マシンガンズが振り返る激動の2023年『THE SECOND』はおじさんの人生をどう変えたか
#マシンガンズ
毎年、数組の芸人が大きな賞レースによって人生を変えているが、昨年もっとも大きく人生を変えたのは『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の王者・令和ロマンでも『R-1グランプリ』(フジテレビ系)の王者・田津原理音でもなく、マシンガンズだろう。
昨年5月、芸歴16年以上の漫才師を対象とした『THE SECOND』(フジテレビ系)に参加。予選で次々に番狂わせを起こし、準優勝までたどり着いたマシンガンズ・滝沢秀一と西堀亮が23日に公式YouTubeを更新し、そんな1年を振り返っている。
「マシンガンズが躍動した自身の2023年を振り返りつつコンビ愛を測る!」と題された動画では、さまざまなお題に対して2人の答えを合わせるというクイズ企画を実施。「(マシンガンズは)キレ芸と見せかけて合わせ芸なんですよね」(滝沢)、「太田プロのなすなかにしと呼ばれてる我々はね」(西堀)と、2人は企画に対して自信を見せる。
だが、第1問の「2023年一番嬉しかった仕事は?」というお題から、2人の答えは食い違うことになる。滝沢は『THE SECOND』、西堀は『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)。西堀もすぐに「やっぱりセカンドよ」と訂正し、滝沢も「これがなかったらいろんな仕事とか芸能人に会うこともなかったからね」と振り返った。
「時々ね、考えるよね、『THE SECOND』なかったら、俺、何してるんだろうって」
西堀はそう口にすると、しみじみと滝沢の顔を覗き込む。
昨年の5月20日を境に、25年の芸歴を重ねてきたマシンガンズの人生は一変した。デビューした98年は映画『タイタニック』がブームになり、サッカー日本代表が初めてW杯(フランス大会)に駒を進めた年だ。ありていにいって、大昔である。
「辞めるきっかけがなかった」
多くのベテラン芸人から聞かれる言葉である。まったく箸にも棒にも掛からなければ諦めもつくが、『M-1』では準決勝2回、賞レース時代の『THE MANZAI』(フジテレビ系)でも2度の認定漫才師に選ばれている。『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)や『エンタの神様』(日本テレビ系)にも定期的に呼ばれ、「MAXめんどくせぇ!」というフレーズでプチブレークしたこともあった。
幸か不幸か、それなりに仕事があり、「FKD48」の面々をはじめとした多くの仲間があったことが、マシンガンズの漫才寿命を延ばしてきた。
新ネタを作ることもない、滝沢は副業として始めたゴミ清掃で安定した収入を得るようになり、そのゴミの知識が評価されて講演や執筆仕事も舞い込むようになった。そんな状況だったからこそ、西堀は「俺何してるんだろうって」と言ったのだ。「俺たち、何してるんだろう」ではなく。
『THE SECOND』での準優勝を経て、芸能仕事は60倍になったという。ゴミ清掃の仕事のために酒量を減らし、日常的に体を動かすようになってスリム化していた滝沢のビジュアルに注目が集まり、ライブ会場に女性客が殺到するという想定外の事態も起こった。10年前、西堀が単独で出演したラジオ『オールナイトニッポンR』(ニッポン放送)にも凱旋し、今回は2人でリベンジを果たした。
動画では2問目以降も、あくまでにこやかに2人は激動の1年を振り返った。今年は春先に単独ライブを開催し、新ネタを作って第2回の『THE SECOND』を目指すという。
50前のおじさん2人が、青春を謳歌している。そして幸か不幸か、多くの同年代の芸人たちがまた夢を見るのである。
(文=新越谷ノリヲ)
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