『となりのナースエイド』川栄李奈が「最も信頼を得ている俳優」と評される理由
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日本テレビ系で放送中のドラマ『となりのナースエイド』(水曜22時)で、ゴールデン・プライム帯での民放連ドラ初主演を務めるのが川栄李奈(28)だ。
昨年6月に第2子を出産してから、早々に仕事復帰。『となりのナースエイド』のほかにも、3月からは舞台『千と千尋の神隠し』で主人公・千尋を演じ(橋本環奈、上白石萌音、福地桃子とクアトロキャスト)、3月の『変な家』、6月の『ディア・ファミリー』といった出演映画の公開も控えているなど、精力的な活躍を見せている。
ドラマ関係者いわく「いま最も制作サイドから信頼を得ている俳優の1人」だという川栄だが、元はと言えばAKB48のメンバーとして芸能活動を開始。AKB48時代にフジテレビ系『めちゃ×2イケてるッ!』内企画の「国立め茶の水女子大学付属第48高等学校期末テスト」で最下位になったことで“おバカキャラ”として、バラエティーを中心に活躍するようになった。
その後グループを卒業するとともに、エイベックスに事務所移籍。そこからは、主に俳優に軸をおいて活動していく。
「卒業と移籍のタイミングで、川栄さんのキャリアはいったんリセットされたというイメージ。俳優路線に進んだわけですが、当時は“無謀なのではないか”との指摘も多かった。
というのもAKB48の出身者でいうと、前田敦子さんや大島優子さんのような、グループ内でのセンターを担ってきたメンバーが主に俳優として成功していて、川栄さんのような“バラエティー班”は難しいと見られていたんです」(前出・ドラマ関係者)
しかし、徐々に俳優としての才能を開花させ、2022年のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』では、深津絵里、上白石萌音とともにトリプル主演を務め、一気にキャリアアップを果たした。
「川栄さんは元々の演技力の高さや仕事に対する真摯な姿勢もあるんですが、それとともにイメージに左右されないキャラクター性もポイントです。AKB48の総選挙で上位に入っていたメンバーたちは、良くも悪くもアイドル時代のイメージが付きまとってくる。キャスティングする制作サイドとしても、“元アイドル”というイメージを利用する部分もありますし、アイドル時代からのファンを意識した役柄を任せることも多い。アイドル時代に人気が高かったメンバーほど、そういったさまざまな要素が絡んできて、それがある種の“制約”になっている部分もあります。
しかし、AKB48時代の川栄さんは前田さんや大島さんほど、グループを代表するようなメンバーではなく、グループ卒業後はアイドル時代のイメージを持ち越さずに活動できた。事務所の移籍によって、一気に路線を変更したのも大きい。AKB48を背負わずに活動できたから、どんな役にも挑戦できるわけで、制作サイドとしてもオファーしやすい」(同)
“人気メンバーじゃないと俳優路線は無理なのでは……”と言われていた川栄だが、実際には“ある意味、超人気だと目立つメンバーではなかったから俳優として成功した”という側面があるのだ。
さらに、川栄が信頼を得ている理由として、その“圧倒的な親近感”があるという。
「これまでのキャリアとも関係してくるんですが、アイドル時代のイメージが強いと、地味な役をやっていてもどこからか華やかさが漂ってしまう。元アイドルだけでなく、たとえば綾瀬はるかさんや長澤まさみさんのような“国民的”と呼ばれるような俳優も同様で、どんな役を演じていても、絶対にオーラが溢れてしまうんです。
川栄さんはそういうオーラを出さないんですよね。身長が152cmと小柄で華奢(きゃしゃ)で親近感もあって、日常に溶け込みやすい。日本の地上波ドラマでは、まさに“日常”を描く作品も多く、そのスケール感にすんなりフィットして、リアリティーを生み出せる。これは俳優としては大きなメリットだと思います」(同)
もちろんオーラが魅力となる俳優も多いが、川栄の場合は、そうではない部分が武器になっているのだ。
AKB48時代に“王道”を進んできたわけではないということが、いまの俳優業で功を奏している川栄。もしもAKB48の運営サイドが川栄を推していたら、いまの活躍はなかったとさえ言えるのではないか――。そういう意味では、現在活動している多くのアイドルグループのなかにも、そこまで目立ってはいないが俳優としての才能を秘めているメンバーはいるはず。そういったメンバーたちをいかに発掘していくかが、日本のドラマ・映画界の発展に繋がっていくかもしれない。
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