『かまいたちの知らんけど』恒例の同期旅は和牛・水田の解散をどうイジッたか
#和牛 #かまいたち #アインシュタイン
3日に放送された『かまいたちの知らんけど』(毎日放送)は、昨年の正月に続いて旅企画。「同期旅in那須 お正月スペシャル」として、アインシュタイン、藤崎マーケット、アキナ、天竺鼠・川原克己、和牛・水田信二がゲスト出演した。昨年の「熱海」から天竺鼠の瀬下豊が抜け、水田が加わっている。つまり、いろいろあった結果というメンバーだった。
オープニング、かまいたちの仕切りに川原が乱入し、カメラ目線で「和牛、解散しましたね!」とひとこと。水田が「俺おるときにやれよ」と入ってきて、川原をドツく。
先月、解散を発表した和牛。そのコメントの中で水田は「自分にとって、漫才も漫才以外のお仕事も、芸人の仕事は全て本業です。」としており、今後もバラエティに出演していく意向を示している。
そんな時期だけあって、この大阪NSC26期の同期旅には大きな意味が込められることになった。ただでさえとっつきにくいキャラクターの水田は、和牛という偉大な漫才コンビの解散を経て、さらにバラエティでの扱いが難しくなる。解散について、どれくらいイジっていいのか、共演者もスタッフも自分たちの番組だけで決めるのは難儀であるはずだ。
年初に「解散した水田の取扱説明書」を作る。それがもっとも必要なタイミングで、それにもっともふさわしいメンバーが揃ったのが、今回の同期旅だった。
以降、和牛の解散は番組の縦軸になっていく。
最初のロケ地に向かうバスの中で、同期メンバーたちはさっそく「和牛解散」という難題を因数分解していく。
藤崎マーケット・トキが「賢ちゃん(和牛・川西賢志郎)とせっしゃん(瀬下)がいない!」と振ると、川原が「どっちも解散したんや!」と返す。和牛の解散は3月だし、天竺鼠は瀬下が活動自粛中だが解散したわけではない。
かまいたち・山内健司は直前まで解散を知らされなかったことでスタッフにナメられることになったと水田にクレームを入れ、トキは「なぜ解散になったん!」「漫才、あと1回だけ見せてくれ!」と迫る。
アインシュタイン・稲田直樹は「ライブとか、水田がやってるやつ見たんですけど、楽しそうにやってて」と話し始める。同期旅とはいえ、稲田はほかのメンバーより2年後輩の28期だ。相方の河井ゆずるが26期である関係で参加しているが、水田を「水田」と呼び捨てする間柄ではない。
「え? (水田は)先輩やけど、和牛じゃなくなったんやったら、もう下やろ」
この稲田のボケに、全員から総ツッコミが入る。
絶妙だった。稲ちゃんにはこれがあるのだ。顔だけの芸人ではないのだ。
和牛というコンビに最大限のリスペクトを捧げつつ、水田にツッコミしろを作る。しかも自分が暴言を吐いて悪者になることで、水田の価値そのものは下げない。和牛、アインシュタイン、アキナの3組はもう10年も「アキナ牛シュタイン」として新ネタを下ろすユニットライブを開催してきた仲だ。今回の解散も、アキナとアインシュタインだけには先に知らされていた。
番組はその後も、水田に寄り添いながらフォーカスしすぎない距離感で「和牛解散」を解きほぐしていく。
本当のところは、同期とはいえ誰もわからない。もしかしたら水田自身だって、なぜこんな結論になったのか完全には飲み込めていないのかもしれない。それでも、芸人人生は続いていく。仲間がいる。
番組後半の宴会シーンで、もう一度、稲田の「水田、和牛ちゃうねんから、もう下やろ」が発動する。実にうれしそうに破顔する水田がアップで抜かれ、メンバー全員が爆笑していた。
(文=新越谷ノリヲ)
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