三浦瑠麗氏「新論破王」と互角の論戦で再評価も…メディア復帰に大きな壁
#三浦瑠麗
テレビからすっかり消えてしまった国際政治学者の三浦瑠麗氏が、SNSを舞台に「論客」として存在感を強めている。もし再評価が進めば「地上波復帰」の目もありそうだが、その可能性はあるのだろうか。
最近の三浦氏はX(旧Twitter)で時事問題をぶった切ることが多く、以前と変わらぬ舌鋒の鋭さを見せている。
今月6日には、今年の「ミス日本」のグランプリを獲得したウクライナ出身のモデル・椎野カロリーナが「週刊文春」(文藝春秋)に不倫を報じられ、事実を認めてグランプリを辞退した騒動に言及。記事にあった「身持ちの固さは大和なでしこの美質のひとつ」という記述に対し、「『身持ちの固さは大和なでしこの美質』って誰が書いたの?編集会議に女子がいて、誰も何も言わなかったんだ。へえ、『日本の女』は身持ちが良いのが美質、あ、そう」と噛みついた。
三浦氏は「不倫してまっせ、で止めときゃよかったのに。性差別的な記述に謝罪するなら早めにした方がよいんじゃないかな。だって週刊文春は『身持ちの良い』人々が書いてる『権威ある雑誌』になっちゃったんだから」などとも記し、文春編集部の態度が「性差別的」だと断じた。
こうした三浦氏の意見に対して、立憲民主党の米山隆一衆院議員は「文春の性差別的態度には賛同しませんが、文春は許せないけど麻生氏は許せるという矛盾が、如何にも三浦氏だよなと思います。麻生氏がOKなら文春もOKだし、文春がダメなら麻生氏もダメでしょうに」と反応。自民党の麻生太郎副総裁が上川陽子外相について「そんなに美しい方とは言わんけれど」などと問題発言をした件について、三浦氏が「麻生さん綺麗な記者にフラフラしないので有名」「頭のいい女性をリスペクトするのが麻生流」などと擁護するようなコメントをしていたことを皮肉った。
これを察したらしい三浦氏は、8日付の投稿で「政治家はコメンテーターじゃないんだからSNSじゃなくてリアルで仕事をした方がいいと思う。もともと作家さんなら別だけど。SNSは承認欲求のお手軽な道具。呟いたら仕事した気になる。そのうえ支持層を見誤る原因にもなる。有権者はもっと生身での接触を求めていると思う。雑感です」と、あえて名指しせずにカウンターパンチ。
これを受けて、米山氏が「自意識過剰的に仮想対象の一人かなと言う事でコメントすると、それはSNSの影響を見誤っていると思います。トランプ氏の力の源泉の一つがSNSである事が典型ですが、今は可成り地方の戸別訪問をしても『ツイッター見たよ!』と言われ、SNSでの影響力は政治家の力の一要素です。コメンテーターは政治家じゃないんだから、自分の好き嫌いに基づいた主張ではなく、事実に即したコメントをすべきだろうにと思います。雑感です」と返すなど激しい応酬に。それぞれの支持者が盛り上がっているが、ネット上では「互角の勝負」とみる向きが強いようだ。
米山氏は、論破王と称される「ひろゆき」こと西村博之氏と論戦を繰り広げ、ひろゆき氏を論破したことで「新論破王」とも呼ばれている。その米山氏と五分五分の勝負となったことから、三浦氏を論客として再評価する声が上がっており、本格的なメディア復帰の足掛かりになるのではとの見方もある。
しかし、メディア復帰には大きな障害があるようだ。三浦氏といえば、昨年3月に夫の清志氏が太陽光発電事業をめぐり計4億2000万円を着服したとして業務上横領の罪で起訴された。この件について三浦氏はほとんど事情説明をせず、コンプライアンス的な不安を払拭できなかったことがメディアから消える原因となった。
昨年12月に三浦氏は「FLASH」(光文社)のインタビュー記事に登場したが、やはり清志氏のことについては「私が知っているのは、夫は今も釈放されておらず、一回めの公判が開かれたきりだということ」などと語るにとどまった。
地上波復帰するなら事情説明は必須だが、夫の裁判が終わるまで具体的なことは話さないというスタンスだと目されている。だが、清志氏は昨年7月に行なわれた初公判で「私は無罪です」と起訴内容を否認しており、裁判の長期化が予測されている。
否認を続けたとすると、裁判期間は「少なくとも1年程度、被害者が多数にわたるなど事件が複雑化している場合は起訴から2年以上かかることもある」と指摘されている。さらに、もし仮に有罪となった場合は「初犯でも実刑で5~6年になるのでは」と推測され、そうなると今後数年間は三浦氏のメディア復帰が厳しくなる。
テレビ映えする稀有なキャラクターなので状況が整えば再び引く手あまたになる可能性があるが、あくまで「夫の裁判の結果次第」となりそうだ。
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