『M-1グランプリ2024』最有力候補? 漫才コンビ・エバースに集まる好評価
#M-1グランプリ #エバース
13日深夜、恒例の『M-1グランプリ2023 アナザーストーリー』が朝日放送とTVerで公開される。これにより、昨年の『M-1』は一旦総括といったところだろう。
そんな中、早くも今年の『M-1』で大躍進が期待されているコンビがいる。神保町よしもと漫才劇場に所属するエバースだ。
エバースは今年9年目を迎える漫才師。佐々木隆史と町田和樹はともに31歳で、昨年優勝した令和ロマンの2期先輩にあたる。『M-1』には15年から参加しており、一昨年は準々決勝、昨年は準決勝まで進出している。
その昨年の敗者復活戦でのネタが、業界内外で大きな評判を呼んでいるのだ。
昨年の敗者復活戦は、1組ずつ順にネタを披露し、1対1の客票審査で決着をつけていくノックアウト方式で行われた。エバースはサバイバルラウンドのBブロックに登場した。
マユリカ以上の「キモダチ」である鬼としみちゃむを「ホントにう〇ちしてまーす」のスタミナパンが接戦で破ると、みちおが死ぬんじゃないかというほどのハイテンション&ハイスピードな新作を披露したトム・ブラウンがそれを下し、会場は荒れに荒れていたのだ。ちょっとこの後は誰もやりたくないよな、そういう空気である。
そこに登場したエバースは、特に見た目に個性があるわけではない。スタンダードなしゃべくり漫才で、大いに場を整えてみせた。結果、次に出てくるナイチンゲールダンスに敗れることになるのだが、ナイチンやその後のオズワルドがちゃんとウケたのはエバースのおかげであることは、本人たちも認めざるを得ないところだろう。そう思わせるだけのエバースの出来だった。
大会後、エバースには絶賛の声が数多く寄せられることになる。
テレビプロデューサーの佐久間宣行氏は『オールナイトニッポン0』(ニッポン放送)で「敗者復活のエバース、見た? エバースの『ケンタウロス』って漫才、めちゃくちゃ面白い。びっくりしました。彼らは去年の令和ロマンみたいな感じですよね」と、昨年の敗者復活戦でオズワルドを追い詰めた令和ロマンを引き合いに出して絶賛。
20年王者のマヂカルラブリーも『オールナイトニッポン』(同)で、エバースについて語っている。敗者復活戦で芸人審査員を務めた野田クリスタルが「エバースのクオリティが高すぎて」と語り、「全員、審査員はうなってたよ、これはヤバいねって」と歴代M-1王者が揃う審査員席を震撼させていたことを明かした。村上も、地元・高円寺のロータリーの喫煙所で、居合わせた人が「エバース面白かったな」と話していたことを報告している。
さらに、17年王者のとろサーモン・久保田かずのぶもエバースを高く評価する芸人のひとりだ。昨年末にYouTubeに公開された「焚き火で語る」シリーズのウエストランド・井口浩之との対談で『M-1』の話題になると「正直、本戦の人より敗者復活戦の人たちのほうがすごい目について」と語り出すと、その筆頭に「エバース」。「面白かったわぁ」と無条件に賞賛していた。つまり、ファイナル進出9組と敗者復活組21組、計30組の中で久保田にとって最初に話題にすべき漫才師が、エバースだったということだ。
15年ファイナリストのメイプル超合金・カズレーザーと19年3位のぺこぱ・松陰寺太勇もYouTubeでエバースを話題にしている。カズは「エバース、むっちゃ漫才上手くないですか、あの人たちなんなんすか」と驚きを持って語り、松陰寺も「ボケのほうの子、あの佇まいすごいなと思って。かかってねえの? って、いい意味でね」と感心していた。繰り返すが、エバースが登場したのはトム・ブラウンの爆発的な漫才で焼け野原と化していた舞台だったのだ。
「別に怖くないんすかね? やりゃあウケますけどくらいの腹のくくり方、超カッコいい」(カズレーザー)
寄せられたのは絶賛の言葉ばかりだが、彼らが何を言ったか以前に、これだけの歴々たちが、まずエバースを話題にしているということに意味がある。『M-1』敗者復活からファイナルまで7時間の生放送の中で、多くの人間に「エバースの話をしなければ」と思わせていることが驚異なのだ。
今年は1万組前後がエントリーするという見込みもある『M-1グランプリ』。敗者復活戦でインパクトを残したことは、予選でも大きなアドバンテージになるはずだ。令和ロマンの2連覇を阻むのは、この若手らしからぬ武骨な漫才師かもしれない。
(文=新越谷ノリヲ)
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