有働由美子を投入…日テレ、斜陽化した音楽番組の新設に驚きの声
#日本テレビ #有働由美子
3月いっぱいで日本テレビ系報道番組『news zero』のメインキャスターを卒業する有働由美子アナが、4月から同局系の新音楽番組『with MUSIC』(毎週土曜 後7:56)のMCを務めることが決定した。日テレの春改編の目玉となる番組だが、斜陽化していたゴールデン帯音楽番組の新設に疑問の声も噴出している。
今春で終了する『世界一受けたい授業』の後継としてスタートする『with MUSIC』は、日本テレビでは『歌のトップテン』以来34年ぶりとなるゴールデン帯の音楽番組。「アーティストの今一番歌いたい歌を、一番聴きたい歌に」をコンセプトに、音楽ライブだけに留まらず、アーティストやその楽曲の魅力を深掘りし、世界に向けてジャパニーズポップスの魅力を発信する内容になるという。
有働アナはNHK時代に『紅白歌合戦』の司会を通算7度務めた経験があり、桑田佳祐らアーティストとの親交も深いことからMCに起用された。タッグを組む、もう一人のMCは後日発表されるという。
名物番組だった『世界一受けたい授業』の後継番組で、なおかつ有働アナを司会に据えたことから、日テレはかなり力を入れているように見受けられる。今春の改編で日テレは土曜の21時台にドラマ枠を新設し、22時台と合わせて2枠連続でドラマ枠となるが、同番組はドラマ2枠にバトンを渡す重要な役目もある。
しかし、業界内では「今さらゴールデン帯で音楽番組を立ち上げて勝算はあるのか」といった疑問の声も沸き起こっているようだ。
かつて歌番組はテレビの花形だったが、現在アーティストのライブを中心としたゴールデン帯のレギュラー音楽番組はテレビ朝日系『ミュージックステーション』とTBS系『CDTV ライブ! ライブ!』くらいになってしまった。しかも、どちらも通常放送は低視聴率で、フェス形式の特番で高視聴率を獲得することがあるので何とか続いているような状態だ。
その原因としては音楽シーンの大きな変化があり、現代ではリスナーの興味が細分化され、最大公約数的に誰もが知るアーティストが激減したことから、視聴者にとって「知らない人がテレビで歌っている」状態になりやすいことが挙げられる。
リスナーが音楽に触れる場もSNSやサブスクサービスが中心になり、最新の音楽を知るために音楽番組を観るという習慣はとっくに崩壊。そうなると、出演したからといって必ずしも売上につながるわけではないため、アーティスト側もあまり歌番組に出たがらなくなった。それよりも、SNSやYouTubeの更新に力を入れたほうがよほどプロモーション効果があるのが実情だ。
結果、音楽番組はNHK『SONGS』やフジテレビ系『MUSIC FAIR』などのように新曲にこだわらない内容や、日本テレビ系『バズリズム02』などのように低予算で済む深夜帯への移行が進んでいる。だが、そうした路線でも景気がいいとはいえない状態だ。音楽番組は「斜陽産業」ともいえる状況のはずだったのだが、そこにあえて日テレが切り込んできたことで驚きと困惑の声が上がっているのだ。
日テレには何か秘策があるのかどうか。『news zero』のメインキャスターの座を失う有働アナの今後を左右する番組でもあるだけに、音楽系で久々のヒット番組となることを期待したいが……。
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