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阪神タイガース、ドミニカ共和国“新助っ人発掘プロジェクト”成功の可否

阪神タイガース、ドミニカ共和国新助っ人発掘プロジェクト成功の可否の画像1
藤川球児(写真/Getty Imagesより)

 昨シーズン38年ぶりに日本一に輝いた阪神タイガースが一大プロジェクトを実行した。

 今月中にドミニカ共和国で球団初の大規模トライアウトを実施。報道によると実施日は非公開、現地にはフロント陣のほか、球団がスペシャルアシスタント(SA)として起用した元阪神の藤川球児氏も現地に派遣、選考に関わったとし、26日に岡田彰布監督が育成契約で20代のドミニカン2投手を獲得することを了承、27日に嶌村聡球団本部長がトライアウトの詳細を明かしている。そして3月に来日後は、鳴尾浜球場隣接の独身寮に入寮するという。

 過去にもドミニカの地で入団テストを実施したことはあったが、本腰を入れて取り組むのは今回が初めて。ただ、「今さらドミニカに行っても遅いよ」と事情通の球界OBは苦笑する。

「かつては優秀な若手選手がそこら中にいたけど、今はみんな日本ではなくメジャーリーグに行ってしまう。メジャーは最低年俸も日本円で約8000万円にまで上がったので、あえて慣れないアジアの土地に行く必要がなくなってしまった。有能な人材はみんなアメリカに行ってしまうのが現状で、それを今から獲得しに行くのだから周回遅れか、よほどの掘り出し物がないと、阪神の外国人獲得戦略は失敗に終わるだろう」

 広島東洋カープがカープアカデミーを作るなど、日本人選手と比べてドミニカ共和国出身選手のポテンシャルの高さは今さら言うまでもないが、その反面通用しないことも多々あるようで……。

「真面目に野球に取り組む選手ばかりではないからです。おだてて伸びる選手もいれば、怠け癖がついている者もいて、その見極めが一番難しい。単純に伸びしろがあるからといって、獲得後、大変な目に遭うリスクもはらんでいる。また契約でごねることは日常茶飯事で、とにかく日本人選手以上に向上心が高く、ちょっとでも良い契約を結べそうな球団があれば、立場はお構いなしに勝手に動いてしまう。昨年、国は違えどWBCキューバ代表で中日に在籍したジャリエル・ロドリゲス投手がシーズン開幕直前に行方不明となり先日、ブルージェイズと4年46億4000万で契約したと報じられましたが、これと同じパターンも予測される。抜け道がないか何重にもチェックが必要です」

 また、藤川SAの真価も問われる。

「藤川氏は引退後、指導者経験こそありませんが、SAとして球団に在籍している立場。そのためキャンプやシーズン中に現役選手に助言することはできます。ただ評論活動の内容を見ていると、かなり手厳しい発言が多い。一部の阪神OBからは『現場を知らないから好き勝手に言える。ユニフォームを着て指導者になれば思い通りにならない大変さもわかるだろうに……』と評判は芳しくない。ただ助っ人の目利きができれば編成部門の人材として活躍することはできます」

 今シーズも下馬評は高い阪神タイガース、ドミニカで獲得した育成枠投手にも注目が集まる。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2024/01/29 16:00
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