霜降り明星・粗品、『M-1』審査員を「やってあげたい」上から目線の真意
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霜降り明星・粗品が、また物議を醸しそうな物言いをしている。
21日にYouTubeの個人チャンネル「粗品のロケ」を更新した粗品。その動画のタイトルは「ボケ無しでお笑いの熱い話をする粗品」というもので、夜の公園で「775」で募ったというファンからの質問にボケ無しで熱く答えた。
冒頭から「天下取り興味ありますか?」という熱い質問に対し、「あるなぁ、もちろんあるよ」と答えた上で、テレビ、YouTube、劇場などさまざまなフィールド「全部」で天下を取りたいと、その野望を明かした。
また、「お笑い芸人を続けるモチベーションはなんですか?」という質問には「向いてるから」とし、さらに相方のせいやが結婚し、子どもが生まれたことで「良い意味で辞めにくいという感じ」になったという。粗品自身は一時「35歳で隠居する」という意向を明かしていたこともあったが、心変わりしたようだ。
動画後半、「審査員やりたいですか?」という質問に、粗品は「賞レースとかの?」とニヤリと笑い、スタッフの目を見据えてこう答えた。
「やってあげたいな」
ポッと出た軽口ではなく、十分に言葉を選んだうえでの回答だったことがうかがえる間だった。
現在31歳の粗品は2018年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)チャンピオンだが、芸歴でいえば昨年、初のファイナリストとなったマユリカらと同期に当たる。自身も『M-1』へのエントリーの権利を残しており、2度目の優勝を狙える立場でもある。審査員を「やってあげたい」という言葉には、過敏な反応を示す関係者はファンも少なくないだろう。
だが、そこには粗品なりの賞レースに出場する芸人に対する愛情があった。
「やってあげなあかんな、俺が」
粗品は各賞レースの審査員が年長者ばかりであることを問題視。予選、決勝の観客が20~30代であることを挙げ、その層が笑うネタを審査員が理解していないことを指摘する。「ネットのノリ」「Xのあるある」といった例を出しながら、審査員が「意味がわかってないのに、ウケてんなってだけで採点すんのは、俺はちょっと(出場者が)かわいそうやと思う」と語った。
「毎月新ネタ作って、毎月単独ライブして、お客さんの前でウケるウケてないをやってる人やったらええねん。寄席じゃなくて」
特に『M-1』については、そもそもが新人発掘のための大会であり、「新しい笑いを求めている」という大義名分がある。昨年には予選の審査から“古株”と呼ばれる放送作家が一掃され、制作のABCテレビ側も大会全体の若返りを図ろうとしている意図は感じられた。
粗品は、言葉を選ぶ人だ。それは、誤解を恐れるからではない。あえて批判を集めるような物言いをして人を振り向かせ、自分の話を聞かせる。本当に必要なことを伝えるために、リスクを冒す。そういう人の言葉にこそ、傾聴の価値がある。
今『M-1』審査員のオファーが来たら受けるか、というスタッフの問いに、粗品はこう答えた。
「受けるな、もちろん」
現実味は薄いかもしれないが、くしくも今年の『M-1』の審査員のイスは、一番右が空く可能性があるのも事実だ。
(文=新越谷ノリヲ)
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