『24時間テレビ』着服問題、調査結果と再発防止策を発表も…深刻な視聴者の信用低下
#24時間テレビ
日本テレビが1日、昨年発覚した系列局での『24時間テレビ』寄付金着服問題を受け、公式サイトで内部調査の結果や再発防止策を発表した。だが、寄付金がネコババされていた事件の衝撃は大きく、現時点では視聴者の信頼回復は難しそうな状況だ。
昨年11月、日テレ系列の日本海テレビ(鳥取県)の元幹部が2014年から総額約1118万円を着服し、そのうちの264万円余りが『24時間テレビ』で集めた寄付金だったことがわかった。金融機関に運ぶまで局内の金庫で保管されていた寄付金を持ち出すなどの手口で着服していたという。税務調査が入ることを知った元幹部が自ら着服を申告したことで発覚したが、そうでなければバレなかったとみられ、他の系列局や日テレでも「ネコババ」が横行しているのではと疑われた。
これを受け、24時間テレビチャリティー委員会が内部調査を行うとともに、外部弁護士を交えた不正防止対策チームを発足させた。
内部調査では、これまで『24時間テレビ』の募金活動に携わった計283人の関係者に対面もしくは電話で聞き取りを実施。同委員会は「調査の結果、新たな着服などの不正の事例は確認されませんでした」とした一方、2003年にボランティアスタッフが自身の一万円札を寄付金の千円札10枚と両替した案件と、2013年に寄付金3080円入りの封筒を紛失した案件が「不適切な取り扱い」として報告された。どちらも発覚した年に関係各所への謝罪とチャリティー委員会への返金を終えているという。
再発防止策としては「募金活動における新たな規約の策定」「専門業者への委託」「募金活動のモニタリング調査」「不正通報窓口の開設」の4点を徹底すると発表。新たな規約の策定としては「寄付金を預かる際、寄付金が入った容器は委員会規定のシールで封印する」「すべての募金会場で、現金に加えてキャッシュレス募金を導入」「対面での募金会場では、警備員を配置するかもしくは監視カメラを設置」「寄付金を運搬・保管するため移動させる際は、原則として2名以上で作業を行い、台帳による管理を徹底」などが定められた。
しかし、これを受けてネット上の視聴者からは「他に不正はなかったって、すんなり信用はできないなあ」「この防止策じゃ、同じようにテレビ局で保管してる間に現金抜かれたらわからないのでは」「過去何十年もネコババがあったかもしれないのに、283人に聞き取りしただけで『内部調査終わりました』って言われても納得できません」などと厳しい声が飛び交っている。
『24時間テレビ』は、かねてから「チャリティー番組なのに出演者にギャラが支払われる」「庶民から善意の募金を集めておいて、テレビ局はスポンサー企業から高額な広告料を取っている」「タレントやスタッフを酷使して働き方改革に逆行している」といった問題を指摘され、着服問題を機に「廃止すべきでは」との意見も出ていた。そうした背景があるため、今回の調査結果や再発防止策の発表で、視聴者が「はいそうですか」とすぐに納得するのは難しいようだ。
日本テレビをめぐっては、企業としてのモラルが問われるような事態が続発している。信頼は失墜したといってもよく、同局は今後も『24時間テレビ』を継続する意向のようだが、視聴者の目はいっそう厳しくなっていきそうだ。
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