『水曜日のダウンタウン』松本人志不在でどうなる?“最後の出演”全発言を抽出して検証する【後編】
#松本人志 #水曜日のダウンタウン
27分58秒「おお、オールバック」「え、それリーゼントのつもりなん?」「ウソやろ?」「ベッカムヘアなの?」
2本目の説に。プレゼンターのダイアン・津田篤宏に対して、珍しい髪型イジリ。津田は困っているときがいちばん面白いので、登場からさっそく困らせにかかっている。
28分58秒「まあ、できるんじゃないですか」
説は「説教の達人 第2弾」。前回参加した津田は食べ物の名前を後輩への説教に盛り込むという企画に挑戦し、「ラーメン二郎」や「人参しりしり」に苦しめられた。「どうやってやるんですか? できますか?」と津田に迫られた松ちゃんのスカシ。さらに問い詰める津田に「その場になったらできると思います」とスカシを重ね、津田を激昂させる。激昂している津田は面白い。
29分24秒「テンパってへんわアホ、オールバック、ボケ。殺すぞオールバック!」
スカシ続ける松ちゃんに津田が「今日えらいテンパってるじゃないですか!」と間違いツッコミ。ミスは厳しめに指摘。
29分58秒「まあ説教はしやすいよね」
最初の挑戦者である鬼越トマホーク・坂井良多が説教相手に選んだ空気階段・鈴木もぐらに対して。
32分27秒「すごいこと言うてるけどね」
テーマ「ゴキブリ」に対し、坂井が「おまえのファンってクズに集まってるゴキブリホイホイと同じじゃん」と発言。時間ギリギリだったこともありスタジオ一同感心する中、いちおう言っておくといった感じで。
33分36秒「バレるバレる、目線が」
「ハイエナ」「パンダ」をクリアした坂井が「カクレクマノミ」に困り果て、文字が流れるモニターを見続けてしまったことに対して。
34分02秒「笑てもうてるからな」
坂井の説教が通じず、笑い出しているもぐらを見て。ここでの松ちゃんは状況説明の補足に徹している。
34分18秒「まあ、言われるわな」
「ナウマンゾウ」という難しいテーマに「おまえナウマンゾウになるぞ」としか言えない坂井。「ナウマンゾウって害なくないですか?」と返されてしまう。さらに困った坂井は「どういうイメージある? ナウマンゾウに」と説教でもなんでもない質問をしてしまう。これに松ちゃんは「ええねん、そんなん」。
34分53秒「わかりにくいねん」
「ゴールデンレトリバー」と「ラブラドールレトリバー」のどっちになりたいか問う坂井。「ゆりあんレトリィバァもいるけどさ」とかぶせたが、もぐらの反応がイマイチだったので「ウケてないなぁ」と松ちゃん。だんだん坂井のダメさをイジる方向にシフトしていっている。
35分12秒「ヌートリアってどんなんやったっけ」
次のテーマ「ヌートリア」に対して。ここでスタジオに戻り、田中がヌートリアについて説明する。ここも流れを補足する発言をしてくれた松ちゃんに感謝するスタッフの顔が目に浮かぶような編集。
35分35秒「こうなったら最悪やで」
「もうちょっともぐらはさ、がんばるっていうかさ、ヌートリア! みたいなさ」という切羽詰まった坂井のヤケクソ説教に対して。
36分51秒「腹立つなぁ、なんか」
2番目の挑戦者、ナダルの紹介で写真が出た際に。人の顔を見て「腹立つなぁ」は、カレー南蛮をすする布川に続いて本日2回目。ちなみにナダルのテーマは妖怪。
37分40秒「全然できてないなぁ」
CM明け、スタジオに戻り、再び津田がなえなのに「できる? 人参しりしりで説教」と迫る。なえなのが「おまえは人参としりしりしてろ」と答えたところで、松ちゃんの必要以上に厳しく当たるというツッコミボケ。
39分03秒「怖い、怖い」
説教スタートのタイミングでいきなりキレ出すナダルの様子に。説教相手のゴスケはこの様子に驚いていないので、わりと普段からナダルはこんな感じなのかもしれない。怖い。
40分21秒「テンジャキ乗っかってきてるやん」
「天邪鬼」が読めず、「テンジャキなんかこれ!」と意味不明にキレ散らかすナダルに対し、特に動じないゴスケの様子。
40分54秒「ゴスケヤバいな」「ゴスケの方が怖いよな」
ずっとキレているナダルに乗っかり続けるゴスケの違和感がここで表明される。VTRの見え方が「ナダルがヤバい」から「ゴスケがヤバい」に転換される瞬間、やはり編集は松ちゃんのワンショットを使っている。
41分12秒「やってへんし」
「手長足長、やってる場合ちゃうねん!」と怒鳴るナダルと、普通に「はい」と答えるゴスケ。この「やってへんし」は、やってないのに「はい」と言っているゴスケへのツッコミ。適切すぎて津田が思わず「やってへんし」と同じ言葉を口にしてしまっている。
41分56秒「妖怪か?」
テーマに「人面犬」が出てきたことに対して。
43分56秒「ゴスケがもう、すごいなぁ。ヤバいなぁ」
10問目まで終了し、ネタばらしまでの間つなぎ。ネタばらしに対するゴスケのリアクションに期待しましょうという意味。
44分50秒「遅いよね、もっとバンバン出していいよね」
VTRが終わり、スタジオに戻って総括。次回、「説教の達人」があるならテーマをもっと速く出したほうがいいと松ちゃん。「スッスッスッスッて出てもいけます?」と津田が応じ「現場になったらいける」と天丼。「今、現場じゃないから」と、浜ちゃんがうれしそうに松ちゃんの天丼ボケにかぶせる風景が、なんだか切なくもある。「今オフってるから」と松ちゃん。
45分25秒「ゴスケは、人殺してんねん」「何人も殺してんねやで」
なえなのの「ゴスケが怖かった」という感想に対して。このボケが津田のツボにはまり、津田は腹を抱えて声がかすれるほど笑い出してしまう。
45分51秒「もうちょっとやったのになぁ……」
番組の締めコメント。「以上、説教の達人でした!」と言わなければいけない津田が「以上、太鼓の……」と言ってしまい、がっかり。これが最後のコメントになった。
* * *
やっぱり明らかに、松ちゃんは『水曜日のダウンタウン』という番組の顔役だった。VTRの途中でスタジオに下りる場面は松ちゃんの発言ばかりだし、前半の企画で春日・金ちゃんペアにツッコミがいないからオーソドックスにツッコミを入れていくという作業が自然になされていることに気づいたときはゾクゾクした。
さらにプレゼンター登場時のイジリは、よく見れば即興大喜利だった。ワイプへのツッコミは代替が利くだろうが、このプレゼンターイジリは松ちゃん独特の切り口であり、ちょっと誰かがマネできるものではなさそうだ。
説からスタジオに戻ったときのまとめコメントも、ただ面白いだけでなく、前半の「あのジジイ」には数々の失礼ボケを帳消しにして全責任を背負う覚悟が見えたし、後半の「ゴスケは、人殺してんねん」は知名度のない変な芸人を視聴者に強烈に印象付けるものだった。
いずれにしろ、次回以降は松ちゃんのいない『水ダウ』が始まる。軽々しく「早く復帰してほしい」などと言うつもりもない。まずは、藤井氏の采配に注目したい。
(文=新越谷ノリヲ)
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