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週刊誌スクープ大賞

松本人志への新証言、志賀原発クライシス、羽生結弦“70億円リンク”ほか週刊誌スクープベスト10

休止か引退か…松本人志の本心

 さて、今週の第1位も文春の松本人志の性加害疑惑報道に捧げたい。

 この報道以後、強気でテレビの出演を続けるのかと思われていた松本だが、一転、訴訟に注力したいので、その期間は休むといい出し、彼の冠番組を持つテレビ局を大慌てさせている。

 だが、松本は何を争うのだろう。女性たちを集め、松本に献上したといわれているスピードワゴンの小沢一敬は、最初は「一部週刊誌の報道にあるような、特に性行為を目的とした飲み会をセッティングした事実は一切ありません」と全面的に否定していたが、これまた一転、所属事務所のホリプロコムが、小沢から、「芸能活動を自粛したい旨の申し出があった」と発表したのである。

 そうなると、松本との飲み会をセッティングした「事実」は間違いないようだ。

 今週の文春が報じているように、小沢だけではなく、松本の取り巻き連中が女性たちに声をかけ、高級ホテルのスイートルームで松本と女性たちを引き合わせたことも間違いないようである。

 となると焦点は、松本は彼女たちとSEXしたことはあるが、それが合意の上だったのか、性加害といわざるを得ない行為だったのかだが、今週号を読むと、どうやら松本たちは、女性たちを単なる性的玩具としてしか見ていなかったのではないかと思わざるを得ないのだ。

 本題に入る前に、文春の最初の記事が出てから、そこで性被害を訴えたA子のLINEが流出したことに触れておきたい。

 1月5日の週刊女性PRIMEは、女性が小沢に「お礼のメール」を送っていたと報じた。

「本当に素敵で…」「最後までとても優しくて」「今日は幻みたいな希少な会をありがとうございました」「松本さんも本当に本当に素敵で」

 その記事を受けて松本がXに、「とうとう出たね」と投稿し、勝利宣言をしたのだ。

 これだけ読めば、性加害を受けたはずのA子がなぜ?と思えるが、被害女性にはこうした行動がよくみられるそうである。

 文春に対してA子は、

「なぜ、お礼LINEが“性的合意”の証明になるのですか。このメッセージを送った時はパニック状態にありました。全裸で高圧的に迫ってきた松本氏を拒否したため、男性陣が謝罪する姿を目の当たりにした直後であり、最後まで対応しなかったことをむしろ自分の非のように感じていました。

芸能人の卵だった私は『どうか穏便に見逃してほしい』と、反射的にお礼の文言を書いてしまいました。

いま思えば全て彼らの計画通りだったのです。これまでどれだけの女性が同じ思いをしてきたかを想像するだけで吐き気がします。ここまで漕ぎ着けるのに八年もかかったことが悔しくて仕方ありません」

 と語っている。

 NPO法人レイプクライシスセンター代表で弁護士の望月晶子は、「こうしたLINEを拡散することは、まさにセカンドレイプです」と批判している。

 今週の文春は、前号で報じたようなSEX目的の女性集めは、ほかの取り巻き連中でも行われていた、「SEX上納システム」というべきものがあったと報じている。

 松本が不定期に出るバラエティの収録で福岡を訪れていた2016年6月6日のことだったという。

 松本が福岡を訪れる数日前、福岡市在住のC子は友人女性から、「お笑いコンビ『パンクブーブー』の黒瀬純さんの後輩芸人と、みんなで飲み会をしよう。VIPも来る」と誘われたそうだ。

 福岡の高級ホテルである「グランドハイアット福岡」で、3人の女性たちを迎えたのは2009年M-1王者の黒瀬であった。

 上階にある1泊約20万円の「グランドエグゼクティブスイートキング」に行ったそうだ。

 そこで松本は、女性陣に自慢の大胸筋を触らせた後、結婚について次のような持論を展開したという。

「有名人と結婚して不倫すると嫁さんや相手の事務所にも迷惑がかかる。だから俺は素人と結婚したんや。有名人と結婚したら遊べへん。有名人と結婚する人は凄いわ」

 その日のことをC子はこう語っている。

「キスをされ、抱き寄せられ、最後は性行為をしてきました。三十分ほどの行為の後、別々にシャワーを浴びて、リビングで五分ほど談笑しました。(松本は)黒瀬さんに連絡を入れたのか、彼らも部屋に戻ってきた。それから間もなく、黒瀬さんはチャックのついた小さなポーチから『タクシー代』と言って、五千円を差し出してきました。
それを受け取ると、松本さんたちは『じゃあバイバイ』と。それを聞いたとき『松本さんって、いつもこんなことしてるんだ』と、心底虚しくなりました」

