令和ロマンとハイヒール・リンゴ対談で語られた「1日10ステ」その実情を見取り図の動画に見る
#見取り図 #令和ロマン
23日、YouTube「よしもと祇園花月チャンネル」で公開された動画で、ハイヒール・リンゴと令和ロマンが対談を行っている。
大阪NSCの1期生であるリンゴはダウンタウンと同期で、令和ロマンにとっては35年先輩にあたる関係。2組は初対談になるという。
この対談の中で話題になったのが、吉本興業の若手漫才師の舞台数だった。
「1日何回くらい立つの?」というリンゴの問いに、令和ロマンは「10回」と回答。「10回はすごいな」と驚いて見せるリンゴだったが、令和ロマンは1日に5分の漫才を10ステージ行うといい、高比良くるまは「大阪の人は毎週やってますよ」、松井ケムリも「みなさん働いてらして」と平然と語った。
大阪吉本に所属する漫才師のステージ数は、たびたび話題に上がる。同23日には元プラス・マイナスの岩橋良昌が「今日11ステやったら20万やったんかぁ」とX(旧Twitter)にポスト。そのギャラ事情についても明かしている。吉本の漫才ギャラは実績によって差別化されており、賞レースの結果などで上がっていくことが知られている。昨年の上方漫才大賞受賞者である岩橋のギャラは、おそらく若手漫才師の中では最高ランクだったと思われる。
だが、そもそも1日に10回もステージに立つことが物理的に可能なのか。その行程を垣間見られる動画がある。見取り図が昨年1月にYouTubeの「見取り図ディスカバリーチャンネル」にアップした「【1日12ステ漫才+】見取り図完全密着ドキュメント2023年版」という動画だ。
この動画で見取り図は、午前6時20分に品川駅に集合し、新幹線で大阪へ。9時に新大阪駅に到着すると、そのままタクシーでNGK(なんばグランド花月)入りしている。
1ステージ目は10時スタート。急いで身支度を整えると、舞台袖に入る。どのネタをかけるかは「出ていく前」に盛山晋太郎がリリーに伝えるのだという。
漫才を終えて楽屋に戻ったのは10時10分。向かいのよしもと漫才劇場へ移動する。「唯一空くのがここ」(盛山)だといい、その1時間の間に別のYouTube動画を撮影する多忙ぶりだ。
2ステージ目の漫才劇場は11時20分。その舞台を終えると、森ノ宮漫才劇場へタクシーで移動する。漫才師も大変だが、各劇場でスケジュールをすり合わせながら分単位で出番時間を決めている制作側の苦労もうかがい知れるところだ。森ノ宮の出番は12時10分。わずか2時間で3ステージをこなしていることになる。
再びタクシーで漫才劇場へ。タクシー内でブログを更新するなど、休む暇もない。12時45分には漫才劇場の舞台に立っている。
5ステ目はすぐにNGK、裏口へ回る時間も惜しんで、入場を待つ客の目の前から劇場に入っていく。13時05分。
6ステ目はまた森ノ宮、7ステ目は岸和田南海浪切ホール。タクシーの中で「時間の感覚がなくなる」と語るリリーは、この日まだ何も食べていないという。
岸和田で弁当を腹に押し込み、14時45分から漫才。滞在時間20分で再びNGKへ。見取り図が乗るタクシーの前の車両には、この日8ステだというオズワルドが乗っている。
NGKで15分の仮眠を取り、8ステ目。その後も9ステ森ノ宮、10ステ漫才劇場、11ステ岸和田、12ステ漫才劇場。この日最後のステージは19時45分だった。
「コンプリート!」盛山が清々しそうに叫ぶ。盛山はこの後、趣味のサッカーに行くのだという。
毎週、土日には何組もの漫才師がこうして大阪中を駆けずり回りながら漫才をしているのだ。寄席は、こうして大阪の街に文化として浸透していく。千鳥もかまいたちも、こういう時期を経てテレビスターになったのだ。
「5分漫才を12本やっても40分やろ。サラリーマンのほうがよっぽど働いてるわ」
かまいたち・濱家隆一の言葉である。
(文=新越谷ノリヲ)
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