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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > オードリー東京ドームライブ19万人応募

オードリー・若林正恭の「お詫び」と東京ドームライブ19万人応募という「しくじり」

オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム

 来月18日に行われる「オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム」を前に、若林正恭がnoteに「お詫び」という文章を公開している。

 同ライブはアリーナ席1万2,000円、スタンド席1万円という高額チケットながら、4万5,000席を完売。さらにステージが見えにくい「注釈付アリーナ・スタンド席」、まったくステージが見えない「体感席」を追加し、映画館でのライブビューイングも47都道府県で行われるなど、異例の盛況ぶりを見せている。

 会場チケットには、重複分を除いて19万人の応募があったという。東京ドームライブを4回開催しても、まだ入りきらない人数である。本来なら若林も大喜びして然るべき状況だが、公開された文章のタイトルは「お詫び」なのだ。

 チケットを取れなかったリスナーに「申し訳ない気持ちでいっぱいです。このような事態を招いてしまい本当にすみませんでした。」と謝罪する。

「席、埋まりますよ!」というリスナーのメールを信じられなかったことに「ごめんなさい」。

「埋まらないよ」という声に引っ張られたことは「自分の弱さ」。

 そして、来場希望者の実数を読めなかったことは「しくじり」だというのだ。

 文中、蕎麦屋の店員さんに「チケットが全然取れない」と迫られたエピソードが記されている。それに対し若林は何度も頭を下げたのだという。「申し訳ないです」。おそらくはこの蕎麦屋さん以外にも相当数のクレームや誹謗中傷が、若林に直接届いたのだろう。

 5年前に全国4カ所を回ったツアーのファイナルだった日本武道館は、会場1万人、ライブビューイング1万2,000人だった。そのツアーの皮きりとなった青森公演は日程ギリギリまで埋まらず、若林はラジオで「オードリーは人気がない」という主旨の自嘲と自虐を繰り返していた。結局、無事に会場は埋まったものの打ち上げ会場の寿司屋はL字のカウンターだった。あれからたった5年なのである。

 もともとオードリーは売れているし、この5年で飛躍的に人気が高まるような事態もなかったし、むしろ春日俊彰は春日事件を起こしているし、おそらく若林の「埋まらないのではないか」という心配は本気だったに違いない。そこに、不安を吐露することでリスナーの購買意欲を煽ろうなどという意図はなかっただろう。多忙を極めるスケジュールをぬって公式YouTubeで全国を奔走し、どぶ板ともいえる宣伝活動を行ってきた。先行グッズを量産し、リスナーにも認知拡大を求めてきた。

 その結果として“落選祭り”が発生した。「宣伝にも協力したのに、会場に入れないなんて」「もうちょっとやり方があったはずだ」SNSはリスナーの不満の声であふれた。

 ラジオは、パーソナリティーとリスナーの距離が近いメディアである。直接、若林から「不安だから買ってよ」とささやきかけられ、いざ買おうとしたら「オメーの席ねぇから」と突き放されたのだから、怒りたい気持ちもわからないではない。ニッポン放送側の転売対策が万全だったといえない部分も、確かにある。

「ファン辞める」「もうラジオ聞かない」リトルトゥースからの、そういう声も少なくないようだ。だが、ある程度のリスナーが離れたとしても、現実として、オードリーにとってはなんでもないのだ。何しろ、19万人が応募しているのだ。

 それでも、若林は謝罪をする。浮かれないし、蔑ろにしない。

 今回の謝罪について、いかにも若林らしいな、と思う部分もあるし、これって演者が直接謝罪するようなことなのか? という違和感もある。

 ともあれ、ドームは埋まるし、ライブビューイングも埋まる。チケットが売れたかどうかは、本来ライブの真価とは関係がないことだ。

 ライブの内容について若林は「きっとライブ当日には良くも悪くもすべてがバレる」と綴っている。東京ドームで何が行われるのか、もうそれだけに注目したい。しょせん、お笑いだぜ? と思うし、どうせ最高にトゥースなんだろ? と思っている。

 で、えーと、配信のほうはどうなんでしょう……?

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/01/06 13:00
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