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『紅白』K-POP推し継続? 歌手別視聴率トップ10に1組も入らずも「世界に向けた番組に」

『第74回NHK紅白歌合戦』キービジュアル

 NHKの稲葉延雄会長が17日の定例会見で、昨年大みそかに放送された『紅白歌合戦』が歴代最低の視聴率を記録したことに言及。「ちっとも面白くなかった」という声もあったことを認めた上で、「視聴率は一つの指標ではあるが、全ての評価ではない」「国民的番組というよりは世界に向けて見ていただく番組になった」などと持論を展開した。

 一部では、出場ゼロになった旧ジャンーズ勢に代わって増加したK-POP系グループを“戦犯”とする声もあるが、稲葉会長の口ぶりからすると今後も「韓国枠」は拡大しそうな気配で賛否が起きている。

 昨年末の『紅白歌合戦』では、SEVENTEEN、Stray Kids、LE SSERAFIM、NewJeans、NiziU、TWICEの日本人メンバー3人のユニット・MISAMO、JO1(吉本興業と韓国のCJ ENMによる合弁会社に所属)とK-POP系グループが計7組出場し、番組のひとつの目玉となっていた。

 しかし、平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は第1部が29.0%、第2部が31.9%で、どちらも2部制となった1989年以降で過去最低に。さらに先日明らかになった歌手別視聴率では、1位がMISIA、2位がブラックビスケッツ、3位がYOASOBI、4位がAdo、5位が伊藤蘭、6位が藤井フミヤ&有吉弘行、7位が寺尾聰、8位が石川さゆり、9位が福山雅治、10位が同率でYOSHIKI、ポケットビスケッツ、薬師丸ひろ子となり、K-POP勢はトップ10に一組も入らなかった。

 それどころか、視聴率推移で見てみると、K-POPグループの登場後は視聴率が軒並み減少しており、番組の「ブレーキ」になっていた可能性すら浮上している。K-POP系グループは若者層に絶大な人気があるのは間違いないが、認知度が低い中高年層にすれば「誰が誰か分からない」という状態であるため、数字が落ち込んだのではと指摘されているようだ。

 もちろん、昨年末の『紅白』が歴代最低視聴率になったのは目玉の不在やマンネリ化、人々の大みそかの過ごし方の変化などさまざまな要因があるだろうが、少なくとも視聴率的にはK-POP枠の増加はほとんどプラスに働かなかったようだ。

 稲葉会長は会見で、周囲からの評価として「身近な人たちからは『新しい形の工夫があり面白かった』という意見もあれば、財界人の知り合いからは『ちっとも面白くなかった』という人もいた」と告白。その上で「視聴率は一つの指標ではあるが、全ての評価ではない」「大みそかの生活パターンが活動的になり、年越しコンサートに行ったり友人と過ごしたりして、お茶の間で生で見る割合が減っているのでは」と、歴代最低視聴率となった理由を推測した。

 さらに、韓国系グループ枠の増加などを踏まえて「紅白は年末の国民的な番組だといわれてきたが、そういう枠にとどまらない番組になってきている。今回のテーマも『ボーダレス』ということで、世界に向けた番組になっていくのでは」と語った。この言葉を聞く限り、K-POP枠を増やしたことについては失敗ととらえておらず、枠の継続や拡大を見据えている印象だ。

 NHKとしては、視聴率は最低だったとしても、懸案だった若者層を取り込みができればK-POP枠を増加させた意味は十分にあったという認識なのかもしれない。ただ、出場ゼロとなった旧ジャニーズ系グループは「紅白の裏」でライブ配信を実施し、Snow Manは最大同時接続者数133万人超の日本記録を達成しており、若者層は『紅白』に見切りをつけて配信に流れたのではとの指摘もある。

 国際的な年越し番組を目指して、NHKの「K-POP」推しは今後も続くのか。あまりに外に目を向けすぎて、国内の視聴者に見限られるようなことにならなければいいが……。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2024/01/19 18:00
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