漫才師・島田洋七…紳助に目標にされ、たけしに愛された男の新刊に潜むサプライズ
#島田洋七 #B&B #漫才ブーム
空前のがばいブーム、講演回数はまもなく5000回
この頃、たけしさんの勧めもあり、『佐賀のがばいばあちゃん』を自費出版。ちなみに、当初のタイトルは『振り向けば悲しくもなく』。たけしさんが命名したものだった。
同書をなんとか手売りで売り切った頃、とある出版関係者を紹介され、2004年には徳間書店から出版されることに。それが異例の大ヒットを記録。シリーズ累計で1000万部を突破。舞台、テレビドラマ、映画化もされた。洋七さんは、予想外だったと振り返る。
そして、90年代から始めた講演会の回数は「がばいブーム」で加速。いまや4000回以上を軽く越え、5000回に手が届くとところまで来ている。
その他、王貞治さんや美空ひばりさん、先輩や後輩、同期の芸人との秘話が満載の本書を読んでもらえれば、誰もが感じることがある。筆者も短いながらの付き合いで、洋七さんさんに感じること。それはいわゆる芸能人っぽくなく、フランクに誰とも話せること。そこに一番驚かされたのだ。
また「終わりに」には「漫才師という職業、花月という舞台に感謝!」と記されている。最近、話していて気がついたのは、洋七さんは、芸人よりも漫才師という言葉を頻繁に使うこと。漫才師という職業に心底誇りを持っているのだろう。今年7月に行われた講演会を見学したが、70代になったとはいえ、相変わらずの早いテンポのしゃべくり、10数秒に一度は起きる笑いと、いまだにその話芸は衰えることを知らない。
(文=本多カツヒロ)
『お笑い がばい交友譚』
島田洋七/日本ジャーナル出版/1760円(税込)
漫才コンビB&Bとして1980年代の漫才ブームの先駆者となりニッポンに「お笑い」と「がばいばあちゃん」という2つの社会現象を巻き起こしたお笑い芸人の島田洋七が、『週刊実話』誌上で連載中の人気コーナー「お笑い”がばい”交遊録」から厳選したエピソードを1冊にまとめて単行本化。作家の顔も持つ島田洋七の記憶から掘り起こされる、横山やすし、オール巨人、ビートたけし、島田紳助(敬称略)など、日本のお笑いを牽引した芸人たちや、芸能界、スポーツ界の方たちとの思い出を、あの時一体なにが起こっていたのか…洋七しか知らないエピソードを交えて紹介している。
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