お見送り芸人しんいちの『R-1』審査員問題「同期・後輩に審査される」はアリかナシか
#R-1ぐらんぷり
11日に行われたピン芸人日本一決定戦『R-1グランプリ2024』(フジテレビ系)準決勝を前にネット上を騒がせた「後輩が審査員」問題。準決勝の芸人審査員に22年同大会王者のお見送り芸人しんいちが選ばれ、X(旧Twitter)で軽口を叩いたことを発端に、ZAZYやおいでやす小田といった『R-1』戦士から苦言が呈され、ファンからも大きな批判の声が上がった。
実際、しんいちは昨年の準決勝でも芸人審査員を卒なく務めあげていたが、『R-1』が今回から10年の芸歴制限を撤廃したことで、悪目立ちしたかっこうだ。
この騒動を受けて、11日に配信された『ABEMA的ニュースショー』(ABEMA)に出演した千原ジュニアが「小田なんかはしんいちより先輩やから『なんで後輩に審査されなあかんねん』っていうのもあるやろし、もし俺がR-1出たら、もう一人なだぎ(武)も審査員ですから、俺『なんで同期に審査されなあかんねん』って思うもんね」と発言。やはり、後輩や同期の芸人に審査されることに違和感を表明している。
だが、賞レースの審査員が同期や後輩であるケースが過去になかったわけではない。
昨年『キングオブコント』(TBS系)で優勝したサルゴリラは、審査員席のかまいたち・山内健司とまったくの同期にあたる。
審査員が昨年までの山内、ロバート・秋山竜次、バイきんぐ・小峠英二、東京03・飯塚悟志、ダウンタウン・松本人志の5人体制になった21年以降、ファイナル進出者が審査員の先輩になるケースはないが、『キングオブコント』は芸歴制限がなく、また今年は松本に代役が立てられる可能性もあるため、覆ることがあるかもしれない。
『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)では、後輩の審査員が先輩の芸人を審査したケースがある。21年に優勝した錦鯉・長谷川雅紀が94年デビューに対し、審査員のナイツ・塙宣之は00年、サンドウィッチマン・富澤たけしは98年のデビューであり、明確に後輩である。この2人が錦鯉の優勝を目の当たりにして、生放送中に涙を流していたのは記憶に新しいところだ。
錦鯉に限らず『M-1』の場合、出場権利の制限が芸歴ではなくコンビ歴15年以内なので、組み直しのベテランがエントリーすることは珍しくない。また昨年だけでもユニットとして、ともに93年デビューの小籔千豊や2丁拳銃・小堀裕之が参加しており、有名な先輩を後輩が審査するという状況が生まれても、まったく不思議ではない。
過去、『キングオブコント』や『M-1』において「後輩が先輩を審査するなんて」と話題になったことは、ほとんどない。エントリーする芸人にとって重要なのは芸歴ではなく「誰に審査されたいか」「誰なら納得できるか」という問題だろう。『キングオブコント』の審査員に飯塚、『R-1』にバカリズムが選ばれたときの歓迎ムードは、それを如実に表している。
今回の騒動の原因は結局のところ、しんいちのキャラクターによるところが大きいようだ。
(文=新越谷ノリヲ)
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