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ヨネダ2000・誠の強心臓……『くりぃむナンタラ』のドッキリは芸人のスキルを暴露する

相方が急に来れなくなったらどうする?新企画「1人-1GP」 | TVer

 10日深夜の『くりぃむナンタラ』(テレビ朝日系)は、「1人-1(ひとり-わん)グランプリ」。生放送のネタ見せ配信番組の15分前に相方が来れなくなり、1人でネタをやらなければならなくなったら、どうなるか? という企画だった。

 この試練を課せられたのは、昨年の『キングオブコント』(TBS系)で圧倒的な強さを見せて優勝を果たしたサルゴリラから赤羽健壱、トム・ブラウンのみちお、ヨネダ2000・誠、それにネルソンズの和田まんじゅうだった。披露されたネタを、くりぃむしちゅーの上田晋也とNON STYLE・石田明、南海キャンディーズ・山里亮太という本家の賞レース並みの豪華審査員に加え、欠席したはずのそれぞれの相方が採点審査する。

 ここで抜群の強心臓を見せたのが、ヨネダ2000の誠だった。相方の不在に諸先輩方が狼狽えたリアクションを見せた中、誠は愛の不在を告げられると冷静に本番までの時間を確認し、「考えます、ありがとうございます」とひと言。実際、昨年の『R-1グランプリ』(フジテレビ系)では準決勝まで進んでおり、ピンネタでも強さを見せているが、今回は「壊れてしまった原監督ロボのモノマネ」というシュール極まりないネタを披露。派手な動きもセリフも展開も一切ないそのネタに、審査員席の山里は「これ一本で行くのか……」と震え上がるが、誠はそのまま爆笑をかっさらってネタを終えた。

 当然のように優勝を飾った誠に対し、相方の愛は「生配信でこのネタをやったと思ったらより面白い」と絶賛。山里は「悔しいです、これをやられてしまうと」と語り、石田はネタ時間の3分をオーバーしていることに気づいて「なんでこの(展開のない)ネタで尺オーバーしてんねん!」と天を仰いだ。審査委員長の上田は「たぶん心臓の毛がドレッドヘアーになってる」と、お得意の例えツッコミを炸裂して見せた。

 この回で、誠は大きく株を上げることになった。もともと若手の中では抜群のセンスで知られる誠だが「この状況で、こんなこともできるのか」という新たな発見が業界内に知れ渡ったことは間違いないだろう。

『くりぃむナンタラ』でいえば昨年11月の「ハプニングコント」という、コント中に仕掛け人である相方が予定外の行動をとったときどうするか? という企画では、空気階段・鈴木もぐらがネタを書いていない方であるにもかかわらず仕掛け人の水川かたまりの動きに合わせて展開を作り、まったく別のネタとして成立させてみせたり、蛙亭・中野が驚くべき対応力でイワクラの仕掛けに全乗りしながら演じきったりと、普段のネタ番組やバラエティでは試されることのない芸人としての地力を引き出されている。

 逆に、漫才中に仕掛け人の相方が「もうええわ」を言わず、いつまでも漫才を続けようとしたらどうなるか? という「もうええわを言わない相方たち」シリーズでは、追い詰められた錦鯉・長谷川雅紀やかもめんたる・岩崎う大などが意外な一面を披露することもあった。

 ドッキリによって、芸人の“能力”が暴露されている。有田哲平が関わるドッキリでは、時おりこういうことが起こる。言わずもがな、『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)は毎回がツッコミ芸人に対するドッキリ番組だ。

 人間としてのリアクションを楽しむ落とし穴などのシンプルドッキリも嫌いではないが、芸人が思わずスキルを出してしまうようなこうしたドッキリ企画が、私は好きである。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/01/11 20:00
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