 この日から遡る2015年11月の第一回放送の収録後も、黒瀬は知り合いの女性を手配し、松本に上納していたという。

 約3カ月ごとに訪れる福岡の収録後に、夜ごと行われていたのが、黒瀬ら後輩芸人たちによるよりどりみどりの性接待だったようだ。

 彼らは周囲に、アテンドの苦労を次のように口にしていた。

「松本さんが福岡に来るたび“接待”をしなきゃいけない。しかも、毎回新しい女の子を集めなくちゃいけないんだけど、正直もう呼べる女の子いないよ」

 大阪でも同じようなことをしていたそうである。

 大阪在住のD子が友人の医療関係者から飲み会の誘いを受けたのは、2019年10月のことだったという。

 大阪随一のホテル、リッツ・カールトン大阪。彼女たちを迎えたのは、吉本興業所属のお笑いコンビ『クロスバー直撃』の渡邊センスだったという。ホテルの玄関で彼らを出迎えたのは、芸人のたむらけんじだったそうだ。

 男性陣は放送作家Xを含めて4人。たむらは一人ひとりを寝室に呼び出してこう質問したという。

「今日、誰が良かった? 今から誰と二人で飲みたい? 松本さんはどう?」

 性的な意図を察知したD子が「みんなで飲みたいです」と松本とのツーショットを拒むと、たむらは執拗に「松本さんとかええやろ?」とたたみかけてきたという。

「やっぱり最後はこういう目的のために呼ばれたんだ、と思いました。結局、私の友達が松本さんの部屋に残り、私を含めた他の全員が部屋を出ることになりました。別れ際、たむらさんから『はい、これ』と三千円のタクシー代だけ渡され、帰らされました」

 D子がこう続ける。

「後で知ったことですが、私の周囲でも大勢の子が松本さんの部屋飲みに誘われ、最後は性行為をするように仕向けられていました。女の子を集めるのは、いつも渡邊さんでした」

 2015年の夏、E子は渡邊と親しい人間から誘われ、リッツカールトン大阪に行ったという。

 やはりたむらに寝室に呼ばれ、松本といたいか聞かれたが、E子は拒否したそうである。

「私は『いつもこんなことやってんのか』と心底呆れました。私はXを連れて部屋を出て『あんたら、こんなことばっかりやってんの?』と聞いたところ、彼は『あー……』と。その後、タクシー代を渡されて帰りましたが、結局、その日は友人が松本さんに献上され、エッチをしたと本人から聞きました」

 文春がこうしたことをいつもやっているのかという内容の質問を吉本興業に送った約4時間後に、吉本興業は松本の活動停止を発表した。

 日刊スポーツ(1月11日6時0分)によれば、

「たむらは飲み会については事実としつつ、性行為を目的としたものではないと主張。女性に好きな男性のタイプなどを聞いたことは認めた。記事中にあった女性を松本らと2人きりになるよう仕向ける『たむけんタイム』については『言わないです。人生で言ったことがない』と否定。『そんな事実は本当になくて、そもそも松本さんに対しても失礼。絶対にそんなことはしないです』と語った。

被害を訴えた女性へ向けては『不快な思いをしたから、こういった話をしたんだと思う』とし、『そこに関しては謝りたい。すみませんでした』と謝罪。『何がだめだったのか、もう1度よく考えて反省すべきところは反省して次に向かいたい』と思いを語った」

 これらを総合すると、松本に会わせるための女性集めや、ホテルでの飲み会については事実であったことは間違いない。

 争点があるとすれば、女性たちが松本とのSEXを「容認」していたのか、「性加害」だと受け止めていたのかというところだろう。

 松本が告訴するとすれば、性行為の事実があったかどうかを争うことはできないから、名誉毀損で訴えるのだろう。そうなれば、文春側は女性たちを法廷に証人として呼び、いかに松本から性的加害を受けたかという話をさせるのではないか。

 それが何度も文春を始めとした週刊誌やワイドショーで報じられることになる。

 松本は、そうしたことに耐えられるだろうか。

 また、名誉棄損裁判で松本が勝訴したとしても、テレビに復帰できるとは思えない。例え、これまでのようにテレビに出ても、茶の間の視聴者は、彼の言葉に素直に笑ってはくれないだろう。

 明石家さんまはこの問題について、「松本の件は松本が決めたこと。子供のためが大きいような気がする」(スポーツ報知1月13日 22時43分)と話している。

 松本の本心は、裁判のための活動休止ではなく、これを潮に、テレビの世界、お笑いの世界からの「引退」ではないか。そう私は思っている。(文中敬称略)

【巻末付録】
 まずは現代から。
「福来る 春を呼ぶ女神たち」。巻頭の深田恭子がいい。「グラビア写真館 谷崎潤一郎『痴人の愛』川道さら」

 お次はポスト。
 袋とじ「仁藤さや香/茂みのほうへ」。もう一つの袋とじ「最後だからぜんぶ見せちゃう! 三上悠亜」
「発光する白肌 七沢みあ」

 現代はいつまでヘアヌードを我慢できるのか。ポストが現代を部数で抜くか? 生き残りを賭けた戦いには違いない。

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2024/01/16 09:00
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