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ヤーレンズ、ランジャタイ、モグライダー芝大輔……飛躍する“元・吉本興業”芸人たち

【М-1準優勝ヤーレンズ登場】NSⅭ時代にジュニアの授業秘話 | TVer

 千原ジュニアとケンドーコバヤシが毎週、台本なしのフリートークを繰り広げる『にけつッ!!』(読売テレビ)の30日深夜放送分にヤーレンズがゲスト出演した。

 ヤーレンズは、昨年末の『M-1グランプリ2023』(テレビ朝日系)で準優勝して、一気に全国区に。長く東京地下ライブの“番頭役”として知られてきたが、ようやく日の目を見たコンビだ。

 現在はオードリーやトム・ブラウンと同じケイダッシュステージに所属するヤーレンズだが、キャリア初期は大阪吉本の漫才師として劇場に所属していたこともあり、楢原真樹はアインシュタイン・稲田直樹やすゑひろがりずと同期にあたるNSC28期、出井隼之介は見取り図や金属バットと同期となるNSC29期の出身である。

 そんなヤーレンズだけに、この日はケンコバ、ジュニアの2人と吉本時代の回顧話に花が咲いた。

 出井はNSC在籍時にジュニアが講師に来たことがあると明かし、その際のジュニアの様子を証言。当時のジュニアはレザーのボアジャケットを着込み、ニット帽を目深にかぶって現れたのだという。

「入ってきてドーンっと(イスに)座って、『サブいなぁ……今から新しいお笑い作ろうとしているその教室が……サブいてー!』って、言ってました」

 情感たっぷりに当時の様子を再現する出井に、ジュニアも思わず赤面。ケンコバに「近年、こんなに恥ずかしいことないでしょう」とツッコまれるしかなかった。

 しかし、そんなケンコバも出井から若かりし頃の雄姿を暴露されている。NSC在学生がbaseよしもとで先輩のネタを見る会があり、そこにケンコバが出演していたのだという。

 そこで「めちゃくちゃな下ネタ」(出井)を披露したケンコバだったが、MCから後輩へのアドバイスを求められたケンコバは、去り際に「やりたいことやったらええねん……」と小声で言い残して姿を消したのだという。

 これにはスタジオも大盛り上がり。無論、ケンコバはジュニア以上に顔を覆って恥ずかしがっていた。

 千鳥、かまいたち、霜降り明星をはじめとして、数多くの吉本上京組がバラエティを席巻している昨今。大阪吉本でのこうしたエピソードを数多く持っていることは、ヤーレンズが今後バラエティ番組を回っていく上での武器になるはずだ。

 ヤーレンズに限らず、吉本やNSC出身ながら現在は吉本以外の事務所に所属している芸人は数多い。

 2021年の『M-1』で頭角を現したランジャタイは、2人とも東京NSCに在籍していた経験がある。ともに数カ月で退学しているが、その退学の経緯やラッキィ池田のダンス授業、ゴミ拾いの強制などNSC在学時のエピソードトークを多用しており、やはりその雰囲気を知る吉本芸人との絡みが大いに機能している場面を頻繁に見かける。

 同じく21年の『M-1』がきっかけでブレークしたモグライダーの芝大輔も東京NSC出身。幅広い人脈によって、あっという間にバラエティの輪に溶け込むと、現在では同期のかまいたちらと『ジョンソン』(TBS系)の看板を張るまでになった。

 また、その21年『M-1』で優勝した錦鯉は2人とも吉本の出身だ。渡辺隆は東京NSC5期に在籍し、長谷川雅紀は北海道時代に札幌吉本でタカアンドトシと同じ釜の飯を食う仲だった。

 彼ら“元・吉本”芸人に共通する強みは、2つ以上のコミュニティを持っていることだ。吉本芸人の多い現場では吉本時代のエピソードが使えるし、東京地下ライブのいわゆる“他事務所ライブ”での同世代のつながりも深い。テレビバラエティの収録はチームプレーだといわれるが、彼らはどんなチームでも役割を果たせるバックグラウンドを持っているのだ。

 無論、彼らとて最初から“元・吉本”芸人になろうとして吉本の門を叩いたわけではない。一度は挫折を経験しているということだ。その挫折の経験もまた、彼らの強みであることは間違いないだろう。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/01/31 20:00
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