるようなおかしな風潮になってるのは事実」といった声がある一方、「宝塚の問題とか文春のおかげで進展した事件もある」「事実無根っていうけど、週刊誌の取材を侮らないほうがいい。かなり裏取りはちゃんとやってる」といった意見もあり、賛否両論となっているようだ。

 デヴィ夫人の刑事告訴は当局にどのように判断されるのか。「起訴のハードルは高い」という見方が強いが、もしも「文春」関係者らが起訴される事態になれば、週刊誌が社会正義を代行するかのように振る舞う現在の風潮が変化する可能性もありそうだ。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2024/02/28 18:00
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