よぴぴ爆ハネ『お笑いエスポワール号』後藤のドヤ顔ツッコミ大量発生『ネジが外れたARE』【正月特番レビュー後編】
#バナナマン #バカリズム #後藤輝基 #川島明
■『お笑いエスポワール号』(TBS系)
昨年6月に放送された特番の第2弾。『お笑いエスポワール号』は、4日に放送された大規模お笑い番組である。
バナナマン・設楽統、バカリズム、川島明という3人の「マスター」のもとに若手芸人32組64人が集められ、最後の1組に残ると賞金50万円が獲得できるというバトルロワイヤル企画。テーマパークを貸し切り、決勝の舞台には大型セットを組むなど予算もかなり突っ込まれている。
まず唸ったのは、正月の大型番組とは思えない芸人のメンツである。賞レース基準でいうと、トップが『THE W』女王のオダウエダ、『M-1』で昨年敗者復活したシシガシラ、それに『キングオブコント』ファイナリストがザ・ギース、ゼンモンキー、ファイヤーサンダー、や団、ななまがり、いぬ、カゲヤマ。そのほか、軟水や素敵じゃないかなど神保町勢、白桃ピーチよぴぴと守屋日和のオールザッツ勢、さらに磁石や三拍子までいる(エルシャラカーニはいない)という、まるで一般層への訴求力のない、ただ面白いだけの芸人が集められているのだ。
バトルは1回戦の坂のぼり、2回戦の池落ちで大半の芸人がふるいにかけられる。ここまではお笑い要素もありながら、どちらかといえばゲーム性優先で運が大きく左右する仕掛けだ。
この1回戦2回戦で、予想していないことが起こった。よぴぴのガヤが冴えまくっているのである。もともと怪しげなマスター3人によって強制収容されているという設定をただひとり守り続けるよぴぴがテロップ発言を出しまくるのだ。また、設楽がケビンス・仁木恭平を見て、磁石・永沢たかしと間違えるという時代を超えたトラブルもあった。ホリプロコムの歴史を垣間見る思いだった。
芸人の数が減っていくとともに、企画もガチのお笑い番組へとシフトしていく。観覧車を使ったタイマン大喜利で5組に絞られた決勝は、30秒のネタを順番に披露し、1組が脱落していくというシビアなもの。ゼンモンキーが残り2組にまで勝ち抜き、このメンツでもネタで勝負できることを示したのはドラマチックだったし、ねじ伏せたななまがりの貫禄を帯びた狂気には恐れ入った。
■『ネジが外れたARE』(フジテレビ系)
4日に放送された『ネジが外れたARE』は、MCに天竺鼠・川原克己、渋谷凪咲、ボディビルダーの横川尚隆という3人を揃えた特番。さらにナビゲーターにトム・ブラウンのみちおなので、要するにむちゃくちゃにしてやろうという番組である。生贄として、フットボールアワーの後藤輝基がゲスト席に座らされる。
「頭のネジ外し推奨バラエティ」という触れ込みで、「頭のネジ」が外れた素人さんを取材したVTRを流し、それを後藤が実践するという流れだが、冒頭から「これは後藤のツッコミを引き出す番組だな」とわかる作りになっている。
最初のVTRは、常にノグソをしているというおじさん。家にトイレはあるが、うんこをするときはいつも山へ行く。しかも、ノグソ用の山を購入しているというのだから、筋金入りである。お尻を拭く用の気持ちいい葉っぱも持参している。
スタジオに戻ると「後藤にも頭のネジを外してもらわないと」という理屈で、実際にパンツを下ろして葉っぱで尻を拭かせる。
その後、自宅前にレールを敷いてディーゼル機関車を購入し、それを見ながら酒を飲むのが至福だという人や、呪物コレクターで、呪物の人形と一緒に寝るという人がVTRで紹介されると、後藤も好きなものを眺めながら酒を飲むべきだという川原が天下一品のラーメンを食べるところを見ながらビールを飲ませられたり、天下一品創業者の木村さんのパネルと一緒に布団に入らされたりと、後藤の災難が続いていく。当然、後藤の例えツッコミがスタジオに響き続けている。
最後のVTRが感動方面だったことが企画段階からのものか、どこかでテコ入れが図られたのかわからないが、荒っぽい特番を荒っぽいままお正月に流したフジテレビの英断は称えられるべきものだろう。みちおが甘噛みしたナレーションを録り直さなかったところがたまらなかった。
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以上、各キー局から1番組ずつ選んでみました。いずれもまだTVerで見られるので、気になった番組があったらチェックしてみてくださいね。
(文=新越谷ノリヲ)
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