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『新空港占拠』頼みの綱は“青鬼”菊池風磨、そして見どころは「拷問メカ」へ

2024/02/03 12:00

#新空港占拠

　1月27日に放送された『新空港占拠』（日本テレビ系）の第3話。正義感あふれる熱血刑事・武蔵（櫻井翔）が空港を占拠したテロリスト集団に立ち向かう占拠シリーズ第2弾となる本作品。第2話では空港を占拠した獣の集団にハメられた武蔵が彼らのアジトのような場所に閉じ込められるところで幕を閉じた。一方、武蔵の妻である裕子（比嘉愛未）は、娘とともに謎の男に自宅で銃を突き付けられていた。

　武蔵は、自身が拉致された際に手首に埋め込まれた鍵を無理やり取り出して脱出。共に捜査を行う刑事・本庄(瀧内公美)の救出に何とか成功する。そして獣との再度の交渉が始まる。人質の中から連れてこられたのは、前回、獣によって不正を暴かれた経営者の顧問弁護士の米沢（長田成哉）。獣は米沢が弁護士として「今日、人質の中にいる誰かを国外逃亡させようとしていた、それは誰か」と出題した。米沢は「その正体をばらしたら母親を殺す」と脅されており、獣からの脅しでも応えることはできない。

　そして、米沢はなんと「2000Vの電流に囲まれたランニングマシン」で走るという、どう見てもギャグにしか見えない安っぽい刑を受ける。武蔵たちが逃亡犯の正体を見破らないと走り続けることができず感電死というわけである。確かに事態の深刻さから怖いのは間違いないが、とにかく電流とランニングマシンの描写に緊張感がなく、ギャグにしか見えなかった。ただわかったことは、獣の中にはメカニックに精通する人物がいるということだ。

　謎の人物の素性が明らかになったことは重要な進展だろう。武蔵の姉・二葉（奥貫薫）の計らいで逃げた空港内を逃げ回る一部の人質の中に壬生（手塚とおる）という男がいる。この男こそ、米沢が逃そうとした逃亡犯だった。壬生という男はこの世に存在せず、彼が整形手術を受けたことを武蔵は突き止める。彼の本名は北見という、保釈後に逃亡した元衆議院議員だった。前作『大病院占拠』に絡んだ犯罪者として逃亡を企てた壬生。しかし、空港内を逃げるも獣にあえなく捕まってしまう。銃を突きつける虎と猿。それは、壬生に恨みを持つ丹波一樹（平山浩行）、直樹（岩瀬洋志）の「警察官親子」だった。

　映像に映し出された丹波親子の正体を知って驚がくする武蔵ら警察一同。それもそのはず、丹波は管理官であり武蔵とも関係があった。それだけに武蔵の「うっそだろう……」も当然と言える。丹波親子は壬生に恨みを抱いているようだ。時限式で首を吊られて死ぬ、これまた不思議な拷問機械に壬生は乗せられる。なぜ次から次に奇妙な機械を準備しているのかはわからず、やはりギャグ要素が強く感じるのは筆者だけだろうか。

　警察が調べたところ、半年前に丹波の妻が飛び降り自殺しており、その理由が「ジャーナリストだったが捏造疑惑で批判を浴び、苦にして……」ということのようだ。しかし、実際はその妻は「高所恐怖症」で、飛び降りなどするのか、との疑問が残っていた。丹波は武蔵に「北見のウソを暴け」と要求する。混乱する武蔵は、情報を求めて1年前の病院占拠事件を引き起こした武装集団「鬼」の主犯格、青鬼こと大和耕一（菊池風磨）に会いに行くという展開となった。

　舞台演出が目を引いた第3話だったが、ネタ切れの雰囲気ただよう人質たちの罪の内容、そしてもったいつけて登場させた獣の一人が丹波では盛り上がりにかけた印象がある。ここにきて参戦の可能性が浮上した大和。気になるのは武蔵にとって敵か味方かというスタンスだ。その点では単純な獣討伐とはならなさそうであり、ストーリーがさらに混沌としてくことは間違いないはずだ。

　なにかとツッコミどころの多い本作品において、菊池風磨のカムバックは朗報に他ならない。作品の核である復讐（ふくしゅう）者たちの人間模様にどのようなスパイスを効かせるのか。第4話では新たな拷問メカニックの存在とともにその動向に注目したい